mission:4.悪魔
一人で奥へと向かっていったフォッズは、軽装備だったために油断は出来ない。
いつ獣やクマが出てきてもおかしくない山だったからだ。
そのため村は森のようだった。
とりあえず家がある所は断じて平らな土地だった。
フォッズは辺りに気を配り、自分の気配もなるべく消そうとした。
フォッズはこれ以上言っても何も出てこないと思い、退き帰した。
走って中心部までたどり着いたフォッズは、四人の隊員と合流した。
四人とも重装備だった。
その姿を見ると、自分が虚しく見えた。
「フォッズ、大丈夫だったか?」
アルヴォンが聞くと、フォッズは軽く頷き、「ああ」と答えた。
「このリボルバー、持っててくれ」
と、ルーズが差し出した。
「いいのか?」
フォッズが手を差し出さない状態で聞いた。
「お前はδでも戦闘のプロだ。持っててほしいからな」
「分かった」
フォッズはそう言って、腰のバックにつけた。
その時だった。
また鐘が鳴った。
「またか?」
デビットが飽きたように空を見上げる。
さっきから続いていた鐘の音はようやく終わったが、
第二波のおかげで皆が安心して落ち着けない様子が分かる。
「この鐘は一体なんなんだろうな」
ルーズが誰に聞くともなく呟いた。
その声に反応したジョージが言った。
「ルーズ、さっきの鐘…」
それを聞いたルーズは、気になっていた小型の鐘を差し出した。
「何か書いてないか?」
デビットが覗き込む。
鐘の内部には、「合図」とだけ書いてあった。
「意味分かんねぇよ」
ジョージが頭を掻きむしる。
デビットは他にもないかどうか探している。
アルヴォンとフォッズで警戒して周りを確認していた。
この動きはたび重なる戦闘で身に染みている。
「あったぞ」
デビットが言葉を出すと、ジョージとルーズが近寄ってきた。
そこには、
「呪われし悪魔の降臨の鐘」
と、ただ書いてあった。
ジョージがもう駄目だという素振りを見せた。
「全然分からん!悪魔が来るって事?ありえないって!」
感情剥き出しのジョージをルーズが抑えた。
「まぁ落ち着け」
その時だった。
空が黒ずんだ。
アルヴォンはそれを見てある事を思い出した。
「…!!空が暗い」
それを見て奇怪に思ったのか、「当たり前だけど、何で?」
と、デビット。
「日記に書いてあったんだ」
「日記?」
デビットが質問すると、アルヴォンは銃を下ろして話し出した。
「さっきの民家で拾った日記に、『奴らが降って来た』と書いてあった。
それも、暗い空の事が書いてあった」
デビットは流石に恐怖感を感じた。
「危ないな…本当なら、その『奴ら』が来る」
その言葉に反応し、皆が集まる。
「マジかよ!?」
ジョージが驚きを丸出しの顔を近づける。
「…仕方ないな、一旦戻って見よう、小隊が待機してる場所へ」
アルヴォンの指示により、一向が到着地点へと向かった。
到着地点へと向かう途中、嫌な予感がアルヴォンを襲った。
と同時に悲鳴が聞こえた。
「なんだ!?」
その後に銃声が三発程度聞こえた。
「銃声っ!」
「急げっ!」
全員が走り、着いた到着地点で最初に目に入ったのは、『奴ら』だった。
「ッ!何なんだこいつら!」
小隊の隊長が一人、残っていた。
「嘘だろ…小隊は俺達より人数が多かったハズだ!」
デビットが悲鳴に似た声を上げた。
「二十人は居たはずだ、それが…あれたった一体で?」
アルヴォンが驚きを隠せなかった。
とりあえず、救出が先だと勘付いたデビットとアルヴォンが飛び出した。
「ジョセフ、無事か!?」
小隊隊長、ジョセフ:マール。
彼だけがたった一人残された。
「隊長!こいつは一体!?」
「俺にもわからん!とりあえず、始末が先だ!」
目の前にいる黒マントをまとい長い爪を生やして、
口が化け物のような形の『奴ら』という者の存在を確かめたアルヴォンが、9ミリハンドガンを構えた。
「そいつらは、ハンドガンじゃ太刀打ちできません!」
ジョセフの助言で、ハンドガンを外し、ショットガンを持ったデビットとアルヴォン。
「ガァァァァァ!!」
奇声を発して飛び掛ってくる『奴ら』をショットガンで吹っ飛ばした。
「やったか!?」
気づいたときには、『奴ら』は溶けていた。
「溶けた?」
援護の構えをとっていた三人が安心して駆け寄った。
「今のは一体…」
ジョージが呟いた。
返答はすぐにアルヴォンの口から来た。
「あれが…悪魔か」




