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ずるい

作者: 花浅葱 羽羅

 初めて、最初に私が裏切ったのは彼方でした。そう笑う彼女の頬には涙の後がしっかりと残っていた。泣かせたのは僕だ。それは分かっているのだけれど、僕は慰めたりはしない。だって裏切ったのは君で、僕は僕のやるべきことを貫いただけだった。だから、どうして君が泣くのか分からない。

 泣きたいのは僕のはずだろう。でも、枯渇した僕の涙は流れない。


「世界で唯一信じていたのに。」


 そう言ったのはどちらだったか分からないけど、僕は彼女を上司からの命令通りに殺しただけだった。 彼女を殺した後も僕の涙は枯れてしまって流れなくて、彼女はそれを知っていたから僕の前で涙を流すことはしなかったんだと思いついた。それは、今更同等を装ったつもりでいた彼女の虚勢だったんだ。


(そんな、平等だなんて、ずるいじゃないか。)


 僕の涙は枯れてしまっていた。

 ところで、私は心の底から信じていた人に裏切られるという展開が苦手です。物語としてはこの上なく面白いとは思うのですが、どうも苦手です。(だからどうしたという話ですが。)

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