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ドラゴンマスクより ーふたつのゴールー  作者: 福本 美憂


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律から「プロ契約をしないか」と打診をもらった。

へ?

と、本当に声に出ることあるんだな。

まぁ、現在プロチームから誘いを受けてる私としては、年棒提示をもらってる。

律、いくら出せるっていうの?


「まだ払えねぇ。」

「でも払えるクラブにする。」

「だから一緒に作らねぇ?」


いや、出してもらいたくないし。あのチームにお金で契約したくない。

好きでやってんだから、それでいいじゃん。

プロチームから誘われてるの知ってて、止めに来たの?

なのに年棒提示ないってどゆこと?なぁなぁか?

チーム経営を舐めてんのか、あいつは!


大体、律はプロ契約ってどんなことかわかってないよね?

律自信、プロ契約したことないし。


まぁ、私も今回初めて話をもらって知ったんだけどさ。

プロ契約。

つまり、

私には値段がついたってことなんだよね。

嬉しい。

悔しい。

怖い。

はっきりとわかる、自分自身のサッカー選手としての価値だなって。

年俸280万円。

私って、この金額なんだ。


「サッカーだけに集中できる」


それは、ありがたいことだし望んでいたことだ。


でも、なんかこう・・・縛られる感じがある。

当たり前だよね。自分が商品なんだから。


規約を読む。

一ページ目。

読む。

二ページ目。

読む。

三ページ目。

……

眠い。

こんなの全部読んで契約する人いる?

でも読まないでサインするのも怖い。

もしかして、代理人って、選手の代わりにこれ読んでくれる人のこと?

プロって、ボール蹴る前に字を読めなきゃいけないんだ。。。


まあ、体の自己管理は当たり前。


「ファンサービスもお願いします。」


笑顔を・・・うーん。振り撒くのも仕事になる感じ?

私が愛想笑い・・・無理無理。


私は感情をそのまま出しちゃうタイプ。規約を読むと、チームやスポンサー背負っちゃうからそれじゃダメな感じ。

いや。

私、観客にも怒鳴るタイプだけど。

アンガーコントロールとかって、考えたことない。

最近はレッドもらってないから、できてんのかな。


「SNSもお願いします。」

……

私が?

試合終わって

『今日も皆さんのサポートのおかげで勝つことができました(キラキラ)』

とか?

無理。

『勝った。寝る。』

なら書ける。自分でも逆効果ってことだけはわかる。


気軽にプロやってるように見えるあいつも、こんな縛りの中でサッカーやってんだな。すごいや、プロって。


兄みたいになりたいと思ってたけど。現在プロの兄もこんな規約の中でサッカーやってるんだから、元々、私とは出来が違うんだろうな。

私には私のサッカーがある。

だからこそ、ちゃんと考えなきゃな。


今、私には、選べる道があるわけだ。

プロ契約を二つもらってる。

一つは、

具体的な金額のある選手としての契約。

もう一つは、

なーんも提示されてないけど、夢のある契約。

……

ほんっと。

サッカーしたいだけなんだけど、

めんどくさい。

でもね、

年俸なんかで悩んでるんじゃない。

私は、どこで本気のサッカーをするかで悩んでるんだ。


明日につづく

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