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ドラゴンマスクより ーふたつのゴールー  作者: 福本 美憂


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13/29

オフザボールの動き。

ピッチの中で学んだことは、サッカーだけじゃない。

今、俺がやってることはボールを持っていない時の準備だ。

スポンサーから断りの電話。

「今回は……」

ガチャ。

切れる。

……

またか。

机には

契約書。

銀行残高。

スタジアム使用料。

YouTube登録者だけ増えるw

ため息。


オフザボールの動き。

チームが動き出す前に俺にできること。

選手がゴールを目指すための、力を引き出す動きだし。

運営ってホント、お金がかかる。

選手のスカウト含め、今は何もかもが暗礁に乗り上げている。

でも、下を向いてたら失点する。

気持ちを止めちゃダメだ。


俺のサッカーはいつも走り回っていた。

とにかくパスが欲しかったんだ。

子どもの頃は、そうやってつながることを「楽しい」と思ってた。

なーんも考えてなかったけど、楽しかったんだ。

サッカー偏差値の低さは、セレクションを受けるようになって気がついた。

「楽しい」には技術が必要、「楽しい」を作り出す頭脳が必要。

俺にはどっちもイマイチ足りなかった。


でもさ。

高校の昼休みサッカーで、走り回る俺をあいつは見つけてくれた。

俺の走り込むスペースにパスを出してくれたんだ。

ワンタッチで返すと

「バカ律!自分でゴールしろよw」

そう言いながらゴールを決める。

あいつは必ず得点してくれるんだ。

だからパスを出す。

パスって「信用」なんだと思う。

それを得るために俺はオフザボールの動きをする。

走って戻って裏をとって動き直して。


電話が鳴った。

また、お断りかな・・・

スポンサーからだ。

!!!!!!!

一社決まった!

YouTubeかぁ!

登録者10万人突破が効いた。

鈴からも連絡が来た。

「一人見つけた。契約できそう!リトル瑠w」

ってLINE。

「マジかぁ・・・」

ここで

パスが来たぁ!

走り回っていたら

俺を信用して、パスを出してくれる人がいる。

そのために俺は走り回る。

ボールが来なくたっていい。

パスコースを作るんだ。


明日につづく

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