第3話
私が、ここに来てから早一週間、教育係というリミアはどんな事を教えてくれるのだろう、という呑気な考えは、一回目の授業で無惨にもへし折られた。
リミアの教育内容は、大きく分けて二つに分類された。戦闘術と座学。
戦闘術に関しては初めての授業で模擬戦をした時に、どれだけ彼女が強いか分かった。
文字どうり、手も足も出なかったのだ。とにかく、攻撃の速度が速く、自分が何をされたのか分からない。それを見てリミアはまずは体力作りだな、言って毎朝のランニングを命じた。
次に座学。座学は戦闘術とは違う難しさがあった。言語が統一され、分かりやすくなっているとは言え、これまで触れたことのない事ばかりで、理解するのが難しい。
「それでは前回の復習から行きましょう。まず、魔力と魔術の違いを説明してください。」
その日は雨が降っていて中庭での戦闘術の訓練が中止になって急遽午前も午後も座学になった。
「魔力とは、目に見えない力のことで、魔術はそれに属性を与え具現化したものです。」
「その通りです。それでは今日の範囲に入ります。魔術にはそれぞれ属性があると前回の授業で言いました。火・水・土・風・雷・光・闇 この七属性に魔術は分けられます。相手の魔法の攻撃を魔法で受ける際は、術式の完成度によって相手の魔術を破壊、あるいは自分の魔術を破壊されます。一度試してみましょう。」
そう言ってリミアは空中に火の玉と水の玉を一つずつ作った。
「セナ。この二つの術式を触れさせるとどう思いますか?」
「えっと、火に水だから水の術式が残ると思います。」
「確かに自然界ではそうかもしれません。しかし私は先ほど"術式の完成度によって結果が変わる"と言いました。それを踏まえると...」
そう言ってリミアは二つの術式を触れさせた。すると触れた瞬間水が蒸発し、火の術式が残った。
「このように、火の術式が残ります。」
自然と拍手をしていた。意識はしていなかったけど、多分これまで考えもしなかったことに感動したのだろう。
「ですが、火・水・土・風・雷の術式には、干渉できない術式があります。光と闇です。光と闇も先ほど言いました法則に従い、術式の完成度によって結果が変わります。そして光と闇はどちらかしか使えません。その上使用による副作用が強く使用可能な術士が極端に少ないです。しかし闇・光の二属性は、他の五属性と掛け合わせる事が可能です。セナ、あなたには五属性の他に対勇者戦のために闇系魔術を習得して貰います。」
「あの..リミアさん。一つ質問してもいいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
「その.. 光系魔術と闇系魔術の副作用って、なんですか?」
「やはりそこが気になりますか。光系魔術と闇系魔術の副作用は両方、精神に異常をきたすことにあります。光系魔術は浄化作用があり、闇系魔術は侵食作用があり、使用者の精神力がないと植物状態になります。さらに、それを戦闘で使用するとなるとその分の精神余力も必要になります。」
私は心配になった。そんな魔術を習得できる自信はなく、不安しかない。
「あの..私にそんな難しい魔術、習得できる自信がありません。」
「大丈夫です。要は精神力なんです。その面も含めて私がサポートするようにと命じられております。」
その後、約2時間みっちり魔術基礎の応用を教えられ、今日の授業は終了した。
「それでは今日の授業は終了します。セナ様はこの後部屋にご食事をお持ちしますので、ご部屋でお待ちください。」
今日の授業で更に自分に自信がなくなった。
お父さん、お母さん、会いたいな...
そう思いながら、リミアを待った
いつもありがとうございます。これからも




