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第0話
風が頬を撫でた。
フードの奥で二つの角が光る。
鬼人。
セナ-彼女は、旅をしていた。
魔王が死んでから早10年。人と魔物の対立は無くなり、世界は共存に進んでいた。
だが、脅威がなくなった訳ではない。
魔獣-奴等は自我を持たなが故に未だ、殺戮を繰り返している。
人の弱い所を魔物が支え、魔物の弱い所を人が支える。
その世界を、旅の途中で見るたびに心が温かくなり、そして少し寂しくなる。
そんなことを考えていると、後ろから走ってきた彼女に背中を押された。
「セナ!早く行こう!」
「待ってよ!リィナ!」
私は、彼女と一緒に旅をしている。
リィナ-彼女もまた鬼人だ。
これは、彼女-セナのこれまでの人生の軌跡。そしてこれからの話。
誰よりもこの世界を愛した少女の。
今日からよろしくお願いします。




