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ラウラ

アスリィ家

内部に入ることはできた。さぁ、家探しの時間だ。

とはならなかった。

アスリィ家の娘「あなた達そんな事も書けないの?呆れた。」

マタルの家で一通り字を教わり勉強して最低限の学はあるだろうと思ってたが、小さい時から英才教育を施された奴には敵わない。

「汚い字ね。」

ビーラは震えていた。今に見てろ。吠え面描かせてやる。そんな顔だ。抑えろビーラ。

二人は所用と言って娘の部屋から出た、トイレに行くにも衛士がついて回る。

ビーラ「アニキ、おりゃあもう我慢ならねぇ。さっさと、家探しして、そのお宝を手に入れましょう!」

アラド「といってもよぉ、ずっと衛士がついて回るんだぜ?抜け出せねぇよ。」

まだ何か必要だ。アラドはトイレの鏡を見て考えた。

アラド『あの魔女がどうにかしてくれねぇかなぁ。』

鏡に向かってつぶやいた。

「ほー、なんとかしてやろう。とりあえず、帰ってこい。」

アラド「え?」

頭の中で、マタルの姿と言葉が映る、声がする。


アスリィ家の娘「二人してトイレとか男ってそういうものなの?」

アラド「すみません。お嬢様、我々はこれから商談の予定がありますので。これにて失礼します。」

ビーラ「あ、ありがとうごぜーました!」

娘「ふーん、商談ね。あなた達は何の商いをしてるの?」

アラド「宝石商です。この前、大きなダイヤをあしらった金細工が当たりましてね、成り上がったんでごぜます。」アラドは懐から宝石を2,3出してみせた。

あら、いいわね。娘は目をキラキラさせた。

娘「おいくらなの?それ。」

アラド「お近づきの印に差し上げましょう。」

え!?いいんですか!?アニキ!

的な顔をするビーラ。アラドはそんなビーラを尻目に娘に宝石を差し出した。

娘「気前がいいじゃない?成り上がりさん。気に入ったわ。また来なさいな。」


高級住宅街を出て、アラドは広場へ向かった。

自分しか見えないあの赤い門をくぐる。

アラド「今日はいねーな。」

広場にはマタルの姿はなかった。

家か?アラドは広場からマタルの家までの道のりを覚えてなかった。その部分だけ、記憶が欠落している、

そんな感覚がある。

広場でアラドは立ち尽くしていると、奥の路地から、

白髮の美少女が出てきた。ラウラだ。

アラド「……こんにちは。」

ラウラ「お……おはこんばんちわ。」

あぁ、確かに魔女と会う時は夜に変わる。あの赤い門を通ると昼間でも、景色は夜に変わる。

アラド「お母さんの家、君のお家まで案内してくれるのかな?」

お迎えだろうか?オドオドした少女は頷く。

ラウラについていくと、マタルの家に着いた。

途中、マタルが何か作成中で手が離せないから、

代わりに使いに出されたとラウラは言う。

ラウラ「私、お外に出るの初めて。」

アラド「そうなの?その歳まで?」

箱入り娘か?まあ、確かにあの女の娘と知らなかったら、ナンパされてお持ち帰りされるであろう。

そのくらいの美貌の持ち主で、

押しの弱い子だと思えた。

アラド『……頭もビーラくらいだろうか?』

ラウラ「まだ作られて間もないから……」

?何のことやら?

そんな話をしている間に、マタルの工房にしてると言う部屋についた。

扉を開けると中からアルコールの匂いがした。

マタル「おいおい、勝手に入るなよ。応接室で待ってろって言ったろ。」

何か沸騰させている大きな壺、それにかけたハシゴからマタルはアラドたちを見下ろしていた。

ラウラ「ご、ごめんなさい。」

アラド「アンタが帰ってこいって言ったんだろ?」

マタル「うるさいなぁ、気が散るから、部屋から出てろ。応接室で待ってろって。」

マタルは何事かブツブツ言ってそれ以上の言葉に反応しなくなった。

仕方なく、扉を閉めて、応接室で待つ。

アラド「お母さんはいつもああなの?」

ラウラ「まあ、仕事熱心というか、人間社会じゃ馴染めそうにないですよね?」

アラド『魔女だしなぁ……』

ラウラは始終うつむき加減だ、人馴れしてないのだろうか?あの魔女の娘だと知らないなら……

いや、知ってても奪いたい、アラドはそのラウラの美貌に惹かれていた。


マタル「またせたな。」

そこへ、マタルが入ってきた。

アラド『……口説き文句を考えてたのによぉ』

マタルはその心を見透かしたように、ニヤニヤ笑う。

それが恐ろしい。アラドはツバを飲み込んだ。

マタル「コレを持っていけ。」

マタルはアラドにポーションを渡した。

アラド「これは?」

マタル「残像を作る液体だ。自分にふりかけて使え。」

なるほど、アラドはその使い方を瞬時に思いついた。

アラド「効果時間は?」

上手く使えば数分だなぁ。と、マタルは言う。

俺次第ということか。

マタル「手間がかかった、是非に今度で最後にしてもらいたいね。」

アラドはポーションを一張羅の内ポケットにしまった。

アラド「ものは相談なんだが、」

マタル「何かな?相棒。あー、皆まで言うな、ラウラならくれてやる。最初からそのつもりだ。」

アラドはラウラを見やる。恥ずかしそうに俯いてるだけだ。

アラド「ほんとにいいのか?」

マタル「二言はない、そうだろ?ラウラ?」

ラウラ「……はい。」

素直な子だ。マタルは機嫌が良さそうだ。

マタル「運命の雫もて取り戻せる、娘の結婚も見れる、今年は当たり年だな。アラドしくじるなよ。」




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