第22話 発見!? 納豆パワーとドキドキ日常訓練!
俺たちのアパートでは、「パワーアップ大作戦」が本格的に始動していた。それはつまり、俺の日常がさらにカオスになったことを意味する。
早朝、まだ日が昇りきらないうちから、俺はリコと共に近所の河川敷へ繰り出す。
「主殿! 今日のジョギングは、少しペースを上げてもよろしいでしょうか!」
「お、おう……あんまり離すなよ……ぜぇ……はぁ」
リコの驚異的な体力に引きずられながら走る。その後は、俺がなけなしのバイト代で購入したピカピカのトンファー(トレーニング用だけど結構頑丈!)の基礎練習だ。
「こうですか? えいっ!」
ブンッ! と風を切る音が鋭い。俺は少し離れた場所からフォームをチェックする。
「うん、だいぶ様になってきたな!」
トレーニング後は、コンビニで買ったスポーツドリンクで乾杯する。
リコが「主殿もどうぞ!」と自分の飲みかけのボトルを差し出してきて……
相変わらず、リコはなんでこう……俺は「いや、俺は自分で買うから!」と慌てて断る。ちくしょう、顔が真っ赤になってる気がする。他人から見たら、甘酸っぱいやり取りかもしれないが、俺の心臓がもたないんだって……!
日中、俺が大学やバイトに行っている間、リコは家事の手伝い(だいぶ上達した!)や、アパート内でできる自主練(シズクに怒られない範囲で)に励んでいる。
シズクはパソコンでの情報収集・解析に加え、俺に付き合ってもらった瞑想訓練を一人でも続けているようだった。時折、部屋に漂う凛とした空気は、彼女の集中の賜物だろうか。
ルナ(猫)は相変わらずマイペースに昼寝をしているが、時々シズクの研究に「ふん、仕方ないのぅ」と魔力を分け与えている姿も見かける。
そして夜。バイトから帰宅すると、夕食の時間だ。最近、俺の料理の腕も少しは上がった気がする。
その日、俺が夕食に出したのは、日本の食卓の定番、納豆と、豆腐とワカメの味噌汁、そして焼き魚だった。栄養バランスも考えて……って、まあ、単に安上がりだからなんだが。
「いただきます!」
元気よく手を合わせるリコ。シズクも静かに箸を取る。ルナには焼き魚の身をほぐしてやった。
皆が食べ進める中、異変(?)は起きた。
「ん?」
納豆を口に運んだリコが、ぴくりと犬耳を動かした。
「どうした、リコ? 納豆、苦手だったか?」
「いえ、美味しいです! ですが…なんだか、体がぽかぽかしてきて…力が、ほんの少しですが、湧いてくるような…?」
「奇遇ですね、リコ殿」
隣で味噌汁を飲んでいたシズクも、僅かに目を見開いていた。
「わたくしも、この『なっとう』なるものを食してから、体内の魔力の流れが微かに活性化するのを感じます。気のせいでしょうか……?」
え? 納豆にそんな効果が?
俺が半信半疑でいると、ルナ(猫)が「ふん、どれ……」と、タレのかかっていない納豆を一粒、ぺろりと舐めた。
「む……! むむっ!? こ、これは……! 確かに! ほんの僅かじゃが、魔力が活性化する感覚があるぞ!?」
マジかよ! 大発見じゃないか!
シズクがすぐさまスマホを取り出し、高速で検索を始める。
「『納豆』……大豆を発酵させた日本の伝統食品…成分は…ふむ、特殊な酵素、アミノ酸……あるいは、この土地の霊的な影響を受けた植物性タンパク質が、我々異世界人の魔力回路に何らかの形で作用している可能性が考えられます!」
つまり、納豆(あるいは特定の発酵食品や、この土地で育った作物)は、ケモミミたちの魔力回復&パワーアップに効果があるかもしれない、ということか!?
「すごい! これをたくさん食べれば、もっと強くなれますね!」
「ルナ様の回復も、これで早まるかもしれません!」
リコとシズクのテンションが上がる!
「よし! じゃあ、明日から毎日納豆だな!」
……と、思ったのだが、問題発生。俺がいつも買ってる安い納豆じゃ、効果は微々たるものらしい。シズクの分析によると、特定の製法で作られた高級納豆や、特定の地域で採れた大豆を使ったものの方が、効果が高い可能性がある、とのこと。
「ならば! わたくしがお店で全部買ってきます!」
翌日、リコはそう言って近所の高級スーパー(!)に走り、棚にある高級納豆を全部カゴに入れようとして、店員さんに「お客様、他のお客様のご迷惑になりますので……」とやんわり止められて帰ってきた。……だろうな!
「自作するしかありませんね。納豆菌の入手、培養環境の構築、温度管理……」
シズクはそう言って、アパートの一角で怪しげな実験を始め、独特の匂いを充満させて俺に怒られた。
「分かった! 俺がバイト代、前借りしてでも買ってくる!」
俺も意気込んだが、高級納豆の値段を見て、そっと財布を閉じた。……無理だ。
結局、無理のない範囲で、少しだけ良い納豆や、効果がありそうな他の発酵食品(味噌とか、ヨーグルトとか?)を食生活に取り入れる、という地味な結論に落ち着いた。
それでも、健太特製「魔力回復定食」を皆で囲む食卓は、なんだか温かくて、楽しい。
「今日の納豆オムレツ、美味しいです!」
「ふむ、味噌汁の出汁も、魔力の安定に寄与する気がしますね」
「健太、この焼き魚もなかなかじゃ。骨は取っておけよ」
そんな会話をしながら、俺たちの絆は、日々の小さな出来事の中で、少しずつ、でも確実に深まっていく。パワーアップ訓練の合間に、リコのトンファー捌きが上達していくのを見たり、シズクの瞑想が以前より深く、穏やかになっていくのを感じたりするのも、俺の密かな楽しみになっていた。
魔力回復食という新たな希望も見つかった。追手の脅威は依然として存在するけれど、今の俺たちなら、きっと大丈夫だ。……多分。
そんな、ドタバタだけど希望に満ちた日常が、これからも続いていく……はずだった。
(続く)
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