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ポスト・カラミティ  作者: 壊れた炊飯器
チャプター2: Ravens Test
8/10

間章: 在りし日の夢

海に近い小さな村。


取り立てて目立つものもない、農業を生業とする村のはずれに立つ家。


そこへ、ふたりの少年が訪れていた。


「……なんだ、また来たのか」


出迎えたのは、老成した雰囲気を持つ男性。

片足を引きずり、杖をついていた。


「よくもまあ、飽きないものだ」


「あー、あはは……先生の話、面白いですから!」


「また、聞きたくて」


金髪の利発そうな少年と、黒髪の口数少ない少年。

ふたりは、男性がこの村に居着いてから幾度となくここを訪れ、彼のことを『先生』と呼んでいた。


「……まあいい、気分転換にもなる。それで、今日はどんな話がいいんだ」


「あ、えと、じゃあ……どうしよう?」


「……おれは、魔術の話がききたい」


「魔術、か。わかった」


そう答えると、男性は古びた本を本棚から取り出し、ふたりに座るように示す。


「そう言えば、今日は親はいいのか」


男性の言葉は、以前保護者に内緒でここを訪れたとき、少年たちがめっぽう怒られていたことについてのものだ。


「はい! 本当はもう少し手伝ったほうがいいんですけど、じいやが大丈夫ですよ、って!」


「おれも、かあさ……んんっ、テレジアが構わないって。夜になる前には戻れっていってたけど」


「そうか。なら、いい」


少年ふたりと、杖をついた男性。


三人からなる小さな『授業』は、少年たちにとって何より楽しみなものだった───

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