プロローグ: 独立軍前線基地防衛
ただいま絶賛迷走中、かつ大規模工事中です
日を跨いで修正とかしてますがお気になさらず
かつて、この星に生きる全ての命の間で、大きな戦争があった。
いくつかの種族を纏め上げ、大陸に覇を唱えた魔王は勇者たちによって討たれ。
世界は平和を取り戻す………
………そのはず、だった。
魔王が討たれた、その直後。
大きな"炎"が星を覆い尽くし───
地表のほとんどが焼かれ、多くの命が失われた。
破壊された大地、残された人々は……
長い時を経て、いつしか手を取り合い、再び大きな国や都市を築いた。
厄災によって、新たに得たものもあった。
削られた地表から、古代文明の遺産が出土したのだ。
電気技術にレーザー兵器、果てには人体の改造技術。
人々はそれらを解析・修理し、完全な再現とまではいかないものの、それに近しいものを作り上げるまでに至る。
元からあった魔術とそれらの技術、二つを融合させ、人類はさらなる繁栄を遂げていくと思われた。
しかし、それでも。
今なお、戦いは続いている。
腐敗していく国家。
増長を続ける企業。
傭兵に依頼を斡旋する組合。
その影で暗躍する者たち。
変わらない世界の中で、今日も一人の傭兵が戦地を駆ける───
◇◇◇
とある前線基地の内部。
司令部を破壊しつくし、その後に兵器の格納庫を制圧した人影があった。
白いカラーリングが施されたパワードスーツ、それを身に纏う傭兵が……通信機から聞こえる声に耳を傾ける。
『アルファ3、ここでの戦闘は終了です。続けて、発着場へと向かってください』
「了解。アルファ1と2は?」
『少し手間取っているようです。待ちますか?』
彼と同じく雇われただけの、臨時のオペレーターの問いかけに、彼は一瞬考え……
「いや、いい。発着場にいる部隊を背中から叩くくらい、俺一人でも充分だ」
『了解しました。それでは、シャッターを開きます。……小型陸上戦艦も到着しているはずです、協力して任務に当たってください』
「了解した。せいぜい盾になってもらうとしよう」
傭兵の言葉と同時に、外に通じるシャッターが開き───
「…なんだ? やけに静かだな」
彼の言うとおり、戦場であるはずのそこからは、全く戦闘音が聞こえてこない。
ある程度距離があるとはいえ、『全く』というのはおかしな話だ。
『確かに変ですね。カメラで状況を確認します、少しお待ちを───……!?』
「どうした?」
『アルファ3、急いで向かってください! これは……戦闘が、すでに終わって…!?』
その言葉を受け、急行した傭兵が見たものは…
「……なんだ、これは…」
敵方の戦車と、パワードスーツを着用した歩兵。
そしてこちら側の各種兵器に、最大戦力である陸上戦艦。
それら全ての残骸があちらこちらに散らばる、惨澹たる光景だった。
「全滅だと…? いったい誰が……」
『待ってください、敵影を確認! 戦艦残骸の上です!』
「ッ!」
オペレーターの指示に従ってそちらを見れば、残骸を足蹴にして佇む影。
黒いコートが風に吹かれてたなびく様は、まるで鴉の翼のようで……
「あれ、は……まさか、この数を単騎で片付けた、とでも…?」
『照合完了、相手は……っ!? ……傭兵ランクA-9───識別名、『ナイン』です!!』
「ナイン……!?」
彼自身も、聞いたことはあった。
企業や国家に所属しない独立傭兵、その中でも最高峰の実力者。
名を呼ぶ声が聞こえたのか、影はゆっくりと振り返り、こちらを見据える。
「追加ターゲット確認。排除する」
何の抑揚もない、平淡な声だった。
『アルファ3、退避を……!』
オペレーターの声も、思考の彼方へと過ぎ去り。
一瞬のうちに、黒い影が眼前に迫る。
斬閃が四つ、続けざまに走って───
彼の意識は、そこで途絶えた。
荒廃した世界観、好きッス!
・パワードスーツ
そのまんまパワードスーツ。
人体の能力を補強する。
主人公の肉体は色々あって人外レベルの能力があるのでいらない。
・陸上戦艦
生身、それも単騎で挑めとかミンチにされてこいと言うようなもの。
...本来は。