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竜闘祭②



 竜闘祭。一種目、城崩し。

 白チームで参加した僕は、僕のミスにより敗北をしてしまった。

 エリスには散々文句を言われたが、ランランさんとリンリンさん、他のドラゴンたちは気にした様子はあまり無い。

 それから敵チームの赤竜ゴウエン君。氷竜ヒエール君。

 仲が悪いのかと思っていたが、別にそんな事はないとのこと。所謂幼馴染みなのだそうだ。

 もっとも幼馴染みでも例外はあるようだけど……


「滑稽だね。昨日は僕にあれだけの事を言っておいて、実は大した事なかったんだね」


 モラルハラスメントを標準装備しているイケメンの光竜ライト君。

 その背後には大勢の女の子たちを連れていた。

 ライト君ファンクラブのドラゴンたちだろう。


「けっ。相変わらず嫌なヤツだな」

「昔はあんなでもなかったんですけどね。やはり親の影響でしょうか?」


 ゴウエン君と復活したヒエール君がボソリと呟いた。

 ちなみにヒエール君の人形態はメガネをかけていて、文学青年といった感じだ。

 親の影響というのはどういうことだろうか?

 その疑問に応えるようにファンクラブの中から一人の女性が出て来てライト君の隣に立った。


「ほんと無様でしたわ。やはり所詮は野良。純竜種ではないということですわね」


 縦ロールのお嬢様ドラゴンか。


「あなたは?」

「ふんっ。混竜種に名乗る名は無くてよ」

「ダメだよ、レイラ。僕らは清く気高い純竜種だ。混血にも優しくしないとね」

「うふふ、そうでしたわ。失礼しました。私は水竜のレイラ。他の血など混ざっていない純血の竜ですわ」


 優雅な一例をする水竜のレイラ。その瞳にはこちらを見下すような意思が見てとれる。

 そしてなんとなくドラゴンたちの勢力がわかってきた。

 ドラゴンだけで栄えてきた純血種と様々な血を混ぜて栄えようとする混血種でバチバチやっているのだろう。

 そういった点では人もドラゴンも変わらないということか。

 睨み合うライト君勢とその反勢力。

 面白いのは反勢力の中に赤チームも少し混ざっている所だ。

 ゴウエン君とかヒエール君とか。

 後で詳しいことを教えてもらおう。

 そしてこちら側を代表してエリスが一歩前に出る。


「何しに来たのよ? まさか嫌味を言う為だけにここに来たわけじゃないでしょう?」

「当然だよ。僕はねエリス。君が欲しいんだ」

「はあ? 私はあんたの嫌う混血よ? あんたの親や派閥が反対するんじゃないの? それに私が一番嫌よ」

「嫌だなぁ。僕は混血を嫌っているわけじゃない。僕は純血としての誇りを持っているだけさ」

「なによそれ。同じじゃない」

「同じじゃないさ。混血を毛嫌いする代は僕の代で終わらせる。その為にはエリス。君が必要なんだ。混血でありながら島で最も優れた巫女。技量もあり強さもある。僕は結構君を好いているんだよ?」

「あっそ」


 どうでもいいと、エリスは素っ気ない態度を取る。

 そんなエリスの態度に腹を立てたのはレイラ嬢だ。


「ライト様の妻になるというのに何と無礼な態度かしら?」

「お生憎様。そいつの妻になる気なんて全くもってありませんー! 残念でしたー!」

「くっ……なんて生意気なっ」

「まあまあ。じゃあこういうのはどうかな? 今年の祭りで勝った方が相手の要件を飲む。僕ら赤チームが勝ったらエリスは僕の妻になる。白チームが勝ったら僕は潔く手を引こう。金輪際関わらないと誓うよ」


 ライト君がレイラ嬢を宥めながらそんな事を言い出した。


「いいわよ! いい加減鬱陶しいと思ってたし、今年でケリを付けようじゃない!」


 もちろんエリスは快諾する。エリスにとっては絶好の機会なのだろう。


「皆ー! この後の競技は気合い入れて行くわよー! 自分たちが一番だと思ってるあのトカゲどもの鼻っ柱をへし折ってやりましょう!」

『おーーーーーーーっ!』


 先程は負けてしまったが、結果的に白チームの士気は上がることとなった。

 なぜか赤チームにいたゴウエン君とヒエール君まで便乗している。

 どうやら白チームに寝返るらしい。そんなことできるのか。

 さらには祭実行委員と長老様の許可が降り、赤チームがライト君率いる純血のドラゴンこそが優遇されるべきと訴える純血種チーム。

 白チームがエリス率いる純血かどうかなんて関係ないと言い張る混血種歓迎チームに編成された。


 正直に言ってそんな事をしたら争いが激化してしまうのでは? と思ったが、部外者である僕が口を出せるはずもない。

 そもそもドラゴンじゃないし。



 そしてこの祭りは、竜族たちにとっても前代未聞の波乱を迎えることとなる。



お読みいただきありがとうございます。

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