VS悪人?
『名前:
種族:ガラクタ・アンデッド・デミドラゴン・キラー・ビッグスライム
技能:捕食、分裂、擬態、溶解液、腐食液、サイズ変化、胃袋、改造、火魔法、弱点看破
レベル:18
体力:740
魔力:1144
物理攻撃力:469
物理防御力:631
魔法攻撃力:581
魔法防御力:723
素早さ:531
耐性:打撃、斬撃、刺撃、毒、闇、土、火
弱点:光、水、雷、氷、風、
擬態:土、石、葉、カラス、ダンゴムシ、ムカデ、ミミズ、花、ミツバチ、グール、黒猫、人間、鉄の剣、銅の短剣、弓、矢、麻痺毒、斧、槍、黒いローブ、銅貨、銀貨、金貨、酒、瓶、ライター、タバコ、火薬、麻薬、小麦粉、パン、リンゴ、モモ、古びた壺、魔法ランプ、ネックレス、ペンダント、指輪、鍵、手錠、鎖、腕時計、鏡、綿、白い布、木材、ペン、インク、紙、ワイバーン
連絡先:アマテラース、ゼウッス、ヘパイストース、タケミカヅーチ、ミミューズ、オロチ、ヘルメッス』
『というわけなんですよ。なんとか模造品の一つでも用意できませんか?』
『むぅ……確かにこちらにも落ち度があるしのぅ……。しかし……』
レオーラ王女と別れた後、僕はカラスの姿のまま王都内の適当な民家の屋根に止まり、ゼウッス様と連絡を取っていた。
『あっ、ではこうしませんか? 依頼の報酬としてあの指輪と同じ効果の物を要求します』
『むむっ……』
確かゼウッス様の依頼達成報酬は『何でも言って』だったはずだ。
これは無茶な要求ではないはず。
『わかった! お主の要求を呑もうではないか! だが指輪の作成には時間がかかる故、暫し待ってくれ』『それはいいですけど、また十年とか無しですよ?』
『大丈夫じゃ。そもそもあの指輪は最初は我が妻より生み出された指輪なのじゃ。それがワシが長い間身につけていたことで神器となった。劣化品の模造品でいいのならそんなに時間はかからないはずじゃ。不安があるとすれば妻に会わなければいけないことかのぅ……。指輪が無い状態で指輪をもう一つ作ってくれとお願いすればなんと言われるか』
『それは大丈夫です。たぶんもうバレてますから』
潔く怒られてください。そもそも最初から依頼の報酬は奥さんに真実を告げてもらうことだったのだ。
怒られるのが指輪を見つけた後か見つける前かの些細なことだ。
『バレてる? そんなことはないじゃろう。でもバレてるのに向こうは何も言ってこない……ぅぅ〜、怖い、怖いよぉ〜』
ゼウッス様がかなり怯え出した。
『そんなに怖がらくても……』
『お主は結婚したことがないから言えるんじゃ! 最初はよかったんじゃ! 優しくて、ワシの顔を見るといつも笑ってくれて、ご飯も毎回作ってくれて……それがどうじゃ? 一年経つとスーパーの弁当になり、三年後にはカップ麺一つじゃ。子供たちが生まれてからも、子供とは外食に行くのにワシには半額の安い弁当じゃ! 誕生日だってそうじゃ。有名店のスイーツとコンビニのケーキという酷い格差があるんじゃ! 家では物音を立てないように気を配り、妻のため息を聞けば身体が強張る。生き地獄とはまさにあのことじゃ!』
なんかめちゃくちゃ溜め込んでたみたいだなぁ。
というか神界にスーパーとかコンビニとか半額弁当とかスイーツの有名店とかある時点で驚きなんだけど?
そもそもあんた、歳いくつよ?
まあいいや。行動してもらわないと困るのはこっちだし。さっさと行くように言ってみよう。
『大変だったんですねぇ。今度また改めて聞きますから、奥さんの所に顔を出してきてください』
『お、お主も一緒にどうじゃ? ぷよぷよでぽよぽよなスライムを差し出せば喜んでくれるかもしれん』
『僕、身体を改造して爆弾にもなれますけど?』
『それは……いや待て。今ワシ、良い案を思いついたぞ』
『ダメです。早く行ってください』
『あと一年くらい先でも平気――』
ぷつん!
こちらから通話を切ってやった。
あの爺い、とんでもないことを言い出した。
自分の奥さんに爆弾をプレゼントしようと思うか?
奥さんが怒ってる原因はゼウッス様本人にあるんだろう。
それは自分で償うしかない。
『た、大変だ! 大変なことになった使徒様!』
僕の頭の中に声が響く。レオーラ王女の声だ。
花瓶に生けた擬態した花に向かって話しかけているのだろう。
僕はこちらの身体を消して、王女の部屋の花に意識を移し、黒猫の姿になった。
「どうしましたレオーラ王女?」
「ゆ、指輪を、盗られてしまった……」
ほぅ……指輪を…………え?
「はあ??!! 誰に!?」
「弟です」
弟……ってあの悪ガキかああああああっ!!
ドタバタ! ドタバタ!
「ねぇ、なんか外が騒がしくない?」
「恐らく弟を探して王宮にいる者たちが駆け回っているのかと」
「じゃあ僕らも行きましょう!」
「は、はい! それはいいのですが……その……」
「なに?」
レオーラ王女は僕の方を見てモジモジしている。
「着替えたいので外に出てください」
「あ、はい」
レオーラ王女の着替えを待つこと数分。
ゆったりとしたワンピース姿から鎧姿になったレオーラ王女が部屋から出てきた。
「では行くとしましょう」
凛とした姫騎士姿は部屋にいた歳頃の少女とは思えないほどにカッコいい。
「行くのはいいけど、弟君の居場所はわかってるの? というか王様が保管してたんだよね? どうやって盗んだか気になるんだけど?」
「遊んでと戯れながら奪ったようです。保管といっても私にすぐに返す予定だったので、上着の内ポケットに入れていたらしく、そこを弟に見抜かれたそうです」
「なんて頭の回る悪ガキだ」
「申し訳ございません……。しかし弟の行く場所には心当たりがあります」
「ほんとか!?」
「はい。これだけ多くの者が探しても見つからないということは、我ら王族の者しか知らない秘密通路でしょう。その先は丈夫な地下遺跡に繋がっています」
あるあるな話だな……。
「そうか。じゃあそこに案内してくれ」
「はい!」
そう言ってレオーラ王女が来たのは宝物庫だった。
「え? 宝物庫に入り口があるの?」
「はい、そうです」
「宝物を奪われたら見つけられるんじゃない?」
「かもしれませんね。しかし同時に目眩しもできます。これだけ価値のある物を見て足を止めない者はいないでしょう。しかもこの宝物庫は入り口から一番遠い場所にあります。運び出すのも楽ではありません」
「あー、なるほど。つまり王宮が破壊されても、この部屋だけは面倒だからそのまま残そうってなるのか」
「そういうことです。さあ、ここが入り口です」
レオーラ王女が財宝を退かすと地下へと続く階段が現れた。
階段を降りて行くと少し開いた場所に出る。
そしてそこには一人の少年が黒い雷を纏いながら立っていた。
「ルーク?」
心配そうにレオーラ王女が話しかける。
「あっ、姉上。見てよこれ! 凄いでしょ! これで僕も姉上と同じくらい……いや、もっと強くなれるよね?」
……悪意がない?
なのに……なのになんだ!?
この悪寒は!?
「見ててよ姉上。悪党は僕が全部消してあげるから」
そして、黒い雷光が僕に襲いかかってきた。
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