天使の力
「5重化」と天使が言った。
前までは1m70cmぐらいだったのに、そこには…
約8mの絶世の美女がいた。
結界に入った瞬間と同時に、か細い見た目から想像できないような
爆発するような声をだした。
大気が震え、音がはね返った。
距離があったのに、まるで、なかったように簡単に跳躍してきた。
奴にとって間合いは無いにひとしい。
そのままパンチをしようとしてきたが、リ-チの長い俺の足の方がさきにクリ-ンヒットする。
天使は、体勢が崩れた。
すかさず「5歩瞬間移動」をつかう。
時が止まった中、5歩、後ろに周りこむ。
(この強さ、女を殴りたくないが、殴らないとやられる。)
時が始まった瞬間、背中を連打しまくった。
とても固く、殴った手が痛い。
まるで、鉄を殴るような感覚だ。
相手が反応する前に、「5歩瞬間移動」をつかう。
ヒット&ウェイコンボだ。
相手に反撃されることなく順調に進んでいる。
ようやく、ひびが入ったかと思うと、相手の体がひと回り小さくなった。
天使がどんどん攻撃に慣れてきたのか、段々と冷や冷やする場面が増えてきた。
ぎりぎり、よけたが、4つの残像ができ、一斉に動いて当たってしまった。
口から血を吐く。
(骨が何本か折れたみたいだ。いったん距離をとろう。)
「5歩瞬間移動」離れた場所に行く。
天使が「9重」というと、手が9倍大きくなった。
まだそんな力を残していたのか。こっちは限界に近いのに・・・
「発射」
大きな岩のような手が飛んできた。
足に吸い込まれ、激痛が走り悶え苦しんだ。
(結界の外に避難しよう)
足を引きずり「5歩瞬間移動」をつかう。
俺の行く手を遮るように跳躍して、前に天使がきた。
フェイントをかけて、何とか右足以外を、結界の外に出すことができた。
右足を引っ張られる。
両手を植物化して、近かくのものに絡みつく。
力差があり、ずるずると中に向かって引っ張られる。
再び中に入れられる。
妙案を思いつく。
(こいつは結界から出られない)
結界を植物化して操り、狭めて、閉じ込める。
ようやく足が開放された。
天使は結界に押し潰されている。
破壊音が鳴るが大丈夫だ。
(だっていままでずっと閉じ込めていた結界だからだ。)
後は押し潰されるのを待つだけだ。
気を抜いたその時だった。
バリ-ンという音がして、天使が出てきた。
必死に結界を操り、こっちに来ないように絡めるが、
一歩一歩近づいてくる。
ついに、天使は、目の前に迫ってきた。
パンチとかを食らうのではなく、
反対に、手を差し伸べられた。
俺は驚きのあまりフリ-ズした。
引き上げられた。
天使がその場に跪いて
「あなた様の力を認め、服従させて頂きます」
嬉しすぎて、「もう一回言って」
「あなた様の力を認め、服従させて頂きます。」
顔を真っ赤にして
「恥ずかしいので、何度もいわせないでくださいませ」
俺のテンションは一番下から、一気にマックスなった。
光の粒子になって俺の体の中に入った。
万能感にいつつまれた
狼城たちのもとに行った。
俺の姿を見て、破顔している。
「よくやった、お前は、本当にすごい」
俺は照れ隠しにちょっと恥ずかしいけど、
「みんなのおかげだ」と言った。




