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廃墟

作者: ねこ

 これは私が小学生の時に体験した話です。


 当時私は小学5年生でした。


 夏休みに同級生2人と肝試しをしようという話になり私の住んでるI市にある廃墟に行こうということになりました。

 そこはI市に住んでる者なら誰でも知っている幽霊がでるという建物でした。夏になると若者達がよく肝試しに訪れる有名スポットとしても人気がある場所でした。


 決行は8月23日夏休みも終わりに近づいていた日でした。


 私はこの時の出来事を一生忘れないことでしょう。


 決行日当日の夜8時頃に私は2つ上の兄と共に待ち合わせ場所に決めていた小学校で同級生2人と落ち合い、その足で廃墟へと向かいました。


 廃墟へと向かっている間は宿題が終わっていないとか夏休みまだ終わって欲しくないねなどと他愛の無い話をしていました。


 そしていよいよ廃墟の前に辿り着きました。

 廃墟は雑草が生い茂っており建物の壁面にも蔦が這っている状態でした。


 早速廃墟に入ろうと足を1歩踏み出した時生温いじめっとした気持ち悪い風が頬を撫でてきました。

 私は少し怖くなって一瞬立ち止まってしまいましたが同級生と兄はどんどん先に進んでいきます。

 廃墟の玄関まで行ったところで兄が立ち止まり私のことをじっと見てきました。


 早く来いというかのような目。

 私は慌てて兄のいる玄関まで小走りで行きました。


 廃墟の扉を兄が開け、兄、私、同級生2人の順で並び廃墟の中へ入っていきました。


 廃墟の中は暗く静まり返っており、私たち4人の歩く足音以外は何も聞こえません。


 どんどん中を探索していき2階の最後の扉まで来たところで兄は立ち止まります。

 後続の私たちはいきなり兄の歩みが止まったことを不思議に思いながらも兄の視線の先を背後から覗き見ました。


 私が扉を目にした…その瞬間です。私たち以外の音が今までしていなかった廃墟からゴリゴリ…ゴリゴリ…と音がするのです。


 私たちは驚きお互いの顔を見合わせます。

 兄だけは何も言わずにただひたすらに扉を見つめていました。


 その内ゴリゴリ…という謎の音がどんどん大きくなっていき次の瞬間扉を叩く音に変わりました。


 ここで私たちは気づきました。


 音がしているのは今私たちが目の前にしているこの扉の中からだ…と言う事に。


 私は驚き涙目になりながら兄にもう帰ろうといい服を引っ張りました。

 ですが兄は微動だにしません。

 あの扉をずっと見続けているのです。

 そしてなにやらずっとブツブツ呟いています。


 声が小さく耳を澄ませないと分かりませんでしたが


 ずっとごめんなさい、ごめんなさいと呟いていたのです。


 そしてまた扉を叩く音が聞こえます。


 ドンドン!ドン!ドンドン!


 私は恐怖のあまりそこで意識を失ってしまいました。



 目を覚ますとそこは自室のベットの上でした。

 横には泣き腫らした顔の母がいました。


 聞いたところ私が意識を失ってしまったことで同級生の2人は私と微動打にしない兄を置いて廃墟から逃げ出し、泣きながら廃墟から1番近かった私の家に来て助けを求めてきたのだと言います。


 後に母から聞いた話ですがあの時肝試しにいった廃墟は昔あそこに住んでいた一家の父親が妻と娘を惨殺した事件があったそうなのです。

 殺害方法は体を縛った後にノコギリで体を切り刻むという何とも残忍な殺し方だったらしいです。

 娘の方には逃げようとした跡があり扉に血の手形がびっしりついていたそうです。


 兄は私が目を覚ました次の日に目を覚ましましたが廃墟でのことは何も覚えていないと言っていました。


 私もあの時のことを忘れられたら良かったのに。


 今でも夏の季節になるとあの生温いじめっとした風とゴリゴリという音が耳にこびりついて離れないのです。

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