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SIG SAUER P220 9mm拳銃

 SIG SAUER P220 9mm拳銃


 10回目の紹介記念(?)に今回はSIG社のP220を取り上げようと思います。日本では言わずと知れた自衛隊正式採用の拳銃として幅広く認知されている事でしょう。海外では別命「Minebea P9」との呼び名もあるそうです。これはミネベアミツミと言う日本企業がライセンス生産を行っている事に起因しており、同社は他にもニューナンブやM360J、9mm機関けん銃等の製造を行っているメーカーでもあります。


 自衛隊では米軍より供与されていた11.4mm拳銃ことM1911の後継として1980年初頭から他の拳銃と共にテストを開始。1982年より部隊配備が始まったとの事です。その形状はとても引き締まっており、M1911に次いで無駄のないデザインが軍用として好印象に思えます。デコッキングレバーも操作しやすい位置にあり、シングルダブルの両方を選びやすい拳銃ではないでしょうか。この辺はほぼ同時期に開発されたP230との関連性が窺える部分でもあります。


 特徴として、本銃はマガジンキャッチがグリップの下にある独特の機能を持っています。弾倉が抜け落ちないようにと言う安全性への配慮もあるのでしょうが、一般的な拳銃ではグリップ上部にあるため急な弾倉交換やそれを瞬時に行う必要に迫られた場合を考えると、どうしても見劣りしてしまう特徴に感じます。また本来が45口径弾の使用を前提とされた設計で、9mm弾使用の拳銃としては大柄な上シングルカラム採用のハンデがついたため装弾数が9発と自動拳銃の中では少ないです。頻繁には使用しない武器としてならばまだしも、今日における拳銃の立ち位置を考えるとこの辺はやはり欠点と言える部分になってしまうでしょう。SIG社のあるスイスでも本銃を軍用として配備していますが、特殊部隊等ではグロックの採用が進むなど近代化の波が押し寄せています。そんな中で頑なに本銃を使用し続ける自衛隊ですが、ついに後継の拳銃が決定するに至りました。しかしながらその調達ペースを考えると、まだまだ「自衛隊の9mm拳銃はP220」と言うイメージを払拭するのに時間が掛かると思われます。


 因みにですが、90年代に入ってからマガジンキャッチがグリップ上部に配置されたモデルが製造されているらしく、いつも情報を集める上でお世話になっている某サイト様ではそのモデルをP220として画像を張っていました。これを採用すれば装弾数には目を瞑るとしても、操作性だけは向上したのではないかと思わずにいられません。


 と言う所で本銃のメディア露出ですが、やはり自衛隊が絡む作品には数多く出演しており、見た目も自動拳銃の中ではシンプルなデザインなのでいい絵になります。映画では最も有名な物として、恐らくガメラ2で渡良瀬二佐がソルジャーレギオンに使用したシーンがランクインするでしょう。あれほど未知の生物に接近戦を挑んだ描写は、日本映画の中でも珍しいと思われます。それ以外では戦国自衛隊や亡国のイージス、図書館戦争でも登場しています。マイナー所ではSIREN2での出演など、日本が舞台であればその存在を違和感なく保てるのは流石です。こちら状況によっては民間人の使用もさほど無理なく描けると思われますので、パニック系に留まらずアクションやゾンビ物でも活躍出来る場は十分に残されているように考えます。


 自衛隊採用の武器と言う事で長くなってしまいましたが、今回はこの辺で締めさせて頂きます。ありがとうございました。

古い話ですが、子供の頃に訪れた駐屯地のお祭りで展示されていた物を握らせて貰った事がありました。当然、トリガーガードにはチェーンが掛けられて引き金を引く事すら出来ない状態でしたが、鉄アレイを両手で持っているような感じだったのを覚えています。

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