道具屋の男ハルートに解体を頼む
「そうだ!」宿屋の女は閃いた
「ん?」
「魔物の解体なら得意なかたがいらっしゃいます!」
解体の頼みに行く途中
「ああー早くいいアイテム袋ほしいなー」
何か考えごとをしているようなドクン
「なあ、シーコ」
「なに?」
「何でこの村には魔物が入ってこねえんだ?」
「は?そんなの魔物避けの結界を張ってるからでしょ」
シーコは当然のように言う
「そうなのかあ」
「ほんとアンタなんも知らないのね、まあずっと山にいたんじゃ仕方ないか」
宿屋からしばらく歩くと目的の場所に着いた
「あ!ここね!」
宿屋の女から紹介された場所は道具屋
そこの主人のハルートという男ならホワイトタイガーの解体もできると言う
「こんにちは!」シーコが元気に挨拶する
奥のほうからガタッガタッと音が聞こえる
何か作業をしていたようだ
そして顎髭で筋肉質のガタイがいい男が出てきた
年齢は30歳くらいだろうか
「何か用か?」
「ハルートさんですか?」
「ああ」
「さっき宿屋で紹介されたんですけど魔物の解体をお願いしたいんですが・・」
「ヒマリから聞いたのか」
宿屋の女の名前はヒマリのようだ
「ああいいぜ、それで獲物はなんだ」
「ホワイトタイガーなんだけど」
「そりゃすげえ」ハルートは驚く
「できます?」
「問題ない!大きさは?」
「5mはあるかな」
「そんじゃここじゃ狭いから外でやろう、ついて来てくれ」
店の裏側に向かうハルート
それにドクンとシーコがついていく
店の裏側には広いスペースがあった
「出してくれ」
アイテム袋からホワイトタイガーを出すシーコ
「おおー改めて見るとすげえな。こんな大物の解体は久しぶりだ。それでこれはどうしたんだ?落ちてたのか」
「俺が倒した」
店に入っても黙っていたドクンがここで初めて口を開く
「お前さんが倒したって、ハハ、ボウズ、冗談はいけねえぞ」
ハルートは最初呆れ顔になりそのあと少し笑みを浮かべ言う
「いや、ほんとにその子がやっつけちゃったんだけど」
「蹴り一発だった」ニカっと笑顔のドクン
「ホントか~フ~ン」ハルートはまだ信じていないような顔だ
ハルートが疑うのも当然だ
こんな小さな体の少年がこんな大きな魔物を倒せるとは誰も思わない
ましてホワイトタイガーはCランクの魔物
強さもあるしなにより動きも早い
ベテランの冒険者でも倒すのに苦労するほどの強敵だ
「まあでも解体はやってやるよ、それで相談なんだが素材と肉を解体料代わりに分けてくれ。2割でいい」
「問題ないわ。町で頼んでもそのくらい引かれるしね。そのかわり丁寧にお願いね」
「おう、まかせとけ」
「それじゃあ宿屋に止まるから明日取りにくるから」
「ああ」
すぐに解体を始めたハルート




