シーコも早く飛べよー!
「すごーい!風が気持ちいーこれなら町まで直ぐね」「ああ、そうだな」最初は怪鳥にビビっていたのに慣れてしまって怪鳥の上でご機嫌のシーコ
しかしここで少し冷静になってドクンの顔を見て考えるシーコ
(わたし鳥に乗ってるんだけど・・・こんな鳥本でも見たことないし、まあまだこの世界で発見されてない生き物もたくさんいるし、それより何?この鳥ってこの子のペット?こんな小さな子がこんなの従えてんの・・・どうなってるの・・・え?)
予期しない体験をし考えが追いつかないシーコ
頭の中は驚きと興奮状態だった
「おーい、シーコ」
「な、なに?どうしたの?」
ドクンは3回シーコに呼びかけて3度目にシーコはぎこちなく反応した
頭の中が興奮状態で考え事をしていてドクンの声にすぐに反応できなかったのだ
「なんかあそこで煙がでてる」
「ああほんと!」
ドクンが指差したほうを見るとシーコは大量の煙が噴き出しているのを発見した
「火事?」
「俺気になるから行ってみる、ここで降ろしてくれ」
ドクンは怪鳥に指示した
「え、ここで?」
不安そうな顔のシーコ
ドクンが言うとヒューーーーーと怪鳥は急降下「いやあああああああ」あまりのスピードにシーコの悲鳴
そこでドクンが突然ジャンプ。地上に近づいたがまだ高さ50mはある。そこから飛び降りた
ズドッ!「よし!」両足でしっかりと地面に着地する余裕な表情のドクン
「おーい!シーコも早く飛べよー!」
シーコもさっさとしろという感じで大きな声で呼びかけるドクン
「飛べよー!じゃないでしょ!何言ってんのアンターーー普通の人がこんな高さから飛んだら死、死んじゃうでしょー!このバカー!」
「早くこの鳥にもう少し下に降りるように言いなさいよ!」激しく怒るシーコ
「もう~しょーがねーなぁ」ドクンが怪鳥に言い地面に着地させ、ようやく地に足がつくシーコ
「はぁ・・・」ため息をついたシーコの顔はかなりお疲れ気味だ
怪鳥から降りるときも「もっと下げて!まだ高いわよ!」と不満爆発のシーコだった
「ほんとシーコはめんどくさいなぁ」呆れた感じに言うドクン
一瞬ムっと怒った表情のシーコだったが「もうアンタに怒るのも疲れたわ・・」と諦め顔
怪鳥に「もう帰っていいよ」と言うと怪鳥は空高く飛び遠くに行ってしまった
飛んでいく怪鳥を見つめるシーコがポロっという
「え・・・こっからどうすんの?」
「もういいじゃん、ここからは町まで歩いて行こう!」
「ええぇぇぇ・・・」
ドクンが怪鳥から降りた場所は植物などが絡み合うように多く茂っているジャングルの中
気温が高く湿度が高い
蒸し暑いという言葉では表現できない気持ち悪いくらいの湿度
体力的にシーコには厳しそうな場所だ
凶暴な魔獣も出てきそうな不気味な雰囲気もある
「それより早くあの煙のとこ行くぞ、シーコが遅いなら置いていくからな」
走り出すドクン
空から地上を眺めていて煙を見つけたドクンはそれが気になって降りたのだ
「ちょっと待ってよー!こんなとこにわたしを置いてかないでよ!」
「じゃあ俺先に行ってるからな、シーコはゆっくりこいよ」
悪意なく言うドクン
そう言うとシーコを置いて走って行ってしまった
「ぜえぜえ、ハアハア」と息切れし歩く。かなり疲労しているシーコ。
ドクンに置いて行かれて落ちていた木の枝を杖代わりに腰を丸くしヨロヨロと歩く姿はもはや可愛いらしい美少女の影は消えていた




