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出会い

周りに人の気配がない山奥にある小さな家


朝を迎える


「クークー」と小さめのいびきを立てて眠っている


ゆっくりと瞳を開け目を覚ます


「ふぁ~」とあくびをしながらグーと腹の音も


「朝か~腹減ったな~」


そういうと少年はまだ寝ぼけ気味の顔をしながらベットから飛び起き顔を洗いに外に出る


トボトボ歩きながら自然が作り上げたような洗面台に向かう


山頂から流れる澄みきった水に少年は手で水をすくいバシャ!バシャ!と激しく顔を洗う


「フィー気持ちー」少年の目がしっかりと開き引き締まった凛とした顔になった


「今日は肉にしようかな?魚にしようかな?う~ん・・・よし!肉にしよう!」


少年は駆け足で森に向かう


川を飛び越え樹木の枝に掴まりながら猿のような軽快な身のこなしで森の中へ入っていく


森の奥深くに入った少年は目をつむり耳を澄ます


野性的な感覚で鼻をクンクンして「あっちから肉のにおいがする!」


少年はその肉のほうへよだれを垂らしながら走り出す


少年が近づくにつれてズシン、ズシンという足音が大きく聞こえるようになった


「グワアアアアーーーー」と地響きのようなけたたましいおたけびに森が揺れる


黒色の毛並みでクマに似たような大きな魔獣は体長3mはあろう


その魔獣もよだれを垂らし腹を空かせている様子


「見つけた!」


そんな魔獣の目の前にジャンプして少年は嬉しそうだ


魔獣は突然に少年が目の前に現れて一瞬だけビクッ!と戸惑う


しかしよく見ると身長130㎝ほどの小さな少年だ 


魔獣はこんな小さな少年に一瞬とはいえ自分がビクッ!と驚いたことに腹が立って吠えた

「グウワガアアアアーー」


そしてすぐにエサが飛んできたと頭を切り替え魔獣は屈強で長い爪の右腕をふりおろし少年を攻撃してきた 


シュヒュッ  だが魔獣の攻撃は少年ではなく風を斬った


魔獣「?」


魔獣はキョロキョロと少年を探すが見当たらない


少年は空にいた


一瞬で高く飛んで攻撃をかわし反撃しようと拳に力をこめる


「このくらいの力でいいか」少年の拳に青白い闘気オーラが揺らめく


魔獣の頭上にドン!と強力な一撃


魔獣はとてつもない衝撃に脳震盪を起こし倒れる。これは死んだようだ。


少年は嬉しそうに倒れた魔獣にかけよる


「よいしょ」 魔獣の足を片腕でつかみ重いので引きづりながら歩いて家に向かう



ブロロロロオオオオオオ



「何の音だ?」少年は聞き慣れない音に不思議そうな表情「音がどんどん大きくなってこっちに向かってくるぞ」


いきなり少年の前に空中に浮いているバイクに似た乗り物が横切る


「うわぁ!」


その乗り物はあまりのスピードに行動制御ができないようで大きめの岩にドゴーン!と激突してしまった


「あぶねえなあ・・なんだよ」 少年は少し怒ったような顔になった


「いったーい!もう最低!」少女の声だ 身長は150㎝ほどで髪の色は薄い桃色 大きな目のパッと見た感じわがままそうだが可愛らしい少女だ 


「壊れたー 買ったばかりなのにー」岩にぶつかった衝撃で乗り物はボロボロになりスクラップ状態でもはや原型が分からない しかし少女が握っていたハンドルの部分だけは無事だったようだ ハンドルだけではどうしようもないが ハンドルだけ握ってるマヌケな状態の少女だ 


「あーもーどうしよう・・こんな山奥に人なんていないわよね」ぶつぶつボヤキながら少女は腕を組んで考える


後ろから少年が近づいてくるが気づいてない様子


「よう!お前大丈夫か」少年が声をかけると同時に「キャー!」と少女は驚いた顔で奇声を上げる


「うるせえなあ」少年は両手で耳をふさぎながら飽きれ顔「なによあんた!いきなり声かけないでよ!びっくりするでしょ!」少女は怒鳴り散らす


「何だよお前」少年は小さくつぶやき不満顔「こんなところに人が住んでるのね、そうだ君、電話貸してくれない。さっきぶつかって壊れちゃったの」


「で、んわ? なんだぁ それ?」少年は初めて聞いた言葉に少女に質問する


「あんた電話も知らないの?おっどろいたーキャハハ」少女は指をさし笑う「まあこんな山奥に住んでたら分かんないかー」馬鹿にしたような口調の少女


少女が笑っていると突然グ~と大きな音が鳴って恥ずかしそうに少し顔を赤らめる少女


「何だお前腹が減ってたのか」少年の他愛のない悪意のない言葉だ「そうよ!昨日から何も食べてないもの!グスン・・・」悲しそうな表情で話す少女


「俺これから朝飯なんだ、お前も食ってくか」少年の言葉に「嬉しい!何ごちそうしてくれるの?」元気そうな声で喜ぶ少女


「生きのいい肉が取れたんだ、ほら」と先ほど拳で仕留めた魔獣を少女の顔の前に見せる


「ギャアアアアアア」 また大きな奇声を上げて少女は倒れてしまった

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