犯罪組織ブラックバッジ
グ~~~~~~
「腹減ったな」
ドクンの言葉にその場にいた全員が呆れてズコッ!っとなる
「はぁ・・私もお腹すいた、でも温泉も入りたい。話はまた後で・・・それじゃリンも一緒に温泉に入るよ」
タオルを巻いたままだったシーコが言う
「オレも風呂入ってこよ」
「クーポンまた入るのかよ」
「さっきはゆっくり入れなかったからな。まだ体も洗いたいし」
「ふ~ん、じゃあ俺は食堂で飯食ってくる」
そして温泉から帰り宿屋に戻ってきた
ドクン、シーコ、クーポン、リンの4人
リンと話しできるのは今のところクーポンだけなので一緒にいることになった
シーコとリンは温泉に入り仲が良くなった様子
リンはまだ少し遠慮しがちではあるが
「とりあえずリンの村を襲った奴らだけど何か思い当たることはあるの」
シーコに言われてリンは村が襲われた時の記憶をよみがえらせる
はっ!っとなにか思い出す
「バッジ・・・黒いバッジをつけてた」
シーコとリンは言語の違いでまだ話ができないのでクーポンが間に入り通訳する
「黒いバッジをつけてたらしいぞ」
リンの村を襲った者達はそれぞれ黒いバッジをつけてた
バッジにはBBと刻印されていたという
村を襲った組織のシンボルマークなのか
「ブラックバッジ」
シーコが閃いたように声を出す
「やっぱりそうか」
クーポンは通訳する前にリンの話を聞いて気づいたようだ
「どうするのよ・・・ブラックバッジなんて・・・」
動揺するシーコ
「ヤバいぜこいつは」
クーポンも相手が分かってどうしていいかわからず困惑する
2人を見てリンも下を向いて悲しい顔をする
重い空気が部屋に流れる
「なんだそれ?そのブラ、ック、バッジってなんだ?」
ドクンの言葉で重い空気が軽くなる
ドクンはずっと山で暮らしていたのでそんな組織のことなど分からなかった
「はぁ~ほんとアンタといると不安な気持ちがバカらしくなるわ」
シーコがため息をつき呆れ顔
「ブラックバッジっていうのは犯罪組織よ。分かってるだけで構成員は一万人以上いて世界にいくつも支部がある巨大犯罪組織。どこの国も手を焼いているわ」
「組織にはスカウトされた名の知れた冒険者やランクの高い魔物だって大勢いる。俺たちに勝ち目はないな」
シーコとクーポンがブラックバッジという犯罪組織を語る
シーコはリンと温泉に入り食事などをして親しくなった
リンの力になって母親と妹それに仲間の猫の獣人たちを助けてあげたい!と心に決めていたシーコだったが相手が悪いと絶望していた
リンもシーコとクーポンの落胆している表情を見て家族を救う希望を失った
「そんなのぶっ潰せばいいじゃん」
「だから聞いてたでしょ、さっきの話、巨大犯罪組織なの!」
「でも潰さないとリンの家族助けられないんだろ」
「そうだけど…」
「じゃあ潰すしかないじゃん」
「はぁ~アンタと話すと疲れるわ・・・」
ドクンの自然な素直な言葉にシーコは諦めた




