3. 運命?
投稿遅れてすみません!
こんなんですが、もし、ご感想等あれば、ぜひぜひお寄せください!
そう察したあたしは、そそくさと猛ダッシュで逃げようと思いました。ただ……
足がすくむとはこのことでしょうか……
動けないんです。固まってるんです。右足と左手をあげた状態で。
よく言うアレですよね、あの……練習中は叫べても、いざストーカーに襲われたら叫べないっていう……[なぜそんなマニアックな例が……]
とにかく顔だけでも動かせないかなぁとやってみますが、ダメです……かろうじて鼻で息をしております……
って言って諦めたら終わりですよね!頑張ります!
あたしは、いろんなところを動かしてみた。足首、左手、肩、首……でも……
効果なしなんですよ!
動けないんですよ!
あたしは、イラッとして、やけくそになって右足で地面を踏みつけました!
「バコン!」
えっ?
え?
なんか、わからないけど、動いたぁ〜〜
これを機に、とあたしは猛ダッシュです!
走るのってこんなに気持ちいんだ〜と思った瞬間、
「何やってんだよ、アオ。」という声がして、あたしの体はまたもや急ストップしました……なんで……
ていうかみなさん、ありがちの展開と笑って読んでいるのではありませんか?
バカにしないでください!体が思うように動かないっていうのは何よりも最悪なことなんです ……あたし、魔法は使えなくても、歩けばいいし、自分の体でやればいいしって思ってました。でも……
今の状態を見ると、あたしって何にもできないんだと悲しくなってきます……
「おい、そこのあんた!」後ろから、男の人の声がした。
思わず振り返ってみると……っていう展開がどれだけしたかったでしょうか?でもあたし、今動けないんですよ、なんでかなぁ……
「あんただよ!」もう一度さっきの声がして、何かがあたしに触れた。でも当然あたしは何もできない。
と思ったら、あれ?体が勝手に動いて、あたしは今、回れ右をして森の方を見ています……どうして?
で見ると、さっきあたしに触れていたものが、あの小鳥ちゃんだったことに気づく。あたしはなんか気まずくなって目をそらす。
「ごめん。」そんな言葉が口をついた。
「ゴメン。」小鳥ちゃんは相変わらずあたしの真似をします。
って待って!あたしって話せたんだ!嬉しい![口を動かせたんだの言い間違いでは?]
でも、小鳥ちゃん、どうしてあたしのマネばっかすんのかな……
「インコだよ。」さっきの声がした。
あたしは小鳥ちゃんに夢中になってて気づかなかったけど、森の近くに寝そべっている人がいた。よぉく見てみると、男の人?っぽい。
「え?」あたしは聞き返した。
そのおかげで、あたしはその人をちゃんと見ることができた。その人はめんどくさそうに体を起こすと、あたしを見た。
げーーーーッ!めっちゃカッコいいじゃん!
黒い髪に水色の目!美少年!なんか、少女漫画みたいな展開だね……[自分で言うか……]
「インコ。」その人はもう一回言った。
「は?」あたしも負けじと問い返しました〜えらい自分!
すると、その人はあたしをもう一回マジマジと見つめてこう言った。
「バカか?」
はああああああああああ?
あたしがバカですと?なんということを!あたしは……
まあ、バカですよーだ![バカなんかい!って言いたくなりませんか?]
あたしはなんかムッときて、
「失礼しました!」と言って立ち去ろうとした。が、
体が動かない。
そうでした……忘れてました……なんか体動かないんでした……
なんかすっごく気まずいです……こんな吐き捨て文句みたいなものを言っておいて、失礼できないなんて……
とあたしが苦難に立ち向かっていると……
「動けないよ。」とその人は冷静に、いかにも興味なさそうに言いました。
「え?」
なんでこの人がそのことを知ってんの?[いや、見れば分かるよな、普通?]
「だから、動けないよって。」
「なんで?」
そう言うと、その人はあたしを見て言った。
「だって俺がお前の影を止めてるから。」
はああああああああああああああ?
なんでそんなことしてんだよ、おい!
あたしは堅実にここまで、普通の人間のように生きてきたんだよ(魔力を使わずに)(使えないから)。
なのに、どうしてこんなことしてくるんだよ!
あたしがお前に何したって言うんだよ?
「ま、さっきはアオが邪魔して一瞬魔法が解けたけど。」
いや、ちょっと待って。それ、何の弁解にもなってないからね。
「なんで?」気を取り直して、あたしは言った。
「あんたがアオをいじめたから。」
「アオ?」
って聞くと、その人はその肩にちょこんと乗っている小鳥ちゃんを指差した。
さっきあたしが妄想してキスしてしまいそうになった小鳥ちゃん……なんか申し訳なくなってきました……
「ごめんなさい。」あたしはなんとなく謝った。
「いいよ、別に。悪気はなかったんでしょ?」とその人は言った。
ええええ!いいんですか、そんなにあっさり許してもらって……なんか、すいません……
この人、人の体を急停止させたり、やなヤツと思ってたけど、意外といい人なんじゃ……
っと思ったのもつかの間……
「なんて、俺が言うと思った?」と言われました。
はああ?
恐る恐るあたしはその人を見た。
「と言いますと?」
「俺のアオに手ェ出した変質者を許せるかって言ってんだよ。」その人は顔では笑ってたけど、なんか怖かった。
やっぱ、そう思われちゃいますよね、はい。でもね……
「あたしはその子に手なんか出してないし、誘ってきたのはその子ですよ。」とあたしは堂々と言った。
だってホントだもんね。その子、あたしのマネばっかして、しまいには「大好き。」って言ってたし……
「バカか?」その人はもう一回そう言った。[私も同じセリフを言いたかったです……]
はあああああああああ?
てめえ、あたしに殴れって言ってんのか?(あいにく体はまだ動かないのですが……)
「どういうことですか?」あたしは問い返した。
「あんた、本気でコイツが自分を好きだと思ってんの?」
「ええ。」
「なんで?」いかにもめんどくさそうにその人は聞いた。
「だってその子、あたしのマネばっかしてくるし、『大好き。』とか言われたし。」
「は?」その人は呆然として言った。
そして……
「フハハハハハ!」と大爆笑し始めました。[そうなるよね、普通……]
なんなんだよ、コイツ。早く逃げ去りたいですよね、こういう状況に陥ったら。でもね、あたしの体、今だに動かないんです。少しは同情してくださいね。
「あんた、やっぱアホだな。」とその人は言いました。
はいはい、結構ですよ。バカでもアホでも。なんとでも言ってください。もう真っ正面から向き合いませんから。よく言う『右から左』ってやつをやってやりますよ、はい。
「コイツ、インコなんだよ。」
「インコ?」
「ああ。」そう言ってその人は黙った。
でもちょっと待って……インコってなんじゃらほい?
その人は知ってて当たり前って感じで言ってたから、有名な魔物なんだろうな……魔物討伐とか、死んでも行かないって思ってたから、その授業、寝てることが多かったんだよね……でも……
「へぇ〜。そんな魔物飼ってるなんて珍しい!」となんとなく相槌を打つ。
すると、その人はこっちをギロッとさも軽蔑したように睨んで、
「やっぱアホだな。」と言ってきた。
もうあたしにはそんな言葉、通用しませんからねー。すこっっしも動揺してませんから。[と言って、本当はしているのがお約束です]
そして、
「あんた、もしかして、ミーナか?」
とズバリ正体を暴かれてしまいました。どうする、ミーナ……
「えーーっと……」
となんとかしようとしているあたしをよそに、その人は自分の考えに浸っちゃっています。
「じゃ、あんたがかの有名な人間鑑定士か!」
そう言われたことはほぼほぼはじめてだったので、なんか急に気分が良くなりました〜そうですよ〜っと。[単純だな、おい……]
「そうだけど。」とあたしは軽く言った。当たり前じゃんって感じで……
「そうか。バカなわけだ。」
この人、どうしてこう、人のテンションを上げたり下げたりするんでしょうか……
「インコっていうのは、人間界にいる鳥の種類で、コイツは相手の言ったことをそっくりそのままコピーするんだ。でもその言葉の意味は全くわかってないから、能力があるわけじゃない。って習ったよな、『動物と魔物』の授業で。もっとも、俺は出てないから、どう習ったかは知らねーけどよ。」
はぁ……その授業でしたか……最初はペイパーだけだったし暗記すればいける!ラッキー!と思って頑張って生き物の名前とか覚えてたんだけど、だんだん実技のテストが増えてきてね……(実際に森に行って魔物を観察して討伐する……)。ギブアップしちゃったやつですよ……はい……
でも待って、出てないってどういうことですか?いたんですか、そんな人、この学校にも?ってことはもしかして……
ヘタレ魔女友達できますか?[男だから魔法使いだが……]
「その、出てないっていうのはどういう?」とあたしはさりげなく聞いてみた。
「あ?ああ、その授業の内容、この学園の小等部に入った時(だいたい5歳くらい)から森とかには友達と侵入して討伐とかも結構してたから、レベル低すぎてつまんなくってさ。みんなでサボってたんだ。」
そ、そうですか……そっち系ですか……いるんですよね、いつの時代にもそういう天才さんが……はぁ……
「何?」
「いや、なんでもないです……」
「ふ〜ん。」
少しの沈黙。そして、
「どうせあれでしょ?授業に出てないって聞いて、あたしの同類かもとか思ったんでしょ?」
図星です……はい、図星です……さっきからあたしの頭読んでますか?
「ごめんね、あいにく、これでも学年2位なんだ。から、」
と言ってその人はかがんであたしを覗き込んだ。
「あんたとは違うよ。」
なんかそんなのわかってましたよって感じだね。それよりも、
こうやって近くで見ると、ほんとにあんた美少年だよ。認めたくないけど……
「でも、もしあんたが本気でやる気あんだったら、教えてやってもいいよ?」
え?
「魔法。」
えええええええ?
なにがどうしてそうなったら?
でも待って!これって二度とないチャンスじゃない?もし、これで、魔法とか出来るようになったら……
[今からミーナの妄想へ飛びます……]
『きゃあ!見て!ミーナ・リュンヌ様よ!』
『ほんと素敵!なんか、今までなめててごめんなさいって感じね。』
『今回も学年5位以内ですって!』[根拠のない自信……妄想内ですが、それでもどうやって夏休みひとつで学年最下位がそうなれると思うんですか?]
『ミーナ様!カッコいい!』
『ミーナ、俺と踊ってくれないか?』
『ミーナ、君の全てを僕にくれ!』[???????]
と歓声を浴びる中、あたしはさりげなくこう言うの。
『人間、努力すればなんでも出来るのよ』って。
[妄想タイム終了]
はぁー。最高!
「お願いします!」とあたしは声を貼りました!(頭下げたかったんだけど、体がまだ不自由なんです……)。
「俺、言っとくけど、スパルタだからね。」その人は言った。
「はい、なんでも頑張ります!」
魔法ができるようになるのなら〜どんな苦労だって惜しみませんよ〜だって、それであたしは夢の国をゲットできちゃうんですから〜[このときのミーナは、魔法が使えるようになっただけではモテないこと、そして、今まで自分が何度も失敗してきたことを都合よく忘れている。]
「じゃあ、毎日、日の出とともにここ集合ね。寝泊まりは図書館でするといいから。」
はい〜〜〜〜〜って、えええええ?
日の出集合?じゃあ、あたしの読書タイムはどうなるの?
まいっか、そんなのいつでもできるし……と思っていた矢先……
「それ、夏休み中ずっとだから、間違っても旅行とか入れないでね。」
えええええええ?まじですか?え、でも……
「補修が……」
「補修?」そう言って振り返った彼の顔は悪魔だった。
「俺がそんなものに引っかかるはずないし、あんたもそうだろうが。」
「はい、すいませんでした……」
「ま、嫌ならやめるけど。」
「それだけは!」とっさに言葉が口をつきました……はぁ……
「え?なんだって?」
その人は、少しニヤッと笑った。いじわる……でも、すっごくかっこいいんだよ、どうすりゃいんだよ……
「今年の夏休み、お願いします!」
思わず頭を下げたけど、意外なことに、ちゃんと頭は下がった。もう、この人、魔法を解いてくれてたんだ……
しかも、こんなあたしに夏休み中ずっと魔法を教えてくれるって言う。先生にも見捨てられたっていうのに!
なんか、コイツ、意外と優しいやつなんじゃ……
って待ってよ、あたし。なんか、そんなのって……
神さま、この少女漫画的出会いには、恋愛フラグ立っていますか?[彼氏いない歴=年齢のお前が言うかよ?]
「あ、それと……」と彼は行きかけて、振り向いた。
はい、何ですか?なんか、この人が待ちに待った運命の人かもって思うと、全てが虹色に見えます〜あたし、恋してます!
「その代わりに、俺専用の人間鑑定士として働いてね。」
へ?
ちょっと待って!あたしの恋愛フラグは?
「こんなにやってあげてるんだから、断るとかは言わねぇよな?」彼は、またあのカッコいいニヤっをやりました。
前言撤回!