お昼休み
ーお昼休みー
リンゴーンとお昼の鐘が鳴り、お昼休みですよーという事で私は使用人用の食堂部屋を目指し歩いていた。
ルーラさんトリップ中で行動不能につき1人で。
本来なら復活するのを待つのが普通なんだろうけど……、というかトリップした人を復活まで待つのは普通なの・・・?
と、ともかく普通なら待つんだろうけどお仕事許可が出る前、療養期間中にもルーラさんがトリップモードになる事があって、復活までに体感10分以上はかかってたんだよねー。
だけどそんな長いこと待ってたらただでさえ薄っぺらボディーなのに更に薄っぺらになっちゃう!
とまぁそんな結論に至りまして一人食堂部屋を目指して歩いていると前の方の部屋から二人のメイドさんが出てきた。
その二人は水色の髪も後ろで編んだ髪型もメイド服の着方も何もかも一緒で二人で一つって言葉がすぐに浮かぶくらいに同じ動きをしていて、事実二人で一つの双子なメイドさんだったりする。
名前もマコさんミコさんとこれまたそっくりで呼び間違える度にお仕置きと称して私のほっぺがぷにぷにと弄ばれるのだ!くっ…!
まぁ、それはそれとして食堂部屋まで一緒に行けないかなぁ?って思ったので少し小走りで二人の下まで駆け寄った。
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ノアールがパタパタと足音を分かりやすく立てながら近づくとその音に気付いたマコとミコは同時に振り返った。
「「おやー?おやおやー?訳ありな我らが新人ノアールちゃんではないですか。ルーラがいないようですが一人でどちらまで?」」
二人は駆け寄ってきたノアールにしゃがんで目線を合わせ、ゆっくりと聞き取りやすいように話しかけた。
ノアールはかけられた二人の言葉を頭の中で数回繰り返し、なんとか理解した内容に対してどう答えればいいか考えてると クー とお腹が代わりに答え、それが恥ずかしかったノアールはスっと赤くなった顔をそらした。
「いやー何よりも分かりやすい答えですね」
「もうお昼ですからねー」
「「お腹空きましたよねー、よしよし」」
照れて赤くなったノアールを二人で撫でているとノアールが来た方から慌てた様子のルーラが現れた。
「ノアールちゃん……見つけたぁ!」
ルーラはノアールの下にシュバッと駆け寄り何かしら怪我をしてないか等を確認すると ふぅ… と安堵の息を吐いた。
「ごめんなさい、気づいたらいなくなってて。二人が見つけてくれたの?」
「いや、私達は今からご飯に行こうと思ってて」
「そしたらお腹を空かせたノアールちゃんが一人で来て」
「「いったいルーラは何処で何をしているのかと思っていたところですが?」」
「と言うかそもそも何故目を離したのか?」
「まずはその理由を嘘偽り無く述べよ」
「「さもなくばお昼休み中ノアールちゃんに触れる事は出来ないと思うがいい!」」
二人は言うが早いかノアールをルーラから取り上げた。
「そんなっ…!?ただ私はノアールちゃんに手取り足取りそれはもう隅々まで教えてあげようと考えてただけよ!?」
鼻息荒くアレコレと欲望を語りだしたルーラにマコとミコの二人は はァ… とため息を吐いてから
「「ド変態は子供に近づくな」」
と冷めた目で言い放った。
そしてそんな様子を うわぁ… と少し引きながら見ていたノアールのお腹がまた クー と鳴いた。
「あー、そうだったねー」
「お腹空いたよねー」
「「こんなド変態は放置して3人でご飯行こうねー」」
その音を聞いて そういえばご飯に行くんだった と思い出したマコとミコはそれぞれノアールの手を取り歩き出した。
台詞通りルーラを放置して。
そこから数秒置いて ハッ! と気付いたルーラは慌てて3人を追いかけた。
それからしばらくして3人と1人は食堂部屋に辿り着いたのだった。
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「「という事がさっきあったんですよ」」
マコさんとミコさんが食堂部屋に居た他の使用人さん達に説明すると私から二つ離れた席に座ってるルーラさんに呆れとかいろいろ混じった視線が突き刺さった。
そんなルーラさんから 助けてノアールちゃーん! と聞こえそうな視線がチラチラ飛んでくるけど私は気付かないフリをしてスルーした。ごめんなさい今はご飯食べるのに夢中なので無理です。もぐもぐ。
ちなみに今日のお昼ご飯は野菜炒めとベーコンたっぷりのコンソメスープ、そして白米!
ファミレスみたいにお皿に盛ってるからどちらかと言えばライスって感じなんだけど私はそれを見た瞬間に
お こ め だー!!
って内心で狂喜乱舞しながらめっちゃ叫んだ。
今日の朝ごはんはパンだったし療養中はずっと病人食だし、もし無かったら今まで読んできた異世界物の主人公みたいに和食探ししないといけないのかななんて少し考えてたけどこの世界にはお米がある!!
あぁなんと素晴らしき事か!!
もう今日はお米記念日でもいいと思います!!
そして野菜炒め→お米→野菜炒め→お米→スープ→野菜炒めのローテーションを繰り返し私は心もお腹も大満足です!お米サイコー!!
それから追加でおかわりしたお米もおかずも残さずキレイさっぱり平らげて、私は はふぅ〜 と一息ついてから〈ごちそうさまでしたっ!♪〉と言って手を合わせた。
背もたれに身体を預けてぺったんこお腹から進化したぽっこりお腹をさすりながらゆっくりしてると少しだけまぶたが重くなってきた様な気がして、次に気付いた時にはもうお昼休みが終わりそうになっていた。