取調室に連れられて
こいつ、直接脳内に!
やっぱり目立つよねー、コレ……
私はいま金髪イケメンに俵みたいに肩に担がれて移動してる。
周りを見てみると昔の外国の警察?憲兵?みたいな格好の人達とかがお仕事してるみたいだった。
それとやっぱり言葉が分からない。薄々分かってたけど異世界モノの定番スキル『言語翻訳』的なのが自分には無いらしい……、日本語でオケorz
あ、それともう1つ、金髪イケメンのお兄さんもそうだけど皆髪色派手なのよ、金髪に始まり赤青緑とか目がチカチカする中で自分だけが黒髪、そのせいもあってかすれ違って行く人達みんな珍しそうにチラ見してきては度々目があったりするもんだから、正直恥ずかしい。
それからしばらくして、一つの部屋の前で降ろされた。
金髪イケメンを見上げてみると早く入れというふうに背を押されたので入る。
中に入ってみるともう一人金髪イケメンがいた。
ここまで自分は運んできた金髪イケメンがヤンキー系とするならあっちはバリバリの爽やか系、二人とも軽口を叩く(多分)くらいには仲良さげで見ているだけで妄想が捗る捗る。
ヤンキー系のがやっぱり受けかなぁ?とか想像してる間に話は終わった様で、爽やか系が席についてその対面の席にヤンキー系が座らせてくれた。
高さ的にキツかったしヤンキーさんありがとう、普段ヤンキーで大事な所で優しくなるツンデレ系かな?いいねb
ヤンキー系に一礼して爽やか系に向き合う。
爽やか系の方はすごくにこやかな笑顔で私を見てきていて正直不気味だと思った、だって言ったらあれだけど現状お前何処の誰だよ状態だしこの国?がどっかの国と仲悪くてそこのスパイじゃないのか?って言われても仕方ない訳ですしそもそも言葉分かりませんし、お前スパイ容疑で逮捕な…とかならないよね?ならないよねぇ!?
内心大慌てになりつつも表面上はなるべくにこやかに微笑んでいると爽やか系が何かを机の上に取り出してこちらに差し出してきた。
白い……石?これ取ればいいの?
差し出された石を手に取るとそれはぼんやりと光を放ち、どういう事かと爽やか系を見ると同じように光る石がその手にはあった。
そして
『あー、あー、っと、聞こえるかい?』
頭の中に声が響いた。私が耳をおさえてキョロキョロしてると爽やか系は楽しそうに笑って、また声が頭の中に響いた。
『ん、聞こえたみたいだね。はじめましてお嬢さん、僕はクラウス・ウォッチャー、まぁ気軽にクラウスお兄さんとでも呼んでくれて構わないよ。
まずはお嬢さんの名前を教えてくれないかな?その手に持ってる魔石に念じてくれれば僕に聞こえるはずだから』
1度石とクラウスさんを見比べてから念を込めてみる、正直どう込めればいいのかは分からないので頭の中に話かけるイメージで念を送ってみる。
『あー、あ、えーと、聞こえますか?』
確認を取るように見てみるとクラウスさんはにこやかに頷いた。
それから
『大丈夫、聞こえてるよ。』
と返信が来た。
『君は言葉が分からないみたいだと聞いたからね、これなら声を出さなくても会話が出来るだろ?』
『えー…、わざわざありがとうございます』
『どういたしまして、それじゃあそろそろお嬢さんの名前を教えてくれるかい?』
あ、名前!……うーん、流石に名前そのまま使う気は起きないんだよね…、男の名前だし。
うーん……、あ・・・黒ってなんて言うんだっけ?
確か……、ノアール?ノワール?だったっけ?
女の子の名前としてならノアールの方が語呂いいか…な?ノワールはどっちかと言うとカッコイイ系だし。
ん…、決定!命名ノアール!
『えー、改めてはじめましてクラウスさん、私はノアールと言います』
『はじめましてノアールちゃん、うん、今考えたにしては中々いい名前だと僕は思うよ』
わーいバレバレだーw
いやでも本名言ってもなんかダメそうだし、てかその笑顔なんか怖いからホントやめてってば!
あぁもう…、とにかく押し切る!
深く深呼吸をして背筋を伸ばしクラウスさんを見つめ頭の中を切り替える。
『偽名だとしてもそれを確認する術はクラウスさんにはありませんよね?めんどくさい事は無しにして私をここに連れてきた理由を教えてくれませんか?』
気持ち的にキリッとした表情で相手を見つめる。
『あ、本当に偽名だったんだ』
え、何その反応…、まさかあれか、ブラフってやつですか?まんまと引っかかったな馬鹿め状態ですか!?これ普通に本名ですよって言っとけば良かったやつじゃん!
『まあ、名前はこの際置いといて、君は何処から何をしにこの街に来たのか教えてくれるかい?』
笑いこらえんなイケメンコノヤロー!
あぁもう…めんどくさい、真面目モード終わり!
これ以上続けても自爆しそうだし…頭ダルいし!
『そうですねー、とりあえず山の中から鐘の音を頼りにここまで歩いて来ました、あとやたら壁高いなぁって思ってたらここ街だったんですか。何かの要塞かと思ってました。それでなんて街なんですか?』
『一気に砕けたね君…、そうだね、まずこの国はエルダー王国、そしてその王都ランディア、ご飯も美味しく治安もそれなりにいい街だよ』
『続けても自爆する未来しか見えなかったもので……。えー、とりあえずご飯と治安は大事ですよね、ていうか王国って事は貴族とかそういうめんどくさい人達がいる感じですか?』
『貴族がめんどくさいってのは僕も同意かな、本当に貴族ってやる事が多くてねぇ、ここの仕事もしないといけないし』
わーい、クラウスさん貴族だったよ、これ不敬罪とかになんないよね…?
『お疲れ様です』
『ありがとう、とりあえず話を戻そうか。結局の所君は何者だい?明らかに見た目と中身が合ってない気しかしないんだけど』
あ、大丈夫そう。
んー、まぁこんな幼女普通はいないよね?この世界の子供の基準知らないけど、とりあえず…
『教えてもいいですけど二つほど条件がありますよ?もちろん他の人には言わないのを前提にですよ』
『それは君の正体によるかな?君が危険人物とかだったりしたらそれ相応の対処をしないといけなくなるからね。まずは条件を教えてくれるかい?』
とりあえずはかかった!
『まずは三食ご飯、お風呂、お布団のある住み込みのお仕事をください。このままだと近いうちに野垂れ死にしそうなので』
まずは確実にご飯とお風呂と寝床を確保する!
流石に無償で貰うのは気が引けるしお金無いと何も出来ないからね、クラウスさんお貴族様だしそういう住み込みの仕事の一つや二つ見つけてくれるよね?という期待を込めてジッと見つめる。
『うんうん、それでもう1つは?』
『この世界の言葉を教えてください、意思疎通が出来ないのは生活に支障をきたしますし』
神様とかが最初から使える様にしといてくれたら良かったんだけどねー。
『この世界の?それはいったい…』
『条件をのんでくれれば教えますよ?』
って言うかのんでもらわないと自分がやばいの!のんで!お願い!
『・・・うん、わかったよ、条件をのもう。住み込みの仕事と言語指導?でいいんだね?』
勝ったぁ!
『はい、あ…、娼館とかそういう系のは無しですよ!?』
『しないから安心していいよ、それじゃあ君が何者なのか教えてくれるかい?』
『そうですね…、一言で言うなら異世界からの転生者です』
私はちょっとだけキメ顔でそう言った。
ここまで読んでいただきありがとうございました
その場その場の思い付きで書いていますのでそれでも楽しんで頂ければ幸いです
どういう風に書けばいいのかは未だ手探りですが頑張ります
それではここまで読んでいただきありがとうございました!