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双子ってどう思いますか

この世界には双子について様々な認識が存在する。


双子を慶事として祝うこともあれば、双子は不吉の存在として忌むこともある。


実に馬鹿馬鹿しい。


双子は、確かに母体にとって見れば1人を妊娠するより大変であろう。出産に対する危険も上がるのだから忌む気持ちも分かる。

だが一度に2人の子を授かると言う意味ではやはり慶事であり、無事生まれいでたのなら忌む必要はないのではないだろうか。

もちろん貧困層では育てるのも大変だから、やはり忌子なのだろうか。


ただ、そんなのは個人の価値観であり、それを国や世界の認識、常識にするのは間違っている。

と、僕は思っている。


何故なら僕、シュレイデル王国第3王位継承権を持つ第2王子ユアン=ソル=シュレイデルは双子の1人である。

ちなみに第1王子は先に1人で生まれた兄、リアン=ソル=シュレイデル。

そして僕の双子の片割れは第1王女レティ=ムル=シュレイデル。


そして我が国での双子のあり方は後者である。その中でも双子の後続は禍を運ぶという迷信付きだ。


きっと平民階級や困窮している家族の元で生まれれば生まれた瞬間に死んでいただろう、家族の手によって。

しかし僕は運の良いことに王族の、それも上位継承権持ちの王子として生まれた。

おかげで至高の王族の血を流すわけにはいかないと、死を免れた。

ただし禍をもたらす双子の後続(笑)に大臣たちは大いに慄き、戦々恐々として僕のこと幽閉を求めた。


まぁ、この認識ならそうなるわな。


僕は城から離れた遠い座敷牢、ではなく城の後宮の一室に隔離された。

幽閉にしては甘いと思われていると思いますが、何故なら僕の家族、父である王も、母である王妃も、双子への認識はこの国では稀な前者であったからだ。


大臣たちに噛み付く勢いで「ユアンは忌子じゃないー」と叫び怒りくるっていた。



僕と姉であるレティは父と母と4歳上の兄に愛されている。

今年5歳になる兄はレティも僕も大好きで今日も頬にキスしてくる。

あっ、お願い、兄様、口にはしないでね。


そう。僕は現在0歳1月。雪解けが進みチェリーブロッサムが咲き乱れた春に生まれたぴちぴちの赤ん坊。


でもその中身はすでに達観した精神を持っている、とだけ言っておこう。

レティ?いやいや、彼女は普通にまだ自我ももってない無垢な赤ん坊さ。

僕だけ、残念ながら特殊な生まれのようだ。


転生?

いや、ちょっとよく分からないけどもしかしならそうなのかもね。

僕だってまだ生まれて1月だよ。よくわかってはいない。ただ特に前世の記憶、とやらはないので違うんじゃないかなとも思うけど。


ともかく国の中枢で忌子として生まれた僕は、現在は優雅な名ばかりの隔離生活を送っている。


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