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0.プロローグ

『戦イハマダ終ラヌ 兵士集メヨ』

 壁に書かれた赤い文字。それは、見るものすべてに恐怖を植えつける。

 暖かな朝の陽ざしが、壁の文字を際立たせ、この場にいる者全員へ、現実から目をそらさせないように、はっきりと、浮かび上がらせている。

 ある者は、気分が悪くなり、どこかへ駆けていき、またある者は、その場で立ち尽くし、中にはその場にしゃがみ込んでしまい、動けなくなっている者もいた。

その場にいる者皆が気づいていた。誰かが、誰かはまだわからないが、確実に誰かが、亡霊将軍に連れて行かれた。戦場へ、連れて行かれたのだと―


 私達の学校には、おかしなルールがある。

 この学校は進学校ではあるが、同時に部活動も盛んでほとんどの生徒が部活動に入っている。そんな部活動、平日祝日問わず、活動時間に制限がある。朝は6時から。夜は8時までと制限があり、生徒は必ず8時半までには学校の敷地から出るようにという校則がある。

 そして、一番変わっているのが、この学校に勤める職員全員にも、唯一絶対遵守の決まりがある。『朝礼に出なければいけない』や、『時間厳守』といった規則はどこでもある。

 そういった規則に比べると、当たり前だが、少し珍しい規則である。

 『学内全職員はいかなる理由があろうとも、夜9時までに学外退出、明朝5時までは入校禁止』

 この規則は古くからこの学校にあり続ける、絶対普遍の規則である。誰でも疑問に思うはずだが、この学校に勤める職員は、1年も経てば誰も疑問など持たない。当たり前のことだと思ってしまうようになる。

 これらのルールのせいか、私達生徒の間では変な話が広まっていた。

 『夜、退校時間を無視して学内に残っていると、亡霊兵士に戦場へ連れて行かれる。』

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