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パンチラと神  作者: 橋沢高広
9/44

【第9回】

 ※


「ご主人様、今日のお昼ご飯は、いかがでしたか?」という胡桃くるみの問い掛けに、「美味しかったよ」と応じ、彼女が食器の片付けをしている間、東雲しののめと、侑紀ゆうきとの間で交わされる雑談を東雲の短いスカートと、そこから時折、見える下着とを気にしながら、俺は、いつもの通り、睡魔に襲われ掛けていた。

(もしかして、胡桃が作る昼食、俺のだけ、睡眠薬を混ぜていないか……)という変な妄想を抱きながら、眠りへと落ちる。


 俺が、目を覚ました時……、いや、妙なリアリティ感はあったが、「まだ眠りの中の様な」と言った方が正確かも知れない変な覚醒感を覚えつつ、周囲を見回す。そこは東雲の部屋であったが、全体は昼間とは思えない程、暗かった。全面ガラス戸の向こうに見える筈の立派な庭も漆黒に包まれている。

 気が付くと俺の上半身は裸であった。下半身は下着姿である。そこに、やはり下着姿の東雲が俺に近付き、ソファベッドに座る俺の横に腰を降ろした。

「何をする気だ?」と、俺は声を上げ様としたが、口が動かない。いや、身体からだにある、どの部分も動かせなく、なっていた。

 東雲は自分の頬を俺の頬に擦り寄せ、その柔らかい唇で俺の右耳に優しく触れてから、耳元で囁き出す。


「『地球は神の実験場』なの。先に断言するけど、ここで言う『神』とは宗教上の神とは異なるわ。そうね、『人間の行動を観察する存在』と言った方が正確かも……。

 神は、この地球に『ヒト』が登場して以来、このヒトに対して、色々な『事象』を与え、その都度、ヒトが、どの様な行動をするのか観察し続けてきたんだ。

 実はね、この宇宙は知的生命体が住む星が多数存在するの。もちろん、海がある地球型の惑星もあるし、地球型ではなくても、知的生命体が暮らしている星もあるわ。神は、これらの知的生命体を観察しているんだ。でも、その目的は知らない……。

 通常、一種類の知的生命体に対して、三人……、この数え方について、適切な表現方法を私は知らないから、一応、『にん』としておくけど、三人の神が観察しているんだ。その内の一人は、その生命体を『より長く生存させる為の方策』を考え、もう一人は『破滅させる方策』を考えるの。そして、提案された方策……、これは『生存』、『破滅』の双方だけど、その妥当性を判断し、実行するのか、どうかを決める『審判』的な役割をしているのが、もう一人の神。

 神の考えた『方策』が知的生命体に対し、『事象』という形で実行され、その『結果』を、これに関係した神々が『観察』するという訳。

 これが、その概要。

 でも、私達が住む地球の場合、少し状況が異なっていて、二人の神しか関与していないんだ。生命体を『より長く生存させる為の方策』を考える神がいないの。

 そしてね、『審判』を担当する神と私、関係があるんだ。この話は、近い内にしないと、いけないんだけど、今日は、この辺にしておくね……」


 東雲は、そう言った後、俺の右耳に軽くキスをして、離れて行った。その姿を目で追う。

 それが視界から消えるのと、ほぼ同時に、「勇介」という鋭い声が俺の〈左耳〉に飛び込んで来た。それは侑紀のものである。大きくは動かせなかったが、頭を少し左側に向け、視線を、その声がした方向へ向けた。

 そこには、下着姿の侑紀が立っている。彼女の胸は大きい。夏服へと制服の衣替えをした後も、侑紀はブラウスの上にベストを着用しているが、それでも、胸の大きさは、よく解った。その胸がブラジャーから溢れんばかりの状態である。

 侑紀の口が開いた。

「私は、『破滅させる方策』を考える神と関係がある。これだけは覚えておく様に……」

 それだけを告げ、彼女はきびすを返し、俺から遠ざかって行く。俺の脳裏には侑紀の右胸にあった〈ホクロ〉だけが印象として残る。

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