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パンチラと神  作者: 橋沢高広
39/44

【第39回】

 ※


 胡桃くるみが、「ご主人様は何故、私と彼女との関係を見破ったのですか?」と、先程と同じ質問をしたので俺は、それに答えた。


「まず、この部屋で『神の話』をしている際、胡桃は一度だけ、口を挟んでいる。それは神とコンタクトが取れる人間……、これは俺、東雲しののめ侑紀ゆうきの事だが、この三人が余りにも近い場所にいる事実に対して疑問を持った時だった。俺は、この点に着目する。

 提示した問題は解決の糸口すら見出せず、この場は重い空気に包まれた。その時、胡桃は、「ご主人様、その質問に対する回答は今、出す必要が、あるのでしょうか?」と言って、この問題に対して実質的な終止符を打とうとする。

 俺自身、その時は、「胡桃の言い分にも一理ある」と考え、それ以上の詮索はしなかったが、後になって、(胡桃は、この問題に触れられたくないのか?)という疑問を持つ様になった。

 そこで思い付いたのが、『胡桃自身が神だったら……』なんだ。

 そして、もう一つ気になった事がある。胡桃が、この発言をした後、俺は胡桃を対象にして、エロい妄想をしてしまう。しかし、それは『神が俺の脳に流入させた』という結論に至った訳だが、その姿は今も思い出せる程、鮮明なものだった。

 更に、神は胡桃にメイド服は着せたままだったが、その胸……、裸の胸を俺に見せていたんだ。

 その直後、神は、もう一度、胡桃の裸を俺に見せた。だが、この時、胡桃は全裸になっていたものの、手で胸と下腹部は隠している。一度、その胸は俺に見せたのだから、隠す必要性はない筈だ。しかし、胡桃は胸を隠す。しかも、それを確認する様に……、更に加えれば、かなり動揺しつつ、『私を使って、どんなシーンを想像したんですか!』と質問した。

 これも、後になって気付いたのだが、もし、胡桃自身が神だったら、俺の脳に流入させた胡桃の姿は、自らでコントロール出来た筈だ。しかし、実際には胡桃の意思とは関係なく、それが行われたからこそ、胡桃が動揺したと推測する。

 そうなれば、一度は考えた『神、イコール、胡桃』という関係は成立しない。

 この解釈が的を射ていたなら、胡桃の裸に関して、神は胡桃の心情を考え二回目は、その胸を手で隠したという推測が成り立つ。

 そして、最後に八月十一日以降、神は俺の夢に出て来ると思っていたら、それが一向に実行されない。その理由を探ってみた時、面白い事に気付く。

 まぁ、本来、女子の前でする話ではないが、十一日の夜、俺は、かなりエロい夢を見ていた。それまで、『神の夢』を見続けた反動もあったのだろう。少し気にしているアイドルが登場した夢だ。

 夢を見る時は、その眠りが浅い時に限られる。熟睡時には夢を見ない。その為、俺はアイドルとのエロい夢を見ながら、自分の〈一部〉が〈元気〉になっている事には気付いていた。しかも、この時、俺は全裸……、夏場は〈パンツ一丁〉で寝る時も多いのだが、その時は何故か、トランクスが脱げていたんだ。

 神が自由に空間を移動出来る存在なら、俺が住むアパートに現れたとしても不思議ではない。しかも、その神と胡桃とが、その距離に関わらず『交信』出来ると仮定した場合、胡桃は俺の元気な〈モノ〉を見てしまった可能性がある。これは胡桃にとって相当、ショッキングな場面だと想像した。そうなれば、それ以降、(あの部屋の様子は見たくない!)と思うだろう。

 もし、夢の中に神が登場する際、俺の近くにいる必要性があったとしても、胡桃の心情を考慮に入れれば、神は俺の部屋に近付こうとは、しない筈だ。換言すれば、俺に対して『神の夢を見せられない』という状況を作り出す結果となる。

 そして、決定打となったのが、神とコンタクトを取れる人間の判定を行っていたのが胡桃だった点。

 これらの事実と俺の妄想とを組み合わせた際、一つの仮定が鮮明に、その姿を現した。

 それは、『自らの存在意義を明確に捉えていない〈意識体〉と胡桃とは、かなり親密な関係にある』というものだった……」

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