俺は夏休みでも休めない!!~雷華とお出掛け その3~
温泉宿はすぐに見つかったのはいいが残っている部屋が一番グレードの高い部屋しかなかったのでその部屋を押さえてもらってお金を下ろすのと必要な物を買いに出掛けた。雷華の使うシャンプー等のアメニティグッズや夜に食べるお菓子やジュースを買いこんでさっきの温泉宿に戻った。
「すいません、先ほど部屋を押さえて頂いた者です。チェックインしたいのですが」
「はい、承っておりますが……失礼ですが未成年者ですよね?本当に払えるんですか?」
受付のお姉さんは訝しげに俺を見つめている。きっと、『払えないのにカッコつけようとしてんじゃないわよ、この見栄張る!!』とか思っているのだろう。
「20万円あるので確かめて下さい」
「!!しょ、少々お待ち下さいっ!!」
お姉さんは急いでお金を数え始める。あんなに焦ってたら数え間違えちゃうんじゃないかな?
「……すみませんが1万円足りない……」
なんか数え間違えてるのにドヤ顔でしてきやがりますよ、この人。
あっ、雷華ちょっとイラッとしてる。
「数え間違えてるよ。さっきATMで下ろしたお金をそのまま持ってきてるのに足りない何て事がある訳ないんだよ」
「そんな事ありません!!大体、学生なのにこんなお金持てるわけ無いわ。どうせ親から盗ん……」
「話にならないよ。ちょっと、そこのお兄さん。これ数え直してくれませんか?」
「畏まりました……はい、ちょうど20万円あります」
「あんた、何か言うことあるんじゃないの?」
「うっ……申し訳御座いませんでした……」
「この宿は質が悪すぎだね。他の所探すからお金返して下さい」
雷華はお金を数えてくれたお兄さんに手を突きだしてお金を返すように促しているとなんか責任者みたいな人が来た。
「どうかなさいましたか、お客様」
「あなた、ここの責任者ですか?この人対応は一体何なんですか?客に対して偉そうな態度を取ってお金を数え間違えたのを指摘すると悪びれもなく、失礼な言葉を平気で言い放つなんてそれがここの教育なんですか?こんなのがいるホテルで私はサービスを受けたいとは到底思えないんですけど」
「私の部下が失礼な態度を取り、お客様に大変不快な思いをさせてしまい申し訳御座いませんでした。このような事が無いよう、よく指導致します。お詫びに宿泊費を通常の部屋の料金と同じにしてサービスは従来通りにさせていただきます。」
「……どうする、圭人?」
「もう、こんな対応をするような事は無いんですよね?」
「はい、従業員全員に徹底致します」
「なら、俺はここでいいよ」
「わかった。じゃあ、お金支払うからとりあえず20万円返して」
二人で1万2千円と約20分の1の料金になった部屋代を払いチェックインする。部屋まで案内され中に入るとかなり広い部屋でリビング和室洋室と3部屋もあり、バルコニーを出ると温泉までついている。
「ルームサービスもご利用出来ますのでお気軽にお申し付け下さい。失礼致します」
案内してくれた人はそのまま部屋を出て行った。その瞬間、俺達は顔を見合わせて笑い込んだ。
「あっははは♪やったね、圭人♪宿代が安く上がったよ♪」
「ハハッ♪雷華、真面目な顔して怒ってた風だったけど笑いを堪えるのに必死だったでしょ?」
「だって、あの受付の人責任者っぽい人が来た途端にうろたえ始めて怒って赤かった顔が一気に青ざめたんだもん。お前は信号機かって言いたかったよ」
「ふ~、笑った笑った。宿も取れたことだし雷華、風呂に入らない?汗で身体中がベトベトで気持ち悪いんだよね」
「私も足を洗いたいからすぐにでも入りたいよ。でも、その前に……」
雷華は抱きつきながら俺の胸に顔うずめる。
「何をしてるの?」
「クンクン……圭人の匂いを嗅いでるんだよ……」
「汗臭いからやめてもらいたいんだけど……」
「……はぁ~、いつもよりも濃い匂いがするよ……」
雷華は犬のようなクンクン匂いを嗅いで悦に入っているようだ。早く風呂に入りたいんだけどなぁ……そうだっ!!
「ひゃっ!!圭人、何するの!?」
「いや、俺も雷華の匂いを嗅ごうと思って。いや~、雷華の首筋の匂いは何ともスメルティであります」
「恥ずかしいし、くすぐったいよ、圭人……」
「俺の匂いを未だに嗅いでいる雷華にそれを言う資格はないよ」
そう言いながらむずがる雷華の首筋にペロっと1ナメ。
「ひゃん♪圭人、ペロペロしないでぇ……♪」
そう言われても俺は止めるつもりは無い。なぜなら、今の俺はエロペロリストだからだ!!
☆★☆★☆★☆★☆
エロペロリストのペロリズムにやられた雷華の服を脱がせて一緒に湯に浸かる。今日の疲れが染み出し、出汁として湯に溶け込んでいそうだ。
「圭人、ペロペロしすぎだよ~。折角、汗で匂いの強くなってる圭人の身体を隅々まで嗅ぎきろうと思ったのに」
「俺にも羞恥心と言う物があるんだよ、雷華?」
「そんなの今更だよ。圭人は私に匂いを嗅がせて優越感に浸りたくないの?」
「いや、匂い嗅がせて優越感とか無いから」
「もう、圭人は素直じゃないんだから。まぁいいや、代わりに圭人の脱ぎたてパンツをもらうから」
「雷華、これ以上パンツを取られると穿くやつ無くなるからやめて」
「大丈夫、匂いが無くなった奴から洗って戻して、また脱ぎたてを貰っていってるから」
「そんな事してたんだ!?通りで昨日履いたパンツが無いと思って少ししたら出てきてたんだな!!」
「圭人だって私のパンツを175枚もちょろまかしてるじゃん。しかも、それを年代別にしてコレクションしてるのも知ってるんだよ」
「どっ、どうしてバレたんや!?」
「圭人ってバレてるんだから指で目線を入れて声音を変えても意味ないよ。心配しないで、圭人。ちょくちょくそのパンツを穿いて元に戻してるから」
「いつまで経っても匂いが無くならないし、寧ろ強くなってると思ったらそう言う事だったんだな!!クソッ、魔法のパンツだと思ってたのにっっ!!」
「そんなパンツがある訳無いよ、圭人。あるのは私の愛情と匂いが一杯詰まったパンツが175枚あるだけだよ。あっ、さっき脱いだパンツも合わせれば176枚か。いる?」
「そんな堂々ともらえるわけ無いでしょ!!」
「そう?私は圭人のパンツ貰っていくけどいいの?」
「ちっ……物々交換だ!!」
「カッコ良く決めたと思っているところ悪いんだけど顔がニヤけてるよ、圭人」
「顔に正直に出てしまう自分が憎い!!」
「さて、身体も温まったしそろそろ足を洗って欲しいんだけどいい?」
「そうだね。なぜかパンツの話になってたけど今重要なのは「私の脱ぎたてパンツを嗅ぐこと?」その通り!!てっ、じゃない!!」
見事な言葉の誘導にまんまと嵌ってしまったが、雷華も足を早く洗ってほしいのか自分から湯船を出て椅子に座る。俺は片膝立ちになってスポンジにボディソープをかけて泡立てる。
「それじゃあ、キレイにしようか」
「お願いしま~す♪」
触られた方の足ををピーンと伸ばして優しく洗う。特に触られた所は入念に。
「浄化されてるよ~圭人~♪」
「それはよかった。他の所はどうする?」
「全部洗って♪」
「了解しましたよ、お嬢様」
逆の足と腕を洗って次は身体の方を洗おうとすると雷華に止められた。
「手で洗って♪」
「ワガママですねぇ、お嬢様は」
「いいから、お願い♪」
「仕方ないなぁ」
スポンジを置いて手にボディソープを多めに出して背中から洗っていく。正面から背中を洗っているので雷華を抱いているようにも見える。
「抱かれてるみたいでこの洗い方好きだな♪」
実際、雷華は抱きついてきていて俺の胸に雷華の双子のコリッコリーナさんがご挨拶に来ている。こんなご丁寧な挨拶をされたらジョニーも会釈を返してしまうと言うものだ。
「圭人、こっち向いて♪」
「何?」
「チュ~♪」
振り向きざまに雷華にキスをされた。特に離れるつもりはないからそのままチュ~とされていると雷華の舌が俺の口の中に突貫してきた。
「んん♪んんんーんん♪」
「んん?んんんんんんんん?」
「んんん、んんんんっんん♪」
こんなディーパーな状態でしゃべられても『ん』としか聞き取れないので一旦離れる事……離れる……離れ……離れない!!どんな吸引力で唇に吸い付いてるんだ、雷華!?
「んっっっっー!!ぷはぁ……何て言ってるの、雷華?てか吸い付きが強すぎ!!」
「今年の流行語は『残念、それはアオダイショウだ』に決定だねって言ったんだよ♪」
「嘘こくな!!そんな長いこと話してなかったでしょ!!」
「へへ~♪」
「全く、もう」
背中も大体洗い終わったから前の方に移ろうと手を離した途端、いつの間にか空を見上げていた。すっかり暗くなり、空には星が瞬いている。
「圭人、気付いてる?」
雷華が俺の上に馬乗りになって話しかけてくる。あぁ、雷華に押し倒されたのか。
「気付いてるって……何のこと?雷華が時々、俺の歯ブラシと雷華の歯ブラシをチュ~させてること?」
「はぐらかしても無駄だよ。本当は気付いてるんでしょ?」
「いつになく真剣な顔をしている雷華には悪いけど、本当に何のことを話してるのかさっぱりわからないよ」
雷華は真剣な顔を崩し、満面の笑顔でこう言った。
「そうなんだ。じゃあ、教えてあげる。……圭人、もう我慢出来なくなってきてるでしょ?」
☆★☆★☆★☆★☆
「……何のこと?」
「今までよく頑張って来たけど限界なんだよ。そりゃ、そうだよね。こんな可愛い女の子がいて、圭人の事を真剣に愛している事も圭人自身知ってるし圭人も私の事愛している。しかも、四六時中誘ってきてる。普通の男ならもう童貞じゃなくなってるよ。」
雷華は俺に身体を預けるように倒れ込んで唇と唇がくっつきそうな距離で話しを続ける。
「でも、圭人は一人を決めるって決めてるからずっと我慢してきたよね?でもね、分かってると思うけど最近の圭人はあまり私達のスキンシップを拒否しなくなってきたよね。昔ならダメダメ言いながらヤられてたけど、今は受け入れてるよね?ゴールデンウィークの時も邪魔されなかったら私に童貞を渡してたんじゃない?雪や美波の時もそうだよね?今日も人が来ない所ならあんなに積極的になってたよね?ずっと、ずっと圭人を見続けてきた私には分かる。圭人は揺らいできてるよ」
雷華は俺の腹の上を指でなぞりながら軽くキスをする。
「いいんだよ、圭人?別に私としても一人を決めたってことにはならないよ。もちろん、私を選んでほしいし私だけを見てほしい。圭人を独り占めしたいし、圭人に独り占めされたい。でも、今のままだと圭人辛いでしょ?だから、私としよ?きっと、楽になるから……」
雷華は唇を重ねてそのまま目を閉じた。まるで、好きにしてと言っているようだ。
いや、好きにしていいんだろう。雷華は軽いキスはしているけど他は何もしてこないのだから。
「……んん!!」
気づかぬうちに俺は雷華の口に舌を入れていた。雷華の口の中を余さずしたで蹂躙し、息をする暇も与えない。
「んっ、あぁっ、んんん!!!……ふぅ……圭人……」
口を離すと口の周りがベチャベチャになっていたが気にせず雷華を押し返し、俺が上になっていた。
「圭人、今だけ何も考えずにしたいことをして。私は……圭人を受け入れるから……」
慈愛に満ちた笑顔を俺に向ける雷華。
……そんな顔をされたら俺は甘えてしまうじゃないか。今まで決めた事を何もかも忘れてこの優しさの海に溺れてしまう。溺れたが最後、二度と浮き上がってこれないのがわかっているのに俺は自ら沈み始めている。
あぁ……願わくば、この甘美な海に溺れてしまっている事に気付かぬまま永遠に沈み続ける事を切に願う……
「「「「ダメに決まってるでしょうが!!」」」」
「へぶっ!!」
「圭人!?」
横から衝撃が走り、俺の身体は泡だらけになっていた床を滑って壁に激突した。
「いてて……はっ、何が起こったの!?物凄い衝撃だったけど、隕石が落下してリアルメテオが起きたの!?」
「日本に落ちることはほぼ無いから安心していいよ、圭人」
「……雪?」
目の前にはなぜかこの場にいない筈の雪と美波、愛理ちゃんと瞳お姉ちゃんがいた。
「……あぁ、夢か。確かに、疲れてたからな。さて、甘美なる海に溺れに……」
「行かせないからね、圭人君」
雷華の下に行こうとすると愛理ちゃんに右腕を掴まれてしまった。
「圭人が限界に来てるのは分かってたけどこんなに早く堕ちかけるとは思わなかったわ。大丈夫よ、圭人。私が来たからには圭人の貞操は私が守る(奪う)から」
空いている左手を雷華に伸ばそうとする前に美波に掴まれる。
「圭人様、お気を確かに。今、気付け薬を飲ませますから」
瞳お姉ちゃんに口を開けさせられて何か液状の物を飲まされ……
「ヴォェェェェ!!!!!マッッッズ!!ゲロマズだよ、これ!!何を飲ませるのさ、瞳お姉ちゃん!!」
「意識が戻ったんだね、圭人♪」
「最初から意識はあったわ!!」
「おかしいわね、さっきまで雷華と一発やらかそうとしていた圭人が正気な訳無いのに……?」
「いや、一発やらかそうとしてたのは確かだけれどもね……」
「まだ気付けが足りなさそうだね、圭人君。瞳お姉ちゃん、圭人君にもう一杯追加して」
「畏まりました」
「だから正気だと、ヴォエェェェ!!!!!わかった、わかったからそれはもう飲まさないでっ!!」
「ちょっと、アンタ達。わかってると思うけど約束を破ったんだから私が圭人と遊ぶ予定を1日追加させてもらうからね」
「いいわよ、雷華。でも、明日は私と圭人のデートだから邪魔しにこないでよね。明日は私と圭人がとうとう身体まで結ばれる日なんだから」
「そんな事言われて邪魔しに行かないわけがないんだよ、雪!!」
「その発言は感化できないわね、雪。私の圭人の童貞を奪おうなんて盗人根性甚だしいわ」
「圭人君の初めては愛理の物だよ。4歳の時に愛理にくれるって言ってたし」
「圭人様の初めてをこんなふしだらな女に渡すわけにはいきません。かくなる上は、私が身を挺して……」
「「「「黙れ、熟女」」」」
「誰が熟女で喪女ですか!!」
いつものように言い合いするみんなを眺めていると、雷華が近づいてきて耳元で小さくつぶやいた。
「私はいつでも待ってるからね、け・い・と♪」
「……ならば今すぐ、ヴォエェェェ!!!!!」
「正気に戻らないようですからあと5本追加しますね、圭人様」
その後、温泉のタイルは謎の気付け薬と俺の吐いた物体Xによって埋め尽くされた。




