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俺は海をナメてない!!~花火~


 異常に慌ただしく日中は過ぎていき、気付けば今は夜の7時。


 夕食を食べた後、夏の夜の風物詩、花火をするため俺達は再び海に来た。


「待ってたよ、この時を!!私の花火二刀流が今年も夜を切り裂くぜ♪」


「毎年思うけど、雷華は本当、花火大好きだよね。」


「そりゃそうだよ。花火は綺麗だし楽しいし圭人にくっつけるしで一口で三度美味しいイベントなんだよ♪」


 俺に抱きつきながら雷華はかなりキャピキャピルンルンしている。


「圭人、ネズミ花火しよ♪これをつけまくって軽いテロリズムを味わってみようよ♪」


「圭人、これ見て♪私が市販の花火を分解して作ったロケット花火だよ♪三段式の点火方式でスクリュー回転もするようにしたから薄い板くらいなら平気でぶち抜く事受け合いだよ♪」


 雪と美波もぴったりくっついて俺に花火を渡してくる。ちょっとだけ、美波作のロケット花火が気になるところだ。


 良い子のみんなは花火を改造しちゃダメだぞ☆


「まっ、俺も作ってみたんだけどね。」


 良い子じゃない俺達は平気で花火を改造しちゃったりする訳で。


「圭人君、どんな花火作ったの?」


「リアルロケット花火を作ってみた。」


「才雅、ロケット花火にリアルも何もないだろうに。」


「斎藤、それはこれを見れば納得するさ。」


 俺はカバンからリアルロケット花火を取り出す。


「あぁ~、そういう事な。」


「確かにリアルだ。」


 三山、伊東はうんうん頷く。


「ロケットの形をした花火って事な。でも、ちゃんと飛ぶのか?」 


「知らん。試してないからな。」


「いやいや、危なすぎるだろう!!」


「そうか?上手く出来たから大丈夫な筈だぞ?」


「私も試してないけどイケる筈よ♪」


「やめとけって、才雅。怪我してからじゃ遅いんだぞ?」


「圭人は適当にやった方がスゴい結果が出るからアンタ達は大人しく見てなさい!!」



「大人しく見てないとミスタードリラーズを呼んでアンタ達の釜を掘らせるんだよ!!」


「「「スミマセンシタッッッ!!!」」」


「こらこら、斎藤は親切で忠告してくれてるんだから。」


「じゃあ、圭人君の作った花火はやらないの?」


「やるよ。それとこれとは話しが別さ。」


「才雅、頼むから大爆発だけはさせないでくれよ!!俺はDTのままで死にたくないからな!!」


「心配しすぎだよ。市販の花火を使ってるんだからそんな大爆発起きないって。」


「そんな事より早く始めようよ、圭人♪普通の花火はたくさんあるんだから♪」


「そうだね。じゃ、始めますか!!」


「「「「「「「おぉー!!」」」」」」」





☆★☆★☆★☆★☆


 大量に用意した花火を消費するにはかなりの時間がかかると思いきや、案外早く終わってしまった。


 おそらく、斎藤に持てるだけ、挟めるだけ、銜えれるだけの手持ち花火を点火してやった『なんちゃってマク○ス全門発射』と海に還した筈のマーキュリーが沖からバタフライで泳いでくるのを発見してロケット花火や置き型の打ち上げ花火、グレネードやロケットランチャー等をありったけぶち込んだ『地球防衛軍ごっこ』のせいだと思う。いや、全てマーキュリーのせいだ。


「派手なやつは全部終わっちゃったからメインイベントの手作り花火だな。」


「先ずは私からね♪」


 美波は薄めの木の板と手作り花火、処女穴ぶち抜き君一号(命名美波)を設置した。


「それゆけジョニー君3号、発射♪」


「待て、あの花火の名前は処女穴ぶち抜き君一号じゃなかったのか!?」


「そんなの適当だよ。気を取り直して、剛直圭人君13号、発射♪」


 俺の名前まで含みだした美波作の花火を美波は点火する。安全の為、導火線は長めにしてあるせいか少し時間が掛かって発射された。



 パシュンッ!! 


 暗闇の中を光の筋を残しながら板目掛けて飛んで行く剛直圭人君13号。


 ……この名前はちょっと嫌だから普通にロケット花火と呼ぶが、ロケット花火が板にぶつかる。



 カンッ!!……パシュンッ!!


 板をぶち抜く筈のロケット花火は板に弾かれると二段目が点火され、こっちに飛んできた。


「おえりゃあっ!!」


 三山にぶつかるコースにロケット花火が飛んできたが、三山はギリギリ避けて地面に伏せる。同じく斎藤、伊東も伏せながら頭を腕でガードしている。


 三山を通り抜けたロケット花火は沖へ進み、ヒュンと三度目の点火音を鳴らした後、小さな光と破裂音が聞こえた。


「距離が近かったようだね。三段目まで行かなかったから板をぶち抜く速度がでなかったって所かな?」


「失敗しちゃった、てへ♪」



「てへ♪じゃねぇよ!!危うく俺の額に第三の目が出来て天○飯みたいになるところだったじゃねぇか!!なんでも、テヘなりテヘペロってすれば許されると思ったら大間違いだぞ!!」


「ア゛ア゛ン!!こんな可愛いテヘ顔見られたのにありがとうの一言も無いのか、この野郎!!とりあえず、謝れ!!」


「理不尽すぎるゥゥゥゥ!!」


 と言いつつも土下座をする三山はよく調教されていると思う今日この頃。あと2時間くらいで明日になるけれども。


「さて、最後に俺のリアルロケット花火を飛ばしてみるか!!」


「才雅、頼むから失敗だけはしないでくれよ……」


「大丈夫、問題ない。」


「才雅、それは大丈夫じゃない時に言うセリフだぞ!?」


「よし、準備完了!!点火するぞ!!」


「準備早っ!!」 


 俺が導火線に火を着けたと同時に斎藤、三山は地面に伏せて防御体勢に入ってしまった。立っていた方が見えやすいのに。


 ジジジジと火が導火線を伝い、発射まであと少しの所で強めの風が吹いた。


「「「「「あっ」」」」」


「「やっぱ、こうなるんじゃねぇか!!」」


「お約束だな。」


 さっきの風のせいで垂直に立てていたリアルロケット花火はゆっくりと傾き……


 ゴォォォォォ!!!!!


 ロケットで言う補助推進用のブースターの部分が火を噴きながらスゴい勢いで空を飛び波打ち際を通過するかと思いきや、その進路上にタイミングよくうつ伏せの状態で打ち上げられているマーキュリーの姿が……


 ブスッ♂


「アッー!!!!」


「見事に刺さったわね。これもお約束って言うのかしら、圭人君?」


「すごい、半分近く入り込んでるわ。」


「アハハハッ!ものすごい状態だね、圭人♪」


「お尻から火を噴くとかネタで作った怪獣みたいね。」


 雪達と愛理ちゃんが辛辣な感想言う中、補助推進用のブースター部分から出ている火が弱くなって行く。


「……終わりか?」


「リアルロケット花火だと言っただろ?ここからが本番だ。」


 シュウゥゥゥ……ゴォォォォォ!!!!!


「アッ……アッー!!!」


 補助推進用のブースターからの火が弱くなると同時に本体のブースター部分が勢いよく火を噴く。


「多段式とかエグすぎるだろ、才雅……」


「あれは地獄だな……」


 いつの間にか立ち上がった斎藤と三山はマーキュリーを憐れむような目で見つめる。


 そうしているうちに、徐々にめり込んでいくリアルロケット花火の勢いが最高潮に達し……


 パァァァァン!!!!


「アッーーーーーー!!!!!!!」


 爆発したリアルロケット花火により、ズボンが破けてケツの穴をおっぴろげにしながら気絶するマーキュリー。


「やっぱり、ロケット花火は最後に爆発しないとね。成功してよかったよ」


「花火はキレイだったけど如何せん、あのホモが全てを台無しにしてるわね。」


「圭人はやっぱりミラクルを起こしてくれるよね♪」


「お尻に花火とか電撃ネ○トワークでもしないわよ。」


「さて、最後の花火も終わった事だしゴミとアレは使用人達に片付けさせるから帰りましょ、圭人君♪」


「ぽっと出、調子に乗るのは来世からにしなさい。今ならあの穴丸出しのホモもセットであの世におくってあげるわよ?」


「いいぽっと出は死んで地獄に落ちたぽっと出だけなんだよ♪」



「またぽっと出は勝手に圭人を連れて行こうとするんだから仕方ない奴ね。一度、処女穴ぶち抜き君で文字通りぶち抜いてあげないとわからないのかしら?」


 うーにゃー言いながら雪達と愛理ちゃんに引っ張られる俺は斎藤達が着いてきてないので周りを見渡すと、斎藤達は砂浜に『まーきゅりー』と書かれたアイスの棒を砂浜に刺し、マーキュリーに手を合わせて南無南無言っていた。


 だが、奴に手を合わす必要など無い。


 なぜならマーキュリーはとても満足した顔をしているからだ。






 こうして俺達の今年初めての花火はマーキュリーによる汚ねぇ花火で幕を閉じた。




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