俺は今更遠慮はしない!!
ゲーセンを出た後、近くに喫茶店を見つけそこに入って休憩することにした。
席を決めるとき一悶着あったが、ジャンケンの結果、俺の隣に雪、正面に雷華、その隣に美波となった。
嬉しいやら恥ずかしいやら恐怖やらでゴタゴタしたが、とりあえず取ったぬいぐるみをみんなにあげることにした。
取れたのは、ビーグル、チワワ、ダックスフンド、豆柴の四種類。ビーグルは美波が欲しがってたから先に渡してある。
美波は嬉しそうに早速カバンにつけている。
「雪と雷華はどれがいい?」
「どれも可愛いから迷うな~」
「私はダックスフンドがいい。」
雪が迷っている間に雷華がサッと決めてしまった。
「雪、渡していい?」
「いいよ、これで2つに絞れるし。」
「じゃあ、これは雷華にプレゼント。」
「ありがとう、圭人♪大事にするね!!」
雷華も喜んでカバンに付け始めた。
残るチワワと豆柴を見比べ、眉間にしわを寄せむむ~とうなる雪。
「俺が選ぼうか?」
「えっ?じゃあ、どっちが私に似合う?」
キーホルダーに似合うも何もないと思うが…まぁいいや。
「じゃあ、豆柴かな?似合うとかじゃないけど雪はチワワってより豆柴って感じだし。」
従順ってところが特に。本人には言わないけど。
「じゃあ『圭人が』『私の為に』選んでくれたこれにしよ♪」
豆柴を受け取り、大層ご満悦な様子の雪。
それに対して雷華と美波は笑顔のまま小さく舌打ちする。
雪を見る目から察するに、「その手があったか!」と読み取れる。
それも一瞬のことで、とりあえず貰えたことが嬉しいのか普通の笑顔になっている。
「ところで、さっきは何を話してたの?」
と、雷華が俺に聞いてきた。雪も美波も興味があるのか俺の方をジッと見る。
「あぁ、さっきの三人は俺達のクラスメイトだよ。斎藤と三山、伊東って言うんだけど、さっきフィギュア取ったときに伊東がいいなぁって言ってたから同じクラスになったことだし丁度いいから仲良くなるためにクッキーとフィギュアを渡したんだよ。」
「「「ふーん。」」」
三人とも怪訝そうな感じに相づちを打つ。
「まぁ、特に意味は無いよ。フィギュア持っててもしょうがないしね。」
「でも、クッキーは勿体ないんじゃないかな?この後、圭人の家に行ったときのおやつになったのに。」
「「そうそう。」」
雷華の言葉に雪と美波は頷く。
いやいや、いつの間に俺の家に行くことになったんだ?
まぁ、確かにこの辺はある程度回ったからそろそろ家に帰るかと考えてたけど。
「おやつならコンビニで買えばいいよ。それにクッキーならみんなが作ってくれる方のが美味しいしね。」
三人とも煌めかんばかりの笑顔を俺に振りまきまくる。
多少、打算を打ったが概ね間違いじゃい。三人の作る物は本当に美味いから。
喫茶店で少し雑談をして俺の家に向かうことになった。
☆★☆★☆★☆★☆
俺の家に着いた。母さんはまだ仕事から帰ってきてないようだ。三人に上がっ てもらって俺の部屋に入ってもらう。
俺の部屋は一人っ子の為か結構広い。多分、子供部屋も兼ねていたからかもしれないが、そんな部屋に四人入ると丁度いい広さに感じる。
まるで、もともと四人で使う予定の部屋だったかのように。
「じゃあ、制服シワになるから着替えるか。」
俺がそう言うと三人とも服を脱ぎ始めた。もちろん俺もだ
この部屋には俺の服の他に、三人の服も多少ある。三人ともよく泊まりにくるので置いてあるのだ。
そして昔からそんな感じだったから今更着替えを見られても何も感じない。逆に身体をジロジロ見てても見られてても何も言わないし言われない。
前、着替えてた時に「三人とも胸大きくなったよね。」と言ったら「触ってみる?」と言われたので触ってみたことがある。今更遠慮なんかしないし興味だってあったし。
感想
スライム×6が現れた!!
まぁ、その後三人に俺の身体を触られてかなりゾクゾクしたのは記憶に新しい。
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着替え終わった後、コンビニで買ったおやつを食べつつ雑談をする。
俺の部屋でやれる遊びはやり尽くしている感が否めない。
だけど、この三人にとっては俺と一緒にいることが大事なのであって他の事は些末な問題らしい。
だから、おしゃべりが終わってやることがないと四人で寝ていることが多い。
今も少し眠くなってきているので四人で布団を用意している。
俺達はいつも布団を横に四枚引いて寝ている。
どうせ三人ともくっついてくるから縦に敷いても2枚余るし、しかも隙間に身体が落ちるから寝ずらい。
なので横に敷くことで隙間に落ちるのを防止した。
布団も敷き終わったので横になると三人ともいつものようにくっついてくる。
左に雪、右に雷華と少し下がって俺の腹を枕替わりにしている美波。
昔から変わらない寝方。
だからだろうか、案外すぐ眠りにつける。
母さんには三人が来てることはメールしといてあるから夕飯は六人で食べる事になると思う。
今日の夕飯は何か考えつつ俺は眠りについた。