俺は旅行中でも油断しない!!~2日目 その3~
「ふぅ、一仕事した後は気分がいいぜ!!」
「昨日からの鬱憤を全て吐き出したせいか、暑い日に飲む炭酸飲料のような爽快感が身体全員を駆け巡っているようだね♪」
「茶屋のおじさん方もいい人だったし、この調子で次の目的地にGOだわん!!」
「そろそろお昼だし伊勢海老ラーメンを早く食べに行きたいわ♪」
「じゃあ、出発!!」
「「「おー(わん)!!」」」
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「はっ、恥ずかしい…」
余りに気分がよくなったせいかいつもじゃしない様なテンションでハシャぐなんて…
旅の恥はかき捨てと言うがハズいものはハズい!!
…でも、大丈夫!!なんてったって俺はクールだからね!!
「どうしたの圭人、そんな悶々として?もしかして先っちょだけしか童貞卒業してないから?仕方ないなぁ、ちょっとそこの木陰に行こうか♪」
「圭人、あんな雌猫より私と童貞卒業するわん♪」
「私にかかれば圭人の悶々とした気持ちはキレイさっぱりヌけるわよ♪」
「いや、悶々とはしてたけどムラムラはしてないからね!!ほら、目的地着いたからね!!」
着いた先は浜辺に隣接した建物でサービスエリアみたいに中には食堂や売店があったりする。
早速、券売機で伊勢海老ラーメン(1500円)を買って待つことに。
「どんなやつなんだろうね、伊勢海老ラーメン。」
「ネットだと縦に半分に切られた伊勢海老が一尾丸々入ってる画像があったよ。」
「伊勢海老って結構大きいから食べきれるかわからないわん…」
「圭人…私、甲殻類アレルギーなんだよね…」
「見え透いた嘘を吐くな、雪。昨日、にゃんにゃんいいながら海老も蟹も食べてたろうに。しかも俺が3人分全部剥いてあげたし。」
「お礼に口移しで食べさせてあげたじゃない。ついでに処女もあげよう思ったのに結局昨日は先っちょ処女で終わったけどね。」
「蟹剥いたお礼で処女は高すぎだよ!!これが錬金術なら俺は既に持ってかれてるからね!!」
「欲しくないの?」
「どこ持ってかれても欲しい。」
「「圭人、私のを持ってって(わん)!!」」
「雷華も美波も声大きすぎ!!今更だけどこの話題はヤバすぎるよ!!」
周りの人の視線が痛すぎる…
ほら、あそこの男子グループなんて親の仇のような目で見てるし、女子のグループは汚物を見る目で見るし、あそこのガチムチなグループは獲物を見つけた目で見てるし…てっ、何で青ツナギ達がここに!!
一刻も早く逃げたいが伊勢海老ラーメンを頼んでいるから逃げようにも逃げられない、だって伊勢海老ラーメン高いんだもん!!
「…美波、手を握ってもらっててもいいかな…」
「ほ~ら、大丈夫だからね~私がいるから怖くないよ~」
怖いよ~今日は鉄のパンツ穿いてないよ~(泣)
「圭人、ちょっと待っててわん。今お巡りさんを呼んでくるわん!!」
「この際、犬のお巡りさんでも何でもいいよ、早く奴らを遠ざけてくれれば何でも!!」
数分後、雷華がブルドックとゴリラを混ぜたようなお巡りさん(地元ではブルゴリ君と呼ばれているらしい)が来て青ツナギ達を連れて行ってくれたので安心して出来立ての伊勢海老ラーメンを食べることができた。ありがとう、ブルゴリ君!!
「ずるるる~…こ、これは!!クワッ」
「圭人、何を料理系マンガの師匠みたいなマネしてるの。普通に食べればいいじゃない。」
「これは無駄な言葉で繕わなくても美味しいわん♪」
「うん、ここのラーメンは覚えておこっと♪」
思わぬハプニングに見舞われたがこうして美味しい物を食べられてよかった、よかった。
…ただ、外で時々聞こえる「アッー!!」とか何かを叩く音が聞こえるがきっと気のせいだと思いたい…
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みんなの味方であるお巡りさんの忌まわしい性質を垣間見てしまった可能性に戦慄しつつ、これ以上ここにいるのは精神衛生上及び俺の貞操によろしくないので南伊豆から西伊豆に戻り、昨日乗れなかった遊覧船に乗るため遊覧船乗り場にやってきた。
「今日は変な人達に絡まれないで船に乗れたね。」
「そうだね。出航まで時間あるから船の中を見て回りましょ♪」
「なんかワクワクしてきたわん♪」
「カモメに餌を上げれるらしいから後で買いに行きましょ、圭人♪」
「そう言えば船に乗るのは久しぶりだけど俺と雪達だけで乗るのは初めてだね。これはいい思い出になるよ。」
「そうだわん♪私と圭人の今までで最高の思い出になるわん♪」
「何言ってるの、この駄犬。私と圭人の思い出にあんた達は含まれないんだから調子に乗ってると保健所に捨てに行くわよ?」
「調子に乗ってる雌猫や雌犬はほっといて私と圭人の愛に溢れた思い出を作りましょ、ね、圭人♪」
「美波は本当にメンヘラ処女なんだから。これだから処女は…」
「先っちょ処女よりはマシよ!!中途半端なアンタよりも私の方が圭人に最高の思い出をあげれるわ!!」
「1mmも入れたことのないあんたが私と同じ土俵にいると思わないでよね!!」
「ちょっ、落ち着い、うぁ!!!」
「しっ、圭人静かにわん。危ないからこっちに非難するわん。」
と言って雷華は俺の手を取って雪達から離れていく。どんどんどんどん離れて行っていつの間にか船から降りていた。
「雷華、船から降りちゃってるよ。戻らないと。」
「いや、これでいいわん…」
「雷華?」
「時間になりましたので出航します。」
汽笛を鳴らして遊覧船は港から出航していった。甲板ではまだ雪と美波は言い争っている。
2人とも、人前であまり大声で卑猥な言葉は言っちゃいけないよ。
「ふ、ちょろいわん。圭人、やっと2人きりだわん♪く~ん、く~ん♪」
「雷華、人前だから!!人前だからそんなに熱烈にキスしてきちゃ、んんっ!!」
2人きりになれて気が高ぶったのか雷華は散歩に連れてって貰えて嬉しがる子犬のように俺にキスをする。
「おっと、こうしちゃいられないわん。圭人、今から行きたい場所があるから一緒にきてわん!」
「…仕方ないね。雪達はあと2時間は戻らないだろうし何かあっても携帯で連絡すればいい。」
「流石、圭人だわん♪早速行くわん♪」
そう行って雷華は俺と手をつないで歩き始めた。
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あれから歩いていると山道に入って、かれこれ1時間ほど歩いている。
「ずいぶん歩いたけど、どこに行くつもりなの?」
「へへ~、秘密だよ♪でも、もう着くよ。」
そう言って俺にぴったりくっついてくぅ~ん、くぅ~んと顔をすり付けてくる雷華。
う~ん、可愛すぎる。犬耳でしかもタレ耳なんて反則だよ。
周りに人もいないから理性が吹き飛びそうになるが懸命に抑えつけていると周りは木々しかない道が終わって開けた場所が見えてきた。
「着いたわん♪」
「これはまた絶景だね…」
目の前に広がるのはどこまでも広がる海と茜色に染まっている空。風は今まで歩いて来たことを労うように優しく吹き抜けていく。
「すごいね、すごいね圭人!!予想以上の絶景だね、圭人♪」
あまりの絶景に犬語を忘れてハシャぐ雷華を少しからかうことにした。
「雷華、わんを忘れてるぞ。」
「あっ…ごめんなさいわん…」
「残念だよ、雷華。まさか雷華が罰ゲームを忘れてしまうなんて思いも寄らなかったよ。雪だってちゃんと罰ゲームをしたのにな~」
「うぅ、ごめんなさいわん…許してくださいわん…」
「許すっ!!」
「そうだよね、ゆるして…えっ!?圭人、きゃっ!!」
俺は思いっきり雷華を抱いて耳元で囁く。
「犬耳つけてそんなしょんぼりした顔されたら許しちゃうよ、可愛すぎだよ!可愛すぎるよ!!可愛すぎさ!!!大事な事だから3回言ってもまだ足りないくらいだ!!」
「…嬉しい、わん。許してくれて、可愛いって言ってくれて…」
雷華は涙を浮かべ、俺を見つめながら静かにねだるように言う。
「…圭人、キスして、わん…」
俺は何も言わず優しく唇を重ねた。
風がまた吹き抜け雷華の髪を靡かせる。
雷華の少し癖のある髪はまるで雷が華の様に咲き乱れたようだった。
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「圭人、ここ見て。」
優しい時間を堪能し少し余韻に浸っていると、雷華が指を指しながら呼びかけるので見てみるとそこには小さな小さな鳥居と社があった。
「ここで御参りするのが本当の目的だったんだよ。」
「そうだったんだ…御参り、しよっか。」
「うん♪」
パンパンと柏手を打ち頭を下げる。
「あっ、そう言えば賽銭入れようと思ったけど賽銭箱なかったね。まぁ、こんな所まで賽銭を回収には来ないだろうけど何も奉納しないのはちょっと抵抗があるね。」
「大丈夫、ちゃんと奉納してるわん。」
「え、何を奉納したの?」
「ここの神様は恋愛成就の神様だから私達の仲むつまじい姿を見せれば神様も喜ぶわん。」
「そんなもんかな~?」
「それとね…」
「それと、おっ?」
雷華にトンと押されて仰向けに軽く倒れた。その上に雷華が乗っかってこう言った。
「ここの神様は子宝を授けてくれる神様でもあるんだよ。だから、ね、しよ?」
雷華の潤んだ瞳に俺は 為すすべもなく縫い付けられていた。




