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俺は準備に翻弄されない!!

 俺の痴態が晒された体育祭が終わり、一息つきたい所だが約束していた伊豆への旅行があるので、雪達と買い物に出掛けることになった。


 今回の旅行でもしかしたら三人の中から一人を決めるかもしれないので気合いを入れつつ、なにより精一杯楽しめればいいと思っている。


 でも沢山買われると荷物持ちとしてはキツいからそれとなく釘を刺しておこう。





★☆★☆★☆★☆★



「圭人、この服どうかな?」


「可愛いと思うけど雪には少し派手だと思うな。」


「圭人、この帽子似合う?似合う?」


「うん、雷華に似合ってるよ。避暑地に赴くお嬢様って感じだね。」


「圭人、これはどう?すぐに脱がされると思うけど♪」


「美波、それは下着としての機能を全く発揮してないよね?その下着から大事な所を隠す気を微塵も感じ取れないよ。」


 などといいながら俺は旅行の買い物を楽しんでいた。


 母さん達との「高校生になったら旅行とか自分達だけで行ってきていいわよ。」と言う約束もあり今回は俺達だけでの初めての旅行だ。


 雪達は昨日の夜からずっと旅行中どこを回るのかインターネットで検索したり旅行雑誌を見て行きたい所のページの耳を折ったりと遅くまでわいわいやっていた。


 そして今、旅行用の物を買いにきている訳だが…


「釘刺したはずなのにこのザマだよ…」



 今俺は3人分の荷物を持ってあげてるのだが一人の人間が持つにはあまりにも過積載が過ぎる。


 前がほぼ見えない状態で歩くのはあまりよろしくないからいい加減コインロッカーに入れたいところだ。


 てかよく人にぶつからないな、俺。


「圭人、次はキャリーバック買いに行くからその時荷物全部入れちゃうね。」


「それは助かったよ。正直、人とぶつかったらどうしようかと思ってたよ。」


「大丈夫だよ、圭人。ぶつかってきて圭人にフラグを立てようとするやつは近づけさせないから♪」


「いや、ぶつかった人達みんながそんな思惑を持ってぶつかる訳がないと思うよ。」


「圭人は男ですらフラグを立てられちゃうんだから気をつけないと。」


「今の発言はマジでフラグが立つからやめて…」


 今の状態で青ツナギとアブナイ仲間達に遭遇したら逃げられないしね。


 そんな話しをしていたから肉食獣に怯えるガゼルのように周りを警戒しつつ、恐怖でぷるぷるしながら歩いていると目的の店に着いたようだ。


 雷華と美波が先に行く中、雪が俺に小声で話しかけてきた。


「すぐ選ぶから待っててね、圭人♪」


「ありがとう、雪。雪はいつも気を使ってくれるね。」


「圭人だって何も言わずに荷物持ってくれてるからおあいこだよ。でも感謝してるんだったら一つお願いがあるんだけど…いい?」


「何をすればいいの?」


「旅行中、行きたい場所があるんだけど…2人だけで。」


「雷華や美波の目を盗むのは難しいよ。どうするの?」


「そこは考えがあるから大丈夫なんだけど…ダメ?」


「いいよ。」


 少し照れた顔に上目遣いでおねだりされて断るわけがない。


 人通りが多いからガマンしているが、ここが家だったら発作を抑えられなかっただろう。


「じゃあ、約束ね♪」


 そう言いながら雪は小指を出してくるが俺は今、手が完全に塞がっている状態なので苦笑していたが、雪はその小指を俺の口の中に無理矢理入れて器用に舌に 絡ませた。


「舌切った♪」


「舌切るなんてずいぶん猟奇的だね…」


「もちろん、嘘吐いたら舌切る所じゃ済まさないけどね♪」


「怖いわ!!」


 クスクス笑いながら指切りならぬ舌切りをした小指を舐める雪。


 艶めかしく、エロティックだが約束を破った時の仕打ちを考えるとゾックゾクしてしまう。決してカッチカチにはならないよ。




★☆★☆★☆★☆★



 キャリーバックを買ったので荷物の山から解放された俺もキャリーバックを買い、時間も時間なので昼ご飯を食べることにした。


 みんなが知ってる某ファーストフード店でハンバーガーのセットを食べながら雑談をする。


「そういえば、昔はこのピエロ野郎が怖くて夜眠れなかったなぁ~」


「あー、確か木曜日にやってた怪談番組で夢の中に出てくるピエロの話しを見てから圭人ってピエロが怖くなったんだよね。覚えてるよ。」


「圭人ったら、その日から怖くて夜はよく私に抱きついてたね~♪」


「私なんかトイレの中まで入ってあげたわよ。」


「「圭人…」」


「雪、雷華誤解だ!!あの時はトイレの外で待っててって言ったのに美波が中まで押し入って来たんだ!!」


「「どうして私に頼まないの!!」」


「怒るとこそこなの!?」


「ふふ、私は圭人の初めてを奪ったのね。」


「「圭人!!ちょっと来て!!」」


「嫌だよ!!流石に女子トイレに入るのは無理だよ!!」


「ちょっとだけ出してくれればいいから!!」


「ちょっととかじゃないからね、雪!!」


「ちょっと出してるところにいてくれればいいから!!」


「だからそうことじゃないよ、雷華!!」


「そして旅館でも圭人の初めてを…」


「「圭人!!」」


「だから無理だって!!雪達には羞恥心は無いの!?」


「「「無いわ!!」」」


「そんな宣言の方がいらないわ!!」


 男の俺より男らしいとかどんだけなんだい、チミ達は。





★☆★☆★☆★☆★


 某ファーストフード店からでた俺達はゲームセンターに行くことにした。


 だいたいの買い物が終わったから遊び回ろうとなるのは自然なことだ。


 荷物を駅前のコインロッカーに入れて歩き始めたら何やら人だかりが出来ていた。


「何かやってるのかな?」


「ちょっと見てみましょうか。」


「そうだね。ちょっと気になるし。」


「じゃあ行こっか、圭人♪」


 雪と美波が人だかりの方に行こうとしてる中、雷華は俺の手を取って別の方向に歩き出す。


「雷華、圭人の手を取ってどこに行こうとしてんのよ!!」


「そうよ、調子にノリ過ぎよ、雷華!!早くこっちに来なさい!!」


「ヤダ☆。逃げるよ、圭人♪」


 そう言うと俺の手を取って走り出す雷華。


 後ろを見ると殺気を撒き散らす死の権化が呪詛を唱えながら追ってきている。


 …俺、殺されないよね?


「私の圭人を奪おうなんて雷華って本当にイカレポンチね。圭人もあんなビッチに誑かされるまで溜まってるなら私がヌいてあげるのに。」


「私の圭人を取り返したらこんなことがないように圭人の童貞を奪っておかなくちゃイケないわ。このままじゃ本当にイケないわ。」


「美波、何言ってるの?圭人は私の何だからあんたが出る幕は無いわよ。」


「雪こそ何私の圭人に色目使ってんのよ。あんたは私と圭人がイチャついてるのを黙って見てればいいのよ。」


「美波、そんなに死にたいのね。」


「雪、そんなにあの世に逝きたかったら逝かせてあげるわ。」



 雪と美波は走るのを止め、立ち止まって睨み合ってる。


 当初の目的は完全に忘れているようだ。


 雪、美波、なるべく周りの被害は少なくしてね~





★☆★☆★☆★☆★


「雪も美波もチョロいね~」


「誰も怪我していませんように…雷華、どうして2人から逃げたの?」


「実はね、圭人に頼みがあるんだ~♪だから2人っきりになりたかったんだよね。」


「あまり無理の無いやつならいいよ。」


「今度の旅行の時に2人っきりで行きたい場所があるから一緒に行こ♪」


「…雪と美波をこんな感じで撒いてから行くの?」


「イエス♪圭人冴えてるね~♪」


「ハァ~、仕方ない一緒に行くよ。」


「ありがとう、圭人~♪」


 そう言うと抱きついてくる雷華。


 軽く汗ばむ肌からいつもよりも強く雷華の匂いがしてくる。


 雷華も同じなのか俺の首筋の匂いを胸いっぱいに吸い込んでいる。


 …ヤバい、発作が出て来そうだ。


 そんな状態の俺を知ってか知らずか雷華は俺の首をペロッと舐めてきた。


「雷華、流石にここではマズいよ。」


「ダ~メ☆この匂いは今じゃないと嗅げないから♪それに…」


「…それに?」


 雷華は俺の耳元で囁くように言った。


「今だけは圭人を独り占めできるしね…」


「雷華…」


 耳元から顔を離した雷華と見つめ合い、そっと目を閉じた雷華に顔を近づけお互いの唇が…


「「ミツケタ」」


 それは、誰もが死を覚悟する程の危険を孕んだ声だった…




★☆★☆★☆★☆★


 撲殺を生業とした天の使いも真っ青な美しき修羅を宥めるのにありったけの愛を込めた言葉を投げかけてようやく落ち着いた2人と駅までゆっくり帰っている途中でトイレに行きたくなったので雪達に待っててもらい、近くの公園のトイレに入った。


「ふー、スッキリした。」


「なかなかいい出しっぷりだったわね、圭人。」


「!!美波、なんで男子トイレに入ってきてるの!?」


「いいじゃない、減るもんじゃないんだから。」



「モラルの低下が著しいわ!!」


「そんなことより、圭人。ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど。」


「何?」


 俺は手を洗いながら美波の話しを聞く。


「旅行の時に2人だけで行きたい場所があるから一緒に来て欲しいの。」


「でも雪と雷華は黙ってないと思うよ。」


「雪も雷華も甘いからね、余裕よ。」


「ならいいよ。」


「ふふっありがとう、圭人。」


 美波はさも当たり前のように唇を重ねてくる。


「いや、トイレの中とかマニアックすぎだよ。」


「それが逆にいいんじゃない。」


「でも…」


「無理しなくていいのよ。圭人の赴くままにしていいから、ね?」


 美波は俺の首に腕を回し、今度はディープにキスをしてくる。


 さっき雷華とキス出来なかったからモヤモヤ、ムラムラしていたせいか俺の舌も激しく蠢く。


 美波が顔を離して妖艶な笑みを浮かべて俺の手を引いて個室の前まで歩いていく。


「入りましょ。」


 美波に促され個室の扉を開けた。


「「「「Welcome boy」」」」









 その後のことはあまり覚えていない。


 ただ、覚えているのは青いツナギと3人の修羅と赤く染まった尻だけだった。

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