俺は体育祭を楽しめない!!~100m走~
とうとう体育祭の日がやってきた。
今日が終わればゴールデンウィークと言うことで前日、雪達が旅行に行きたいとゴネにゴネて仕方がないのでケータイで旅館を調べたら伊豆の方で泊まれる所があったのでそこを予約し旅行の予定が立った。
もちろん、親の了承は得ている。というかどーぞいってらっしゃいって感じだったので母さん達もどっかに行くのかもしれない。
何はともあれゴールデンウィークの予定を入れたので体育祭で怪我など出来ないので適当に済ませようと思います。
「圭人、今日お父さんと圭人ママも見に来るんだよね?」
「そうだよ。雪ママも雷華ママも美波ママもくるんだよね?」
「うん、今日は無理矢理仕事休んでくるよ。」
「お母さん、張り切ってお弁当作ってたよ。」
「…多分母さん達全員作ってくるから全部食べれないな。夕飯はお昼の残りをうちで食べることになりそうだね。」
「才雅はいいなぁ親が弁当作ってくれて。俺なんて行くの面倒だからって誰も来ない上に500円だけ渡されて好きなもん食えだぜ?」
「俺なんて自分で握ったオニギリだよ…」
「なぜか昼飯を渡さないでお菓子を渡された…」
斎藤達はあまりにもな状況だな…そうだ!!
「斎藤達も一緒に食べよう!!きっと父さん達も喜ぶよ!!」
「いいのか、才雅?」
「いいに決まってるだろ。友達なんだから。」
「いや、そうじゃなくて…伏見達の方だよ。怖くてあいつ等の方見れないし。」
「大丈夫だ、任せろ。雪達、いいだろ?今日終わったら楽しい旅行が待ってるぞ?」
「仕方ないけど…いいよ。その代わり、旅行に行ったとき存分に圭人を堪能させてもらうからね。」
「確か家族風呂のある部屋を取ったんでしょ?そこでしっかり体を洗ってもらうんだからね、圭人♪」
「あぁ、夜が楽しみだわ…」
「なんとかなっただろ?」
「なんとかなったがお前、旅行先で確実に食われそうな気がするが大丈夫なのか?」
「…大丈夫、問題…あるかもしれないので最悪、安全装置だけは持って行くよ…」
「帰ってきたときに廃人になってないことを祈る…」
「絞りカスになるなよ…」
3人はそう言うと俺に最敬礼をした。
俺も生きて帰れることを切に祈るよ…
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開会式が始まり、ホクロ毛並みに長い校長の話しを気を失いながら聞き、選手宣誓で白組代表の風雅院さんがスポーツマンシップで正々堂々やっちゃるわい的な決まり文句を言ってようやく終わった。
全員で体操した後とうとう競技が始まった。
一番最初は100m走で一年から始まり男子、女子の順で競技が行われる。
いきなり三山が走るのか、面白いのを期待するぜ。
ピストルの音と共に走り出す選手達。
三山の奴、一番じゃないか!!あいつあんなに足早かったのか!!
三山のことを見直しそうになったがよく見ると三山以外全員大阪君みたいな奴らだった。
…ぶっちゃけ、だれが走っても変わらんわ。
一位になった三山の爽やかなドヤ顔を見て紅組の一年が怒声を浴びせていた。
「あんな連中に勝ってドヤ顔してんじゃねぇー!!」
「誰かキモすぎるから警察に連絡して!!」
「あの体全体から溢れ出しているキモオーラは性犯罪者レベルね。最近現れた変質者って実はあいつだったのかもしれないわね。」
三山は一位になったのにさめざめと涙を流していた。
俺がかけれる言葉はこれしかないな…
三山、生きてるだけでいいんだよ?
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キモい三山のお陰で只今白組リード中です。
次は女子だ。伊東の一眼レフがキラリと光った。
「伊東、雷華が走っている写真が欲しいから沢山撮ってくれ。雷華は12秒台だったから240枚くらいか…」
「そんなに細かく欲しいのか!?パラパラやったら動画になってしまうくらいの枚数だぞ!?」
「仕方ない、妥協して一番いいのを20枚程度頼む。」
「妥協してその枚数って…」
「お、風雅院さんがいるぞ、撮らなくていいのか?」
「撮るに決まってる!!」
速攻で撮り始めている伊東。
あ、何回か他の子も撮ってるな。売るつもりだろうか…
そんなやり取りをしている間に雷華の番になった。
「水鳥の奴、相手が悪いな…」
「どういう事だ、斎藤?」
「水鳥と一緒に走る紅組の女子の中に陸上部の星、俊足のブスこと中川がいる。」
「俊足はいいとしてブスも一緒に異名に着くってただのイジメじゃね?」
「仕方がないじゃないか、ブスなんだから。」
「人をすぐにブス扱いするのはよくな…あ、ほんとにブスだ。」
「な、ブスだろ?」
「ブスっとしたブスなんて初めてみたよ。」
「こっちを見てる水鳥の笑顔と比べちゃうから尚更ブスが際立つわぁ。」
「ちっ、ブスがフレームに入った…後で修正しないと…」
「…お前ら、あまりブスとかキモいとか言ってやるなよ…」
みんなで中川のブス談義をしているなか三山だけは中川を庇っていた。
そんなことしてると中川とフラグが立っちゃうぞ。
おっ、審判員がピストルを真上に上げたから始まるな。
パンッと軽い音がなったと思ったら雷華とブスの新星、中川が飛び出した。
あいつ、ただ者じゃないブスだ!!
最初は並んでいたが徐々に差をつけてくる中川。それと共に雷華との顔面の差も際だってくる
キモッ!!!
きっと見てる人達はみんな同じ気持ちだろう。
そしてなぜか紅組までも白組の雷華を応援する始末…
中川は勝っても負けても地獄だな…いや、負けたら目も当てられないな…
是非とも雷華に勝ってほしくなったぜ!!
「雷華、ファイト!!ご褒美は(俺ができる範囲で)奮発してやるぞ!!」
俺の言葉に雷華(雪、美波も)は眼の色を変えた。
距離も顔面の差も出てきた中川を瞬時に抜かし(抜かしたのは距離だけで顔面は今も中川が独走中。)、そのまま一位でゴールした。
「やったー!!一位だー!!これで一日中、圭人を自由にできるぞー♪」
大声で叫ぶもんだから生徒はもちろん、父兄にまで聞かれているだろう。
俺はそっと姿勢を低くし周りからの視線を避けた。
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負けた中川はもはや人類の域を超えた顔面をさらにぐしゃぐしゃにしながら泣いていた。
「どうして、どうして私は走ることしか出来ないのにどうしてあの子は可愛いししかもイケメンの彼氏までいるのに足まで速いの!!有り得ないわ!!リア充なんてみんな爆発しろ!!」
あんな大きい声であまりにも悲痛な泣き声を聞かされてもあの顔が全てを阻害してただの騒音にしかなっていないのは悲しいな…
生きる公害、中川はその後なぜか風雅院さんに連れられてどこかに行った。
きっと『ヒリア』に入れるんだろう。
そんなことを考えているとご機嫌な雷華が応援席に帰ってきた。
「…最初、手抜いてただろ、雷華?」
「バレた?でも、もう遅いよ、ご褒美はものすごく奮発するって言ったのちゃんと聞いてたからね♪」
「こら、脚色するな。俺のできる範囲で奮発すると言ったんだ。」
「そんなの聞いてないよ!!」
「いや、ちゃんと言った。安心しなよ、ちゃんとご褒美はあげるから。」
「…約束だからね?」
…あぁ、そんな顔するなよ。発作が出るじゃないか。
拗ねた顔があまりにも可愛いため発作を無理矢理に押さえ込まなくてはならなくなった俺を見て斎藤達は、
「才雅、どうした?厨二病か?」
「静まれ、静まれってお前は邪気眼か。」
「いや、ただの可哀想な子だな。」
こっちは必死なんだからちゃちゃを入れんでくれ!!
「そんなことより、圭人、私にもご褒美は有り得ないくらい奮発してくれるんでしょ?」
「私に笑っちゃうくらいの奮発してくれるわよね?」
「…一位になって雷華と同じくらいの奮発でよければね。」
「よし、パン食い競争は私の勝ちね。しかも借り物競争もあるから二回分ももらえちゃうわ♪」
「私も飛び入りでなんか競技に参加しようかしら?」
これ以上頑張らないで!!




