~ヒーローズフェイバリット~カワイイは『正義』!!
「ほら、圭人。触ってもいいんだよ?」
いや、ダメだ。俺には出来ない…
「我慢しなくていいんだよ?」
ダメだ!こんなに人がたくさんいる前で、そんな…
「好きなんでしょ?」
…ダメだ!!ガマン出来ない!!
俺は、俺は…
「可愛いモノが大好きだー!!」
いきなりテンションマックスですが、気にしないで。ちょっとした発作だから。
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今日も授業が終わり、家に帰ってアニソルの続きを見ようと軽くウキウキしているとペットショップが目に入った。
昨日はなかったから新しく出来たんだろう。
「圭人、ペットショップができてるよ。見に行こうよ♪」
「俺はいいよ。3人で行っておいで。」
「何言ってるの、圭人が行かなきゃ意味ないでしょ。」
「う~ん…」
「ほら、入りましょ。」
「美波、引っ張らないでよ!」
そんなこんなでペットショップに入りました。
本当は嫌なんだよなぁ。
「見て、圭人。この子猫可愛くない?」
「こっちの子犬も可愛いよ♪」
「子ぎつねまでいるわよ。こっちは売ってるんじゃなくて保護したって書いてあるけど買いたいくらい可愛いわね♪」
「…そうだね。」
そうやってわいわい見ていたせいか店員さんが触りますかとか言ってくるし。
「キャー♪可愛い♪」
「この子家で飼っちゃだめかな、ねぇ圭人♪」
「キツネの飼い方ってどうすればいいのかな?」
「…」
「ほら、圭人も撫でてみなよ!!」
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てなわけで、可愛い動物達を撫で回している。撫でるだけじゃなく頬ずりまでする。
「はっ!!」
あまりの可愛さにトリップしていたようだ。
店員さんもあまりの変わりようにドン引きしている。
「相変わらず可愛い動物大好きだよね、圭人は。」
「あの可愛がりぶりは尋常じゃないね。よく子猫とか嫌がらないよね。」
「ムツ○ロウさん並みね。」
くそ~、好き勝手言いやがって。可愛いんだからしょうがないじゃないか!!
「可愛いモノは正義だ!!故に、正義は我にあり!!」
「圭人、めちゃくちゃなこと言ってないで一匹くらい触らせてよ。」
「断る。」
「どうせ飼えないんだから早めに離したほうがいいよ。」
「…やだ。」
「圭人、ワガママ言わないの。ほら、店員さんに返して。」
「…仕方ないよね。すみません、長く触ってしまって…」
いいえ、とんでもないですと店員さんは言いながら子猫達をケースに戻していく。
とても寂しい気持ちでいっぱいになってしまった…
「…帰ろう。」
俺はそう言って店を出る。雪達も付き従ってついてくる。
はぁ~。動物飼いたいなぁ~。
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「母さん、動物飼っちゃダメかな?」
「ダメ。」
その日の夕飯時に動物を飼っていいか母さんに聞いたがご覧の通りだ。
「いいじゃないか。子供じゃないんだからちゃんと世話もするよ。」
「もう3匹も飼ってるんだからいいじゃない。」
「雪達をペット扱いするな!!絶対、親が言う台詞じゃないよ!!」
よく本人達がいる前で言えるな…
「って、雪達も顔を赤くさせてないで反論しようよ!!ペット扱いなんだよ!!」
「それにね、薄まるじゃない。」
「何が?」
「圭人の雪ちゃん達への愛情が。」
「だからペット同じ扱いに…」
「駄目ね。」
「却下だね。」
「ペット反対。」
「えぇー!?それで雪達はいいの、俺のペット扱いだよ!?」
「可愛がってくれるなら良いわよ。」
「今日触ってきた子犬くらい可愛がってくれると嬉しいな♪」
「私のトップブリーダーになってね、圭人。」
「三人ともあんなに飼いたいて言ってたじゃないか!!」
「子猫飼ってそっちばっかり構われたらムカつくもん。」
「子犬と散歩行くなら私と出かければいいしね。」
「ペット可愛がるより私を可愛がってほしいし。」
「そう言うことよ、圭人。諦めなさい。」
「…わかったよ。」
クソっどうしてこの家は女性の方が主導権握ってるんだ!!
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食事が終わったあと風呂に入ることになったので雪達には先に入っててもらって俺は部屋に戻って着替えを取りながら一人で思案していた。
ペットは飼えないのか…
もう何度目かわからないため息を吐く。
昔からペットが欲しいと言っても同じ理由で反対されてきた。
今回はうまく行くと思ったけどダメだった。
「卒業したら一人暮らししてペット飼おうかなぁ~」
つい独り言が漏れる。仕方ないよね。可愛いモノは正義なんだから。
「圭人。」
「なに、ゆ…」
俺の目の前に現れたのはネコミミ、ネコしっぽをつけたとても『可愛いいモノ』だった。
「これなら少しはネコを飼ってる気になれると思ってつけてみたんだけど、どう?」
「………」
「圭人?」
「……ぃぃ」
「え?」
「可愛い!!アッー可愛い!!」
「ちょっ、圭人っ。」
俺は剥き出しの本能のままにこの『可愛いモノ』を抱きしめ撫で回す。
撫で回しつつ頬ずりして強く、強く抱きしめる。
可愛い、可愛い、可愛いすぎる!!
昼間と違い、人の目もないから存分に可愛がれる。
抱きしめた腕を緩めて思いっきりキスをする。
キスしているときも抱きしめつつ頭や背中を撫でる。
撫でる、撫でる。
抱きしめる、しめる。
キス、キス、キス。
…はっ!!
またやってしまった…
雪を見てみると目がトロンとしていて口元はうっすらと笑みをこぼしている。
「圭人…」
今度は雪のスイッチが入っちゃったみたいで俺の首に腕を回しつつゆっくりと顔を近づけてくる。
「圭人、雪、まだなの…て何抜け駆けしてるの雪!!」
「先に風呂に行っててとか言いながら何1人で圭人に可愛がってもらってんのよ!!」
「圭人…んっ」
「「聞いてないし!!」」
俺も可愛さのあまりに軽い発作が出てしまったのは悪かったと思うが、とりあえず雪を止めないといつまでもこのままだ。
「雪、ちょっ、待っんっっ!!」
何も聞こえていないらしく雪は俺の唇を貪るようにキスし続ける。
いきなり横からドン、と押された雪は横に倒された。
「圭人、私はどう?可愛い?」
雪を押した張本人である雷華はイヌのタレミミ、イヌしっぽをつけた『可愛いモノ』になり俺にのしかかってくる。
…ヤバい、また…
そう思ったときにはもう雷華を抱きしめ、撫でつつ、頬ずりして、キスしていた。
「圭人、激し、んっ!!」
可愛い、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い。
頭の中が可愛いで埋め尽くされていく。
「圭人、私は?」
頭を思いっきり横に向けられ首がかなり痛い。
痛いが、向いた先にはキツネミミにキツネしっぽの『可愛いモノ』が…
「きゃっ、圭んっっ!!」
こっちの『可愛いモノ』も引き寄せて撫でり、頬ずり、キスり。
「圭人、私も。」
ネコミミの『可愛いモノ』も起き上がってきたからそっちも抱き寄せ、撫で、キスる。
「ほら、やっぱりペットなんていらないじゃない」
いつの間にか扉の前に母さんが立っていたが、腕いっぱいに広がる『可愛いモノ』達に夢中になりすぎていて気付かなかった。
次の日、母さんに一部始終見られていたことを言われ恥ずかしすぎたので可愛いモノを見てもガマンしようと固く誓った。
「圭人、今日はトラミミだよ♪」
「私はウサミミ♪」
「ヒツジの角なんて可愛いと思わない、圭人?」
…ガマンなんて出来るかっっ!!




