~フレンズゲーム~放課後の『遊び』にご注意を
今日も授業が終わり帰り支度をしていると斎藤達に声をかけられた。
「才雅、どっか遊びに行かないか?」
「悪い。雪達に先生の手伝いがあるから少し待ってて、て言われてるんだよ。」
「そうか。それなら仕方ないな。」
本当なら俺も遊びに行きたいが雪達の方が優先順位が高い。
諦めようと思ったが少し閃く。
「なぁ、ヒマなら少し教室で遊ばないか?」
「いいけど、何するんだ?」
「これだ。」
「トランプか。しかもアニソルの。」
「俺も家に大量にある。」
「この前アクセサリー買った時におまけでついてきたんだ。これで遊ぼう。」
「OK。ゲームは何にする?」
「とりあえず、ババ抜きなんてどう?」
「それにしよう。やるなら罰ゲーム付きにしようぜ。」
「どんな罰ゲームにする?」
「負けた奴は一番に上がった奴の命令を聞くってどうだ。」
「いいねぇ。それにしよう。」
「それじゃあ、勝負だ!!」
俺はまだ気づいていなかった…
このゲームの危険性を…
罰ゲームの重さを…
☆★☆★☆★☆★☆
「あ~負けた!」
「じゃあ、斎藤は俺の言うことを何でもするんだな?」
「あんまり無理言うなよ?」
「先ずは…」
☆★☆★☆★☆★☆
「田中先生!!」
「ん?どうした、斎藤?」
「英語の発音でわからないところがあって。」
「俺は英語は専門じゃないがどんな英語だ?」
「『Don't teach in』て言うんですけど何か発音の仕方で意味が変わるらしいんですよね。」
「初めて聞いたな。そんな英語。」
「先生、試しに発音してみてもらっていいですか?」
「いいぞ。『Don't teach in』」
「何か違うような気がするんですよね。もっと抑揚をつけて言ってもらってもいいですか?」
「『Don't↑ teach↓ in↑』」
「もっと英語っぽい発音で強くお願いします!」
「『Don't↑teach↓in↑』」
「最初の方は単節に強く、後半は明瞭に長く発声して下さい!!」
「『ドッ○チ~ン!!』」
「ぶふぁ!!あ、ありがとうございます。」
「あ、ちょっと待て斎藤!!」
☆★☆★☆★☆★☆
「だ、大成功だな、斎藤!!(笑)」
「うまく、い、言わせたな!!(笑)」
「最高!!(笑)」
「ど、どうだ、う、うまく言わせてやったぜ!!(笑)」
「いや~、笑わせてもらったわ。なかなかうまい罰ゲームだろ?」
「影から見てたけど周りね通行人も爆笑してたな。」
「才雅、お前最高だよ!!」
「俺は二度としたくねぇ(笑)」
「じゃあ次行ってみよう!!」
「次は私も入れてもらってもいいよね?」
「ゆ、雪達。早かったね。」
「そんなことより私も混ぜてよ。罰ゲーム付きなんでしょ?」
「雷華、な、何でそれを!?」
「それは手伝いが終わって教室に戻ってるときに圭人達が隠れて何かしてるからずっと見てたんだよ。」
「き、気付かなかった…」
「だから入れてもらうよ、圭人?」
こ、これはちょっとマズい…
どんな罰ゲームが来るかある程度予想つくけど、ろくでもないことになるのは目に見えてる!!
「そ、そろそろ家に帰って伊東から借りたアニソルを見るかなぁ…」
「ダメ。私も途中まで一緒に見てるんだから。ゲームをしてから帰ればいいでしょ?」
「きょ、今日は俺が料理作るから材料買いに行かないと!!」
「材料なら昨日買ってあるし圭人は料理できないでしょ?」
「ぱ、パズルの続きが…」
「それは大変!早く罰ゲームを受けて家に帰らないとね、圭人。」
クソッ、どうしても俺に罰ゲームを食らわせたいのかよ!!
斎藤達、助け…ダメだ!!完全に諦めろって目で見てる!!
友達を見捨てないで!!
「話しは聞かせてもらったわ!!」
「風雅院さん、何でここに…」
「廊下歩いてたらあなた達がイタズラに成功した悪ガキみたいな顔で走ってたから後をつけたんだけど本当に悪ガキだったみたいね。」
「悪いこと何てしていません。実際、誰も傷ついてないですし。」
「そこら辺が悪ガキだって言ってるの。田中先生が超鈍感な類人猿だとしても教師をバカにした行為をしていいってことにならないでしょ?」
「…はい。」
流石に生徒会長で年上なだけないな。
正論すぎて何も言えない。
どんなに正論の中に田中先生への侮辱を混ぜていても反論を許さないオーラを出しているし。
「わかったなら、続きをしましょう。」
「「「「えっ!?」」」」
「何?」
「いや、やめさせにきたんじゃないんですか!?」
「違うわよ。面白そうだから混ぜてもらおうと思ったのよ。『Don't teach in』何てうまいこと言わせたわね。私も爆笑よ。」
「ちょっと、何であなたを入れないといけないんですか?」
「そうですよ、とっとと裏山のアジト行ってミサでも開いてればいいじゃないですか。」
「教祖様はランランルーとでも言っていればいいんですよ。」
「あらあら、邪険に扱われるのは頂けないわね。しょうがない、私はドロンさせてもらうわ。」
「待ちなさい!!何勝手に圭人連れて行こうとしてるんですか!!」
「その手を話しなさい、変態指導者!!」
「全く油断も隙もないわ。」
「とか言いながら美波も圭人の腕を取ってどこ行こうとしてんのよ!!最近抜け駆けしすぎよ!!」
「そうだよ!!圭人と隣町まで一緒に行った話しだってまだしてないんだから!!」
「あっーわかった!!やろう!みんなでやろう!」
「…才雅、いいのか?」
「…こうなったらやるしかない。大丈夫。負けなきゃいいんだ。」
「…リスキーなゲームに変わっちまったな…」
「…危険な香りがする。」
「「「「さぁ、始めるわよ!!」」」」
こうして、和気あいあいとした放課後の遊びは危険を孕んだ魔のゲームに突入した。
☆★☆★☆★☆★☆
「みんなカードは行った?じゃあ始めよう。」
ババ抜きは相手のカードを抜き自分の持っているカードと同じ数字があればそれを捨てていき、手札が無くなれば勝利の簡単なゲームだ。
こんなに人数がいるんだからなかなか欲しいカードを手にするのは難しいだろう。
これなら俺が負ける可能性は下がるはず!!
「あ、私上がり。」
「えぇ!?まだカード引いてないよね!!」
「全部カードが同じペアだったから。圭人にどんな命令するか楽しみだな♪」
「俺はまだ負けてない!!」
「時間の問題よ。大丈夫、優しくするから♪」
雪はみんなの前で何をさせようとしているんだろうか…
「俺上がりだわ。」
「俺もだ。」
「同じく。」
「私もあっがり♪」
「私も上がりだわ。」
みんなトントン拍子に上がっていく。
てか1人6~7枚は少なすぎる!!
「…勝負です、風雅院さん!!」
「私が勝つわよ、圭人君。」
うわっ!!雪達すごい形相で睨んでる!!
斎藤達に俺を名前で呼ばさなくてよかった…
てか風雅院さんも涼しい顔で受け流してるとかどんな胆力だよ…
「行きます!!」
俺は思い切って右のカードを引いた。
「っしゃー!!上がったー!!」
「あら、残念。」
やった!!やったよ!!明日はホームランボールを無理やりキャッチだ!!
「え~圭人勝っちゃたの~つまんない~。」
「雪、これが実力だよ(キリッ」
「才雅、その決め顔ないわ~」
「その顔なら必ず非リアだな。」
「キモンスター圭人誕生。」
今の俺に何を言っても無駄だよ、皆の衆。
「じゃあ~ヒリアには学校中『ランランルー』て言いながら走ってもらうわ~」
「ぐっ、負けたのはいいとしても適当に罰ゲーム決められてると思うと腹立たしいわ…」
「早く行ってきてよね~。」
「わかったわよ!!」
そう言って風雅院さんは走って行った。
遠くから『ランランルー!!』と聞こえてくるのがシュールだ。
「じゃあ次行きましょ。」
「まだ風雅院さん戻ってきてないよ。」
「どうせ途中で生徒指導の先生に捕まるんだからいいわよ。カード配るわね。」
「いいのかなぁ…」
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「さぁ、圭人覚悟はいいわね?」
「…お手柔らかに。」
負けました。しかも勝ったのは美波。
美波はいつもトドメを刺すから一番恐ろしい…
「圭人、私にキスして。強く抱き締めながら情熱的にね。」
「「チッ」」
雪と雷華が怖いぜ…
斎藤達は興味津々だし…カメラ構えんな!!
「ほら、早く。」
こうなったらヤケだ!!
俺は思いっきり美波にキスをした。強く抱きしめて唇に吸い付いたり、舌を入れたり絡ませたりをこれでもかって位した後ゆっくり離すと美波は焦点の合っていないとろけた顔で俺を見ている。
何とも幸せそうな顔の美波を見てしかめっ面の雪と雷華。
あまりの激しさに驚く斎藤達。(カメラは回したまんまだ。)
「…流石にもう日が落ちてきたから帰ろう。」
「…そうだね、圭人。続きは家でゆっくりとね…」
「何言ってんのよ美波!!次は私の番よ!!」
「…圭人…んっ…」
「雷華も何抜け駆けしてるの!!離れなさい!!タコみたいに唇に吸い付いてないで離れなさい!!」
「…アツいな。」
「…俺は清楚な子とつき合えるように頑張ろう。」
「…慎みは大事。」
初めての友達との楽しい放課後は俺への羞恥プレイとなって終わった…
余談だが風雅院さんは生徒指導室で生徒指導の先生に泣きながらの説教を食らったそうだ。
…生徒会長がランランルーとか言って走ってたらそうなるか…




