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俺は部活に入らない!!~伏見雪編~


 この作品がジャンル別日刊24位になってました。


 私の作品を読んでいただきありがとうございます。


 ポイントやお気に入り登録して頂いた方には感謝の一言に尽きます。


 公平なるジャンケンの結果、今日は雪と回ることになった。


「結構な部活の数だな。」


「そうだね、部室とか取れてるのかな?」


 今見てるのは部活一覧の紙でメジャーな部活から、個人的な趣向で作ったであろう同好会など結構な数がある。


 流石に今日だけで全部見て回るのは無理だな。


「雪、見たい部活ある?」


「もう決まってるよ、行こ♪」


 いつもよりも輝く笑顔を俺に振りまき、おもむろに俺の腕に自分の腕を組んで歩き始めた。


 俺は仕方ないなぁと思う反面、周りの目が気になっていた。


 ニヤニヤした嫌らしい笑みを浮かべて俺達をみてヒソヒソと何か話している。


 それはまだいいのだが、中には、


「チッ、リア充が見せつけやがって…」

「ちょっとリア充が死ぬ呪い作ってくる。」

「俺も昔はあれくらいやったもんだ。」


 などなどあった。


 てか、一番最後の奴はドテチ○じゃねぇか!!


 絶対嘘だろ!!本当だとしてもジャイ○かブ○ゴリラ(雌)並みの奴じゃないのか?バランス的に。


 などと考えてると、軽快な音楽が聞こえてきた。


 これは軽音部の演奏だろう。結構うまいと素人の俺でも何となく分かる。


「着いたよ。」


「軽音部か、楽しめそうだな。」


 俺達は軽音部の部室に入った。


 演奏中ということで扉を静かに開けて、中に入り閉める。


 やはり軽音部は人気があるな。人が結構いる。


 別に入部する気のない俺は、後ろの方で演奏を聞くことにした。


 雪はまだ俺に腕を絡ませたままでいるから目立ってしょうがない。


 演奏が終わり、部長らしき男子が、


「じゃあギター触ってみてもらいましょう。」


 と、言った。


 客をだいたい見ていたら俺と目があった。


 何かイラッとした顔をした後、ニヤリと笑って、


「じゃあ、そこの君、前に来て。」


 と、指を指された。


 俺は前にいる男子に、


「君、呼ばれてるから行きな。」


 と、言って壇上に行くように促す。


 彼は戸惑いながらも前に行った。部長らしき男子は複雑な顔をしながらも弾き方を教えている。


 あんな見え透いた事に誰が乗ってやるか、バーカ。


 だいたい分かったので雪を促し、部屋を出る。


「軽音部は楽しそうだったけど、部長があれじゃあね。個人でやったほうがマシだよ。」


「そうそう、アイツ絶対圭人に気があったよ。非生産的な奴よね。」


 それこそ絶対ねぇよ。男同士の恋愛は確かに非生産的だが。





☆★☆★☆★☆★☆


「次はどこみたい?」


「次はこっち。」


 雪に導かれながら廊下を歩く。


 相変わらず視線が気になるけど雪はご機嫌で歩いていて、その姿が何となく尻尾を揺らしながら歩くネコみたいで可愛く見える。


 歩いていると、また音楽が聞こえてくる。


 この曲は多分『散歩』だと思う。それと何故かザッザッと規則正しい足音も聞こえてくる。


「次はここだよ。」


「ワンダーフォーゲル部か。知ってるか、雪。ワンダーフォーゲルてドイツ語で渡り鳥って意味らしいよ。山なのに海を渡るとかどんな矛盾だよって感じだよね。」


「日本は海に囲まれてるからそう思うだけでドイツは違うんじゃない?陸続きだし。」


「確かにそうだね。」


 雪はいつも落ち着いている。


 雪と一緒にいる時が、一番落ち着いた時間を過ごせる。



 気配りも出来るし家事全般もお手の物。


 こういうとこって男にとってはポイント高いよね。


 そんなことを思いつつ、今回も扉をゆっくり開けて…中に入らず閉める。


「どうしたの?」


 雪は小首を傾げて問いかける。俺は首を横に振る。


「ダメだ。ここじゃ雪とのゆっくりとした時間は送れない。」


「何をしてたの?」


「いや、見なかったことにしたいから次に行こう。」


 雪は気になってるようだったが、次の場所に向かうようだ。


 あれは見るもんじゃない。


 ゴツムサい男達がキラキラした目で『散歩』を歌いながら足踏みしてる姿なんて現実に現れた悪夢そのものでしかない。


☆★☆★☆★☆★☆


 廊下、歩く歩く。

 人が、ニヤニヤ。

 送られる、呪詛呪詛。


 と、まぁどこ歩いてもそんな感じ。


 それにしても、軽音部にワンダーフォーゲル部ってどっかで聞いた組み合わせだな。どこでだろう?


 考えてると、何やら聞き覚えのあるBGMが聞こえてくる。


「着いたよ。」


「ここはもしや…やっぱり、橋田壽賀○研究会じゃないか!!」


 今部室の目の前でハッキリと聞こえる渡る鬼が世間を跋扈しそうなBGM。


 プラス、何やら話し声も聞こえる。


 今回もゆっくり扉を開けて中を見たら…驚愕した。


「そんなこと言ってもしょうがないじゃないか~」


 まぁ、こいつはいい。


 えなりかず○役をやっていて、こんな27点の物まねとわざわざセロテープで目尻を下げてるとこも、まぁ、いい。


 問題はその演劇をイスに座って見てる○田壽賀子の群れの方だ。


 みんな、想像してみて欲しい。


 27点のえ○りとそれを横一列に並ぶ大量の壽賀○を。


 27点の○なりの滑稽さも吹き飛ぶ衝撃だ。


 よく見ると壽○子の群れの中に葛西さんがいた。


 葛西さん、やっぱりいたんだね…


 それと葛西さん、葛西さんの○賀子姿は1人だけディテールに凝り過ぎて浮まくりだよ。てかリアル過ぎてキモイよ。


 俺は静かに扉を閉めた。


 もう二度とここの扉を開けることが無いようにしたい。ワンダーフォーゲル部も同様に。


「どうしたの、圭人?また閉めちゃって。」


「…雪、今日は一緒にお茶を飲みに行こう。雪とはゆっくりとした時間を送りたいから。」


「?私はいいよ?じゃあいつもの喫茶店に行こっか♪」


 こうして俺達は部活見学を途中で切り上げて喫茶店でゆっくりとした時間を楽しんだ。


 軽くデートしたことは雷華と美波には内緒だ。



 更新は書けたらすぐ投稿します。


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