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『赤毛猫海賊団 カタリナの野望』 ~カタリナ様はワガママ貫き通すってよ~  作者: ひろの
第2章 カタリナ、ついでに内乱鎮めとく  ~ イケメン海賊団編 ~

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第43話 ゴミ掃除をするぞ!

「よし、みんなが来る前にゴミ掃除だ!

 第5惑星ニャルガレーモを私達で制圧しに行くぞ!」


カタリナのいつも通りの無責任な号令に皆が気合を入れた。


「おー!……うぃっぷ。」


「ねぇ、ジーナ、まずは酔いを醒ましなよ!」


「はぁ?副団長!酔ってらんかいないっスよ。

 それにねぇ、少しアルコールが入った方が操舵も安定するっス!

 ぷはぁ!!」


サクラモカの心配に対して、ジーナが臭い息で応じた。


「うぇ、くっせ!」


「ぎゃはは!ジーナ、お前、端から見てると面白いな!」


「おねーちゃん!ジーナが調子に乗るからやめて!!」


「いいって、いいって。ジーナ、最初はどれから狙うの?」


「そうっスね。黒泡海賊団っスね。

 団長はバルボ・スパークっスね。」


「OK!じゃあ、そいつから!」


「おねーちゃん!ジーナ!待って!ノリで決めんな!

 どんな奴ら?戦力は?」


「雑魚っス。コルベット3隻、団員は120人ってとこっス。」


「雑魚だな。」


カタリナがつまらなそうに頷く。

モカも乗せられそうになる。


「うん、雑魚だな……なわけねーだろ!馬鹿か、お前ら!

 うちらの3倍じゃん!敵の数は8倍じゃねーか!

 どこが雑魚だよ!頭沸いてるだろ!!」


「ん~、最近、モカの口が悪い。こんな子に育てた覚えはないのに。」


「おねーちゃんに育てられてなくって、ホントよかったわ!もう!

 確かに今までの奴らと比べたら雑魚よ?

 でも、今の現状を考えろ!」


カタリナは不服そうに歩き回っている。


「ちゃんと作戦を考えるぞ!

 いきなり8倍の敵に真正面から当たるな!」


サクラモカが捲し立てる間に、ゆっくりとサクラモカの後ろに回り込んでいたカタリナが、急にロープでサクラモカをぐるぐる巻きに縛り上げて、抱え上げた。


「あ、こら!おねーちゃん!何するの!?」


「ジーナ、行くぞ!モカはうるさいからこのまま連れてくわ!」


「ラジャーっス!」


「おい!待て!待ってよ!おねーちゃん!!

 クレイジーすぎるだろが!!」


・・・

・・


「作戦会議するぞ!」


「おぉーっス!うぃっ。飲んでても気にしないでくださいっス。

 ちゃんと理解できるっス。」


「ん?まぁいいや。とりあえず、作戦はこうだ!

 どーんって行ってズバババンと撃って。

 ドカーンとやっつける!」


「はははは!団長、それいいっスね!

 何か勝てる気がしてきました!」


「おい!馬鹿と酔っ払い!ふっざけんな!

 なんだそりゃ、どーん?

 ズバババン?

 意味わかんねーよ!

 いいから縄を外せ!

 もう反対しないから。」


モカが呆れ果ててとりあえず腹をくくったようだ。


「そう?ズバババンっで十分じゃない?」


「……。」


「ごめんごめんよ、妹~!最近怖いよ」


慌てて縄を解くと、モカは身体中を動かして凝りを取った。


「はぁ、もう。

 おねーちゃん達が素直に言うこと聞くと思ったのが間違いだったわ。

 やると決めたらどんなバカでもやるし!」


「バカっていうなよぉ。本気で考えてるんだぞ。ズバババン!」


「分かった分かった。もういい!

 おねーちゃんのいう通り、どーん、ドカーンでいくから。」


「なんだ、モカ、お前もどーん、ドカーンを認めてるじゃん。」


「認めてない!私はちゃんと考えてるの!

 バッカニア号は最弱のコルベット型戦闘艦。

 だけど、住居と比べたら比べ物にならないくらい頑丈よ。」


「ん?そりゃそうだ。」


「だからこいつを黒泡海賊団のアジトの墜落させるの。

 熱源探知されるといけないから、しっかりと計算して自由落下。」


「まてまて!

 その突撃はどーん、ドカーンで派手だから面白いけど中にいる私らが死ぬってば!」


「中にいるまま墜落する訳ないでしょ!

 私達は直前にパラシュート落下するの。

 そしてバッカニア号が不時着してアジトの建物を

 なぎ倒している隙に、奴らのコルベットを奪うの!

 5人ずつ分乗ね。

 そしてその3隻のコルベットで、混乱して出てきた海賊達を

 ズバババンって撃って脅せば降伏するわよ!」


「おぉ!!凄いな!!私のプラン通りじゃん!

 モカ、偉そうに言ってるけど、これ、私の案だよ。」


「ちゃうわ!!おねーちゃんだとこの作戦立てられないでしょ!

 自由落下ってことは大気圏突入角度とスピード、他色々な条件。

 全て考慮して突入し、エンジンを切る必要がある。

 その計算できるの?」


「でき………る………………………………気がしない。」


「でしょ!私に感謝してよね!

 おねーちゃんの馬鹿みたいな作戦を現実的にしてるんだから!」


「感謝はしてるってばさ。」


「あのぉ……副団長、うぃひっく。

 私のバッカニア号、大破しません?」


「大丈夫、中破くらいで済むんじゃない?

 それに大破したら捨てれば良いでしょ?

 どうせ3隻奪うんだし。」


「いやいやいや、バーカウンターとかビールサーバとか!

 この船はスペシャル装備持ってるんっスよ!」


「しらん、どうでもいいわ!」


「うん、どうでもいい。」


「団長ぉ、副団長ひどーい!」


結局その作戦でいくことになった。

ぶーすか文句を垂れていたジーナも飲みが進めばテンションが上がってどうでもよくなったようだ。


・ ・ ・


「さて、見えたわ。

 みんなパラシュートの準備はいい?

 3分後に落下よ!」


モカが事前に計算したルートで自動操縦モードに切り替えた。

あとはAIが最適な運航で不時着してくれるはずだ。


「おねーちゃん。号令!」


「よーし、お前らー!行くぞー!!!」

挿絵(By みてみん)

…はぁぁぁ。もう、溜め息しか出ないわ。

副団長のサクラモカよ。みんな、この滅茶苦茶な展開についてこれてる?


聞いてよ!おねーちゃんのあの号令!「ゴミ掃除」って何よ!相手は私たちの8倍の人数がいるのよ?それを「雑魚」って言い切るジーナもジーナよ。酔っ払いのアルコール濃度、脳みそまで侵食してるんじゃないかしら?


挙句の果てに、おねーちゃんの作戦が**「どーん、ズバババン、ドカーン」よ? …もう、一瞬だけ「あ、この人たちと一緒にいたら死ぬわ」って本気で悟りを開きそうになったわ。しかも、意見を言おうとしたらロープでぐるぐる巻き**にして拉致監禁よ!?実の妹に対してやることじゃないでしょ!


でも、もっと悔しいのはね。 そんなバカみたいな「どーん」を、完璧な自由落下戦術に変換して、実行可能なプランにまとめ上げちゃう自分の軍事的天才ぶりよ!


おねーちゃんは「自分の案だ」とか言ってるけど、大気圏突入の角度計算も、摩擦熱の制御も、全部私の頭脳がやってるんだからね!私の計算が1ミリでも狂ったら、私たちは今頃、銀河の塵になってるんだから!感謝してよね、ホント!


それとジーナ! 「ビールサーバーがー!」とか泣きついてきたけど、知るわけないでしょ! バッカニア号を質量兵器として叩きつける快感に比べれば、お酒の備え付けなんて些細なことよ。…あ、今のちょっとおねーちゃんっぽかったかしら?嫌だ、移っちゃったじゃない!


とにかく、今、私たちは空の上。 3分後にはパラシュートで飛び降りて、混乱する敵のアジトを強襲して、コルベットを奪い取るわ。


無謀?狂ってる? ええ、わかってるわよ。でもね、おねーちゃんの「バカ」を「伝説」に変えられるのは、この銀河で私だけなの。


さあ、いよいよ降下開始よ! 不時着するバッカニア号がどれだけド派手にアジトをなぎ倒すか、みんなもしっかり見届けてよね!


次話、「ズバババン」が本当に成功するかどうか……私の計算を信じなさい! じゃあ、行ってくるわ!


(あ、ちょっとおねーちゃん!パラシュートの紐、絡まってるわよ!もう、私がいないと何にもできないんだから!!)

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