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『赤毛猫海賊団 カタリナの野望』 ~カタリナ様はワガママ貫き通すってよ~  作者: ひろの
第1章 カタリナ、ついでに弩級戦艦もらっとく  ~ 弩級戦艦 2号 強奪編 ~

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39話 また突き落としていい?

激しい戦闘を終えて、赤毛猫海賊団は凱旋した。


カタリナが目を覚まして、サクラモカやミネがいるところにあくびをしながら現れた。


「はぁあああ。よく寝たよ。で、上手くいった?」


「うん、上手くいったよ。

 ほとんど壊れることなく奪い取った。

 今、乗っているのが弩級戦艦ニァラティールよ。

 クラーニャ星系基地に向かってる。」


「そっかー!よっしゃあ!

 ……あっそうだ。名前、考えないとね。

 ニァラティールも、まぁ可愛いっていや、可愛いけどね。

 何しようかな??」


ウッキウッキのニッコニッコでカタリナが頭を悩ませている。

そんな中、ミネが『やっちまったー!!』というような顔をしているのをサクラモカは見逃さなかった。


「ん?ミネ、どうしたの?」


「いや、その……強奪時、この船の管理者権限を切り替える際に、ハッキングの都合で艦名を変える必要があって…。」


「え?」


カタリナとサクラモカが怪訝な顔でミネを見つめた。


「艦名に管理者権限が紐づいているので、変える必要があって………。

 また奪われても困るのでこの艦の人工知能に変更不可の形で管理者権限を焼き付けました。」


カタリナが不安1000%の顔で、慌てながら問い返す。


「そんなこと聞いてない……何て名前にしたの!?

 ネコパンチはヤダよぉ!?」


「いえ、そんなダサい名前にはしていません。

 ちゃんとカタリナ様風の名前にしました。」


サクラモカが少しムッとした。


「ほっ。よかった。

 ならいいけど、何?クィーン・ディザスター号とか、レディ・オブリタレーション 号とかかな?」


「え?そんなのが良かったんですか?

 ……カタリナ様ならこれかと……。」


タブレットを操作して弩級戦艦ニァラティールのホログラフが表示される。

その下に艦名が記載されていた。


”エンジェル・メッタメタ”


ぷっ!サクラモカが盛大に噴き出した。

カタリナの顔から血の気が引いて蒼白になる。


「弩級戦艦 エンジェル・メッタメタ号です。

 略してメッタメタ号。」


ミネが誇らしげに答えた。滅多滅多に破壊するカタリナらしさを表現したらしい。


「ネッ……ネコパンチの方が、まだ可愛かった………。」


だが、1隻目を無駄にした手前、文句を言えないカタリナだった。

そこで、ふと気づく。またも上半身裸でロープぐるぐる巻きにされたレティが、団員からあーんでご飯を食べさせてもらって至福の表情をしていた。


「おっ……美味しぃ……」


「あ、レティ、なんで居るの?」


「あ!?カタリナぁ!よくもお前!!!私の服をっ!!!」


二人の間にミネが割り込んだ。


「いえ、今回の立役者でもあるレティさんにはお礼にご飯でもご馳走しようと思いまして。

 もう少ししたらオーシャン号が合流するので、クラーニャの宇宙基地までお送りします。」


「あ~そうかい。まぁ、そうだね。

 私が実力を0.01%まで抑えたおかげで勝利できたのに、自分の実力と勘違いしてドヤ顔で勝利宣言してくれたから、あのポンコツ提督が油断してくれたんだもんな!」


青筋を立ててレティが怒る!


「嘘つけ!あんた、200%の力を出してたじゃない!

 わかってるんだからね!

 それでいて、50%の力しか出してない、私に完敗したじゃない!!」


今度はカタリナもムッとする。


「はぁ?演技に気づかないなんて三流だな。

 そのあと私のうんこ作戦にひっかかって、絶壁晒してたじゃん!

 それが全てを物語ってるよ!」


「はぁ……?!人が食事中にうんこの話すんな!

 ミネさんの料理が不味くなるだろうが!!

 所詮あんたは卑劣なだまし討ちしないと、私には勝てなかったのよ!!」


ヒューヒューヒュー。カタリナはバカみたいな顔をして口笛を吹いて挑発する。


「負け犬の遠吠えは聞こえませーン!」


「きぃぃぃ!」


手でやれやれといった素振りをしたサクラモカとミネが席を立った。


「おねーちゃん、私、艦橋に行ってくるね。

 色々やることがあるから。レティちゃんと喧嘩しちゃだめだよ。」


「私も備品の確認をしてきます。

 敵の武装もそのまま頂けたので、最新の帝国軍装備を見るのは楽しみです。

 レティさん、そこにおかわりはありますので、存分にお楽しみください。」


「あ。ありがとうございます。ミネさん。」


レティは丁寧にお礼を言った。多分、育ちは良い。

二人が居なくなったのをみて、カタリナがペンをもってレティに近づく。


「さーて、髭でも描くかなぁ!」


「まっまて!あんた、精神年齢3歳かよ!?」


「絶壁年齢3歳に言われたくないわね。」


「きぃぃぃ!!!」


二人が子供みたいにじゃれ合っていると、オーシャン号が到着し、マリーナ船長が顔をだした。


「あ、団長、お疲れ様です。レティさんをお送りするように副団長から指示を受けています。」


「うんうん、聞いてる。私もついていくよ。」


「あんたは来なくていい!!」


嫌シバが散歩拒否で座り込んでいるところを、主人に引きずられていくように、カタリナはレティを引きずってオーシャン号に向かった。


「私は別に構わないんですが……。」


マリーナはそう言いながらチラッと同情の眼差しをレティに向けた。


・・・

・・


カタリナとレティが向かい合って座っている。


「ねぇ、レティ。お前、物知りだよね。」


「え?えぇ、もちろん!」


まんざらでもなく頷くレティ。


「この国で危険な海賊とか、危険な星系とかどこなのかな?

 お前も結構そう言う所で活躍してるんだろ?」


「まぁ、そうよ!私は対賊将官の中でも有望だからね!

 うーん、そうね。

 私が個人的に今一番、危険視しているのは、シルバーランス海賊団の船長、慈愛の断罪者の二つ名を持つ、ルキウス・ヴィクターね。」


「ルキウス?」


「えぇ、伯爵レベルの私設艦隊ぐらい、バランスの良い海賊船団を保持しているわ、

 なによりルキウス自身がイケメンで悪徳貴族ばかりを狙っていて、民衆に人気なのよ。」


「なんか胡散臭いね。」


「そう!胡散臭いの。私も何かありそうな気がするわ。

 そいつはペドローニャン星系を根城にしているの。

 ペドロ―ニャン星系は居住可能惑星が多いんだけど、その領主のエルノ・グラシェ公爵がとんでもない悪党で、重税と労役をかけるせいで、民衆は疲弊し、いくつかの植民惑星はほぼ無人のようになっているみたい。おかげで海賊のアジトも多いわ。」


「へぇ……。引っ越すにはちょうどいいかもなぁ。」


「ん?」


「あ、いやいや、何でもない。こっちの話。で、他には?」


「うん、そのエルノ・グラシェ公爵が神聖帝国に謀反を起こそうとしているという噂もあって。

 内乱の危機みたいよ。

 だからこそ、さらに危険な星系だとも言えるわ。」


「そうかぁ。レティも大変だな!頑張らないとな!

 でもお前ならその何とかっていう海賊も、エロい公爵の内乱もちょちょいと解決できそうだな!

 超優秀だし!」


「ルキウスと”エルノ”な。

 あぁ。そうだよ。私は超優秀だからな!

 私しか、それをどうにかできる者はいないかもしれない!

 カタリナ、あんた意外と分かってるね!」


「はははは!私はよくわかってる奴だよ!

 レティ、面白い話をありがとうね!お前、ホント親友だわ!

 ところで着いたみたいだよ!」


「え?まだ海上だけど。

 今回はちゃんと宇宙港まで送ってくれるってはずじゃ………?」


ニヤリとカタリナが笑った。


またも嫌シバ状態で引きずられていくレティ、再びハッチの際に立たされた。


「カタリナ!

 お前……私を、また人食い鮫の巣窟とかで、騙して笑う気だな?!

 今回は騙されないぞ!!」


カタリナがいやらしーく笑う。


「下見てみなよ。」


下をみると海原が広がっている。再び1kmほどの所に陸地が見える。

だが、よく見ると真下の海には複数の背びれがウロウロ泳ぎ回っていた。

レティはおしっこをちびりそうになりながらも、何とか耐えて問い返した。


「あ……あの……カタリナ、じょ……冗談だよね?」


「様っ!」


「カタリナ様……じょっ冗談ですよね?」


ゆっくりとレティは振り返ってもう一度海原をみる。

相変わらずコルベットを追いかけるように複数の背びれがウロウロしている。


レティが涙を溜めながら振り返った。


「カタリナ様、ひっ人には、やっていいこととやってよくないことがあるんですよ??」


カタリナは目を細めてニッコリと笑っている。


再びレティが海原を見る。


ドン! 蹴り落とされた。


「ぎゃあぁあああぁぁあああ?!ひーとーでーなーしー!!!」


ドボン!再び水溶性のロープが溶けた。レティは死に物狂いで陸に向けて泳いだ。

息継ぎを忘れるくらいの勢いで泳いだ。だがふと目を開けるとレティに並走して泳ぐイルカの群れが。


ぶはぁっ!息継ぎして立ち泳ぎする。そのまわりをイルカが楽しそうに泳ぎ回っている。


「レティ、ここはイルカと遊べるリゾート地だよー!!」


カタリナは叫びながら、去っていった。


「くっくそ…ちびりそうだった……。絶対捕まえて縛り首にしてやる!!」


レティはイルカと並走して泳ぎ切ってビーチに到達する。


ざぱぁ。


足をついて経とうとして慌てて胸を押さえた。

周りの観光客も少し照れくさそうにその姿を見た。


胸を押さえながら顔を真っ赤にして走り去ろうとすると、ライフセイバーがバスタオルを持ってきて被せてくれた。


泣きながらお礼を言って、レティは走り去った。


「あの子、無理して大きいカップを付けたせいで流されたんだろうな……。」


ライフセイバーの独り言、完全に風評被害だ。



カタリナは、ワクワクしながら星系基地に向かっていた。


「ふふふ!引っ越し先決まった! 次はペドロ―ニャン星系だな。モカにつたえなきゃ!」

挿絵(By みてみん)

やっほー!カタリナだよ!


みんな、聞いて聞いて!また弩級戦艦ゲットしちゃったよー!

日頃の行いがいいと、棚から牡丹餅どころか弩級戦艦まで落ちてきちゃうよ。


でもさー、ミネのやつ、ひどいんだよ!

私が寝てる間に、勝手に船の名前を変えちゃったの!**「エンジェル・メッタメタ号」**だってさ!

ひどくない!?ネコパンチの方がまだ可愛かったのに!


…まぁ、前回スクラップにしちゃったから、文句は言えないんだけどさ……。


んでさ、またレティを海にドーン!ってやっちゃった!

あいつ、おもしろいよね!いつも泣きながら落ちていくんだよ!もうね、コメディアンだよ、あいつー!


でもね、レティは物知りだから助かるんだ!

シルバーランス海賊団とか、公爵の謀反とか、なんか面白そうな話ばっかり!

よし、決めた!次のアジトは、そのペドロ―ニャン星系に引っ越しだ!

新しい場所で、新しい敵と、新しいお宝探し!ワクワクが止まらないよ!


みんな、**「エンジェル・メッタメタ号」**での初めての冒険、楽しみにしててね!

感想とか、新しい船で何して欲しいかとか、いっぱい教えてくれると嬉しいな!


じゃあね!またすぐ会おうね!

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