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『赤毛猫海賊団 カタリナの野望』 ~カタリナ様はワガママ貫き通すってよ~  作者: ひろの
第1章 カタリナ、ついでに弩級戦艦もらっとく  ~ 弩級戦艦 強奪編 ~

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第23話 地下に潜っていい?

カタリナたちを送り出したサクラモカは、迷うことなく急いでコタの元を訪れた。

ノックをして、部屋に入る。


「コタ!私は何を……え?」


コタは長期で出かけるための用意をしていた。


「コタ、どこかに行くの??」


「はい、反物質ミサイルは比較的手に入りやすい部類でしたが、それとは別のものとなると、少々骨が折れます。しばらくの間、私めは地下に潜ることになります。」


「は……?待って……待って待って。

 どういう意味?相当ヤバイものに手を出すってこと?」


「そうですね。

 やばいと言えばやばいですが、いつも通りと言えばいつも通りです。」


サクラモカが困惑した表情をした。


「コタにも無理はしてほしくないんだけど。」


「大丈夫ですよ。

 先ほども申しました通り、いつも通りにございます。

 ふっふっふ。反物質に変わるサプライズ兵器、楽しみにしていてください。」


「……。危険じゃないんでしょうね?」


「はい、危険と言えば危険ですが、いつも通りと言えばいつも通りなので御心配には及びません。」


「……。わかった。コタを信じる。私は何をしたらいい?」


「はい、これから様々なものを入手して、モカ様名義でこちらに送付します。

 お受け取り下さい。

 一部ポンコツ巡洋艦などは、軍港の方へ手配しておきます。

 設置方法や使い方、準備手順などは全て団員の方へ私から指示しますので、モカ様は特に気になさることはございません。

 ただ、現地での細かなフォローはお願いいたしたく存じます。」


「わかったわ。私にできることならやる。」


「では二つ目、会社の件です。

 私の目が離れますが、既に会社経営に関しては、これも才能がある団員の方々に引き継ぎは行っております。

 彼女達に任せておけば大丈夫です。

 モカ様を代表取締役副社長にしてあります。

 旦那様が、もし暴走なさいましたら止めてください。

 秘書の団員の皆さまは優秀ですが、さすがに旦那様には逆らえません。

 取締役社長は旦那様でございますが、代表権はモカ様にあります。

 旦那様には口出しさせないようにお願いいたします。」


「わかった。お父さんは最強クラスの無能だから注意は怠らないようにしておくよ。」


コタはにっこりと笑う。


「モカ様は本当に立派にご成長なさいましたね。それでは3つ目です。」


モカが少し照れながら頷いた。


「ここをご覧ください。ここに我が社の教育センターを設立してあります。」


「はぁ……?大企業かよっ!?」


瞬時にぺしっ!と手の甲でツッコミを入れる。


カタリナがいなくても、いつものサクラモカのツッコミ芸が冴える。


「ほっほっほ。教育センターとは名ばかりでございます。

 実態は、赤毛猫海賊団の団員を育成するための訓練施設でございます。

 スラムの身寄りのない戦災孤児達が最近海賊達によって攫われて奴隷として売られているというのはご存知ですか?

 私が、団員の中から任命した特殊部隊大臣の皆様にお願いして、そういう子達を保護して、現在教育や訓練を受けさせております。

 また、もちろんですが、お嬢様たちへの忠誠心を洗脳中です。」


「いや、待て待て、途中までいい話に聞こえた。最後、何?!」


「その子達の様子も見に行ってあげて欲しいのです。」


「無視かーい!!」


ぺしぺしっ。サクラモカがツッコミを連打しているが、コタはぶれない。


「弩級戦艦を運用するためには最低でも300名は必要です。

 団員の拡充は急務なのでございます。」


「……いや、分かってるけど、洗脳とかは良いから。

 みんな好きで私達に付き合ってくれる。それが一番なんだから。」


「ほっほっほ。分かりました。洗脳はやめて、刷り込み程度にしておきます。」


ぺしっ!


「とりあえず、何から何までありがとう。

 団員の拡充のことはずっと気にしていたんだ。

 弩級戦艦を手に入れても運用できなかったら、意味がないしね。

 そのあたりはおねーちゃん、全く頼りにならないから。」


「ふっふっふ。感謝するのは、まだ早いですぞ。

 ここからがこのコタめの本領発揮にございます。

 もちろん、助け出した孤児たちは、お嬢様たちの好みに合わせて選別し、惜しくも選ばれなかった者達は別の孤児院に預けてあります。

 つまり……そこに残った者たちは精鋭です(※見た目)!」


ぺしぺしぺしっ!


「ふぅ…でもコタが居なくなるのは寂しいし、不安になるわね。いつ帰ってくるの?」


「もちろん、全てを手に入れてからになります。

 私もこのアジトが心配でなりませんが、モカ様がいらっしゃるというだけで、何の心配もなく、りあえます。」


「ん?最後、何か言った?」


「いえいえ、任務に取り組めますと申し上げました。」


「………コタ、あんた、やっぱりヤバいことに首突っ込みかけてないよね?」


「はっはっは、大丈夫です。本当にいつも通りです。

 では私めはそろそろ行ってまいります。

 アジトの事はお任せしました。

 時間があるときには新団員を連れて、ネコパンチ号で周辺の悪党退治でもなされるとよろしいかと。モカ様の統率訓練にもなりますし、団員の練度を上げることにもなります。もちろん、お金稼ぎにもなりますしね。」


サクラモカもニッコリ笑う。


「分かった。そうする。コタ、本当にありがとうね。

 私が反物質を使わないでって言わなかったらこんな苦労もなかったのに。」


「いえいえ、コタはお二人のそういう所が大好きでございます。

 モカ様の涙、しかとお受け取りしました。

 この任務の報酬としてはおつりが来ますよ。」


「……恥ずかしいから、やめてくれる? ほんとに。」


「ほっほっほ。では、行ってまいります。」


そういうとコタは振り返りもせず、姿勢を正したまま歩き出した。


モカはまず、教育センターの視察に向かうことにした。


「やることがいっぱいだわ!」

挿絵(By みてみん)

…ここまでお読みいただき、ありがとうございます。副団長のサクラモカです。


お姉ちゃんを帝都へ見送った後、私はコタと二人で…ではなく、一人でこれから大変な任務を任されることになりました。コタは「いつも通り」としか言いませんが、彼が「地下に潜る」という言葉を使った時点で、それがどれほど危険な任務か想像がつきます。でも、コタは私を信じてくれた。お姉ちゃんを地獄に行かせないために、私にできることをすべてやります。


まさか私が会社の代表取締役副社長になるなんて…。しかも社長はあの無能な…いえ、お父さんです。コタの言う通り、目を離したら何をしでかすか分かりませんから、注意を怠らないようにしないと。それにしても、コタもミネも、そしてお父さんまで…みんな才能に溢れすぎていて、なぜ我が家は没落できたのか、本当に不思議で仕方ありません。

え?お父さんの才能?あのコタに忠誠を誓わせる人望がどこかにあるんだと思います。何か不思議なカリスマが。おねーちゃんもなのかな?


そして、新しい団員の訓練施設。そこには、親のいない子供たちがいると聞きました。でも、みんな希望に満ちた目をしているそうです。コタってホント、凄いわ。赤毛猫海賊団も安泰な気がします。


やることが山積みで、不安がないといえば嘘になります。でも、コタが「モカ様がいらっしゃるというだけで、何の心配もなく、りあえます」と言ってくれたから。ちょっと言葉遣いは変だけど、その言葉が嬉しくて、私、頑張れそうです。


…お姉ちゃんがいない間に、私はどこまで成長できるだろう。

これから、このアジトは私が守ります。


【副団長サクラモカから、応援のお願い】


コタも言っていましたが、不安がないといえば嘘になります。でも、私にはやらなければならないことがあります。お姉ちゃんを地獄に行かせないという任務です。


もし、この任務のために、私がアジトで頑張る姿を応援してくれるなら、 ブックマークや評価、感想をよろしくお願いします。


皆さんの応援が、私の頑張れる**「心の燃料」**になります。


では、また次回。

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