はじまり
ROM専ですがこの度執筆にも挑戦してみることにしました。
見切り発車ですが、なにとぞよろしくお願いします。
彼女が転生を自覚したのは齢5つの折。
最初に感じたのは___「ああ。また空虚な人生を送る羽目になるんだ……」ということだけ。
彼女は生まれつき、自分のむねのどこかがすっぽりと空いていて、いつだってさみしくて、けれどもそれを表に出せないような、難儀な性格をしていた。
繰り返されてしまう____。
虚無が。
愛されたいと渇望するその心は、今世にさえついてきて。
そう感じて、前世なんてどうでもよくなるくらい、それが怖くて仕方がない。
生きたい、生きていたい。
誰が死にたがるものか。
しかし元より自分は怖がりで、臆病で、だからさもしくも惰性に生きて「死なないように」「苦しまないように」を徹底して生きてきた。
今世も、そうするはずだった。
でも、でも。
9つの頃、出会ってしまった。
「こんにちは、貴女のお名前はなんというの?」
少女はイタズラっぽく笑う。
「私?私はそうね、貴女の友達になりたいひと、かな」
パープルアッシュの、少し波をうったような美しい髪。
パープルベルベットで、ちょっとだけタレ目の女の子。
ああ、かみさま。
ありがとう、ありがとう。
この人に会わなければ、私は空虚を抱き抱え、しかも空虚であることさえ知らず、いずれ死んでいただろう。
だからおねがい。
全部あげる、神に魂を捧げよう。
だから、だから。
_奪うな。私から奪うな。
_いなくなってくれるな。
___底抜けに優しかった彼女を、返しておくれ。




