10：大神との対話
頭から煙でそうなくらい難産な回でした・・・(;´Д｀)
皆を見送った後、儂はイシュカ神と向き合う。
「イシュカ様、私達が居た世界にはね。
異世界転移とか異世界転生とかタイムループとかって物語も
沢山存在してたんですよ。
私も幾つか読んでいたんですけどね。
今回の様に次元ホールが次々と多発する場合、
必ず発端となった神が居るはずです。
各世界の神々は神域で繋がっているのでしょう？
でしたら情報交換などをして発端となった神を探し出し対応を取って下さい。
私達一般人では頑張った所で限度と言うものがあると思うのですよ」
「一般人ではそこまで考えが及ばぬと思うのだが・・・」
「何か？」
「いやなんでもない」
「後招かざる客でしたっけ。
それって害意ある異世界人って事で合ってます？」
「んむ、左様じゃ」
「ならば遭遇してこちらに害を及ぼすようであれば排除してもいいですかね？」
「構わぬが、大丈夫かのぅ？
魔物や浸食された者でもなく異世界とは言え同じ人間であろう？」
「大丈夫じゃないですかね。私、人としての何かが欠落してると思うので。
そういう所割と冷たいんですよね。
ああ、あくまでも害意がある相手に対してですよ？
ただね、あいつ等はそうゆうの無理だと思うんです。
だから招かざる客の対応は私だけで。
出来ればあいつ等の記憶から
招かざる客については削除して貰えると嬉しいです」
「承知した、招かざる客の対応については其方に任せよう。
但し、1人で手に負えない時は呼んでおくれの」」
「招かざる客の魂の回収はしっかりとして下さいね？悪霊になっても嫌ですし」
「んむ、約束しよう」
「私達で出来るだけの事はやるつもりでいますけどね。
それはファンタニアの為でもそこに住む住人の為でもありません。
私達と仲間がファンタニアで楽しく生きる為です。
救世主とかになるつもりもこれっぽっちもないので。
私達は私達の生活を楽しむつもりでいますからご承知おきくださいね」
「んむ、心得た」
勝手に巻き込まれたのだからある程度は自由にやらせて貰う。
と言うか今まで通りにゲームの攻略してるようなもんだろう。
まぁゲームではなくそれが現実となるのだから
死なないように慎重に動かなければならないけども。
あれ・・・
そう考えたらCICAさんにヒーラーやらせないほうがよかった？
いや大丈夫よね、CICAさんやれば出来る子頑張る子。
「ちなみに回復系のポーションとかってありますかね？」
「んむ、存在するぞな」
よかった。ポーションがあるならまだ安心かな。
「戦闘職とは別に生産職にも就ける様にしておこうかの？」
「そうですね、可能ならばその方がよさそうです・・・」
「あいわかった。その様にしておこう」
「ありがとうございます。
それでイシュカ様のお話とは？」
「んむ、それなんじゃがの・・・」
・・・
・・・・
・・・・・
「はぁぁぁぁ？！
儂だけ0歳児スタートじゃないってか！！
どゆことぉぉぉぉぉ！」
イシュカ様の話によれば
儂の場合既に1回地上と接点を持ってしまった為に転生ではなく転移になってしまうのだとか。
いやいや、そこは神様パワーでなんとかならないのかな。
え？ 無理？ あ、そう・・・
寿命の長い世界だから100年くらいの差は有って無い様なもの？
ん？ 儂100歳で始まるの？！
違う？ 物の例え？ ああそう、驚いた。
じゃぁ皆と年齢の足並みが揃うまで此処で待機なのかな。
そうじゃない、すぐに手続きして出発？
えー・・・駄目なの？ 駄目なんだ・・・
で？
で？ってなに。 まだ何かあるの？
儂等が居た世界はテラ3と呼ばれる世界で
見つけ次第に塞いでいた次元ホールの1つがテラ7で対応が遅れてしまい
テラ7に存在していた儂が巻き込まれてファンタニアに来ている？！
「ちょ！
どゆことぉぉぉぉ！！」
はい、落ち着いて考えようか。
テラと呼ばれるパラレルワールドが複数存在。
当然ながら儂もパラレルワールドの数だけ存在すると。
んでその内の1人が儂と同じ様に巻き込まれましたよっと。
うわぁぁぁおっ、何で儂？！ 別世界だけど何で儂？！
次元ホールの湧いた座標が不運にも儂の家と重なっていた？
不運すぎるだろぉぉぉぉ！！
「一応聞きますが
そのテラ7だかの私にもなんらかの優遇処置がされているんですかね？」
「んむ、心配はいらぬ。
テラ7担当の神々も力添えをしてくれたでのぅ」
「そっか、よかった。
はっ、もしかしてそのテラ7でも儂等みたいにゲーム仲間全員とか？」
「いやそうではない。
テラ7の其方は其方が独身を選択した世界でのぅ。
ゲームもそれなりにはたしなんでおったようじゃが。
ゲーム仲間ではなく猫達と一緒にじゃのぅ」
「猫達と一緒？！
ま、まぁ・・・それなら少しは心細くはないからいいか・・・」
いいのか？ よくないよな。
巻き込まれないのが一番いいんだけども。
すでに巻き込まれた後ならどうにもならないか・・・
あれ？
その場合、同じ世界に同じ人物が2人いて大丈夫なの？・・・
「そこは心配ない。ツインソウル、魂の片割れに該当するでな」
魂の片割れ・・・
そう言われてもいまいちピンとこない。
「時が来れば自然と遭遇する事となろう。
その時は言葉を交わさずともすべてを理解するであろうよ」
そういうものなんだろうか。
経験した事がないから判らない。
いや、こんな事そうそう有っても困るけども。
「ではそろそろ其方も準備を始めるがよい。
何かと巻き込んでしまい申し訳ない。
このファンタニアを代表して謝罪しよう。
何かあれば教会にて話しかけるが良いぞ。
ではな。其方の新しき旅路に幸大からん事を」
「イシュカ様もお元気で！
次元ホールの件頑張ってくださいねー！」
イシュカ神と別れ案内役の珠と共に狭間へと向かう。
「は？」
儂は狭間で少々呆れていた。
「ですから・・・そのですね・・・」
案内役のその珠は震えている。
やる必要あるのかと思われるゲームのキャラメイクっぽい登録作業を進めた後に言われた言葉。
「他の皆様は0歳での御生れになりますが グレン様は元の実年齢となります、はい」
何が はい なんだか。
「元の実年齢？・・・」
「はい、ですからごｊ・・・・グハッ」
余計な事言わんでいい！年齢聞いてるんじゃないわな！と、つい殴ってしまった。
0歳児スタートじゃないのは聞いていた。
けど実年齢でとか聞いてない！
老眼がー！ 腰痛がー！ 膝痛がー！
「寿命の長い世界ですので見た目は二十歳ですからぁ～」
「そういう問題ではない！気持ちの問題だよ！」
はっ！ 見た目が二十歳なら老眼とか腰痛とかは・・・
「すべて健康状態良好であります！」
そうか、それならまぁ・・・
「はい、すべての必要事項の記入と設定が終わりましたね。
ではこれにて転移者手続きは終了となります。
最後にですね、ささやかながらプレゼントです」
珠が近づいて来て額にポンッと何かを押した。
「これは皆様方にしか見えない紋様です。
今までとは容姿が異なりますので紋様があれば遭遇した際に解りやすいかと」
確かに。
ゲームキャラと似たような感じにはなってるだろうけど目印は有る方がいい。
「地上に降り立った後はステータスの確認をしてみて下さいね～。
それでは いってらっしゃいませ～、良い旅を～」
いってらっしゃいって、なにそのまた戻って来る感じな挨拶。
まさか？ まさかねー。ないない。
こうして儂は地上へと旅立った。
ヒュゥゥーーーーーーッ
ちょ・・・
なんでフリーフォールかバンジーみたいに落ちてるんだよ！
パパッと地上に転送とかじゃないの？！
ひぃぃえぇぇ・・・
プッツリと意識が遠のいた。
読んで下さりありがとうございます。
