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1:フライングで闇の領域へ①

旧作(初めて書いた作品)を見直し&リメイクし

新作を組み入れた物となっております。


相変わらずの拙い文章と語彙力の無さではありますが

もしよければお暇潰しにでも。*´∀`)ノ ヨロシクオネガイシマス♪

コメディ風7割 シリアス風3割くらいになっております。


なお、作者はプロでもセミプロでもありません。

あくまでも趣味の1つとして書いておりますのでご了承くださいませ。

*** ***  〇〇〇〇〇目線  *** *** 


この日 我はいつもの散策に出かけていた。


馬の散歩も兼ねているこの散策は 

時折訪れる光の領域の住人が迷子になっていないかの確認の意味合いもある。

しばらくの間気ままな散策をした後休憩を取る事にした。

適当な倒木の前に火をおこす。

ケトルを取り出して火にかけ湯が沸くのを倒木に腰掛けけて待つ。

時刻は夕暮れに差し掛かった頃であろうか。

もっともこの闇の領域では日差しなど無いので、闇の色が濃いか薄いかの差でしかないが・・・

夕暮れとは一面がオレンジ色から紫色へとグラデーションが美しいのだとエルフに聞いた事があった。

いつかは見てみたいものだ。


などと考えていたら、焚火を挟んだ正面の土が盛り上がった。


モコッ・・・モコモコッ・・・ボフッ


茸?・・・いや茸にしてはデカイような?


クネクネ プルンッ うにょーんっ・・・ ポテッ


まるでアンデッドの誕生のような・・・

例えるなら地中昆虫が羽化するような感じだろうか。

土から最初に姿を現したのは背中のようだ。

モコモコと上に押し上げられ頭や手足が現れた。

容姿から察するに、ソレは中つ国の幼子の様にも見えた。


ハテ?中つ国の住人とは土から生まれたであろうか?

ゴーレムでもあるまいし。

確認の為近づきそっと触れてみると温かい。

呼吸も微かにしているようだ。

ふむ、体温があるという事はやはりアンデッドではないだろう。

それにしても・・・

さすがに一糸纏わぬ姿とはどうした物か・・・

生まれたてだから一糸纏わぬ姿でも仕方がないのだろうか。


考えているとソレがプルルッと身を震わせた。

ん?目覚めるのか? 

目覚めてすぐ我の姿を見ると驚くやもしれぬな・・・

ソレから離れて倒木に腰掛けて様子を見る事にする。

湯も沸きそうではあるしな。

そしてソレはもう一度プルルッと身を震わせるとクシャミをした。


「ぶぇっくしょい あ"ぁ"~・・・」


見た目とは反する豪快なクシャミ、おっさんか!と心の中で突っ込んだ。

リーパーのじぃさんがするようなクシャミである。

吹き出して笑いそうになるのを我慢した。

さすがに失礼だろうからな。


「お目覚めかな?」


寝ぼけ(まなこ)なソレに声を掛けてみると、ソレは固まった。

やはり固まってしまったか。

我としては驚かせるつもりは無いのだがいたしかたあるまい。

我の姿は光の領域に住まう者達にしてみれば異様な姿らしいからな。

自分の置かれた状況に理解が出来ぬのかソレは少しの間固まり続けた。

何かを思ったのかアタフタと地面を探っている。

そして視線を下に落として再び固まった。

なるほど、一糸纏わぬその姿に気づいたのか。

うむ、幼子ではなかったな、ちゃんと凹凸が・・・ゲフンゲフン


どうするか・・・


このまま放置しておけばスルーアやバンシーなどの餌食になってしまうだろう。

生まれたばかりであれば、なおの事さら放置も出来まい。

取り敢えずは屋敷に連れ帰り考えるか。

あぁ、その前にソレをまず落ち着かせねばならんな・・・


「取り合えず落ち着きたまえ。我に害意はない。」


潤んだソレの瞳がこちらを向いて眉間にしわを寄せていた。

その頬が微かに赤みを帯びているようにも見えたが、気が付かなかった事にする。


「少々古びていて申し訳ないが、取り敢えずはこれで身を包むがよい・・・」


己がマントを肩より外し、ひと払いしてから差し出した。

ソレは一瞬目を見開くも素直におずおずとマントを受け取り身に纏った。

その事で少しは落ち着いたようだ。


ふむ・・・


それならば茶でも勧めて話を聞いてみるか。


「茶でもどうだね」


焚火に掛けてあったケトルからティーポットに湯を移す。

ゆっくりと茶葉が開きあたりに心地よい香りが広がるのを確認して2つのカップに注ぎ、その1つをソレに差し出した。


「あ、すみません。ありがとうございます」


我はそっと微笑んで見せた。

恐らく微笑む事が出来ていたはずだと思いたい。




*** *** グレン目線 *** ***



「ぶぇっくしょい あ"ぁ"~・・・」


肌寒さを感じて豪快なクシャミを繰り出した。


「 ・・・ 」  しーんっ


あれ、おかしいな。反応が無い。

いつもなら「おっさんかよ!w」とか「腰、腰!!大丈夫?」などの声があがるのだ。

が、その反応が無い。

皆ROMだったけ?


「お目覚めかな?」


聞き覚えの無い低めの落ち着いた声が聞こえた。

こんな声の人いたっけか?と思いながら声の方に目を向けると


・・・


・・・・


ぬぁっ! デュラハン?!

なんでデュラハンが此処に?!

このダンジョンにデュラハンなんて居たっけか?

というかこのゲームにデュラハンて居たっけか?

ってかデュラハンて喋るんだっけか?・・・

そもそもが目の前に見えるってこのゲームVRでやってたっけか?

いぁいぁ、そうじゃない。落ち着け儂、先に倒さないと・・・

ソロでも倒せたっけ?・・・

まぁやってみるしかないか、武器武器・・・

見えん!

眼鏡何処?!

と手で地面を探ってみても眼鏡も武器らし物も見つからない。

マジかぁー!と叫びたい気持ちを抑えて目視で確認しようと下を見て固まった。


ヒェッ!!


叫びたかった、なんならいっそ気絶したかった。


「取り合えず落ち着きたまえ。我に害意はない」


そう言われましてもね?

儂 裸じゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉ!

なんで?

装備とか収納鞄とかなーんもないじゃんか!

せめて下着くらいは身に付けとけよぉ!

青くなったらいいのか、赤くなったらいいのか。

もぉこの際いっそ紫にでも・・・

いぁ紫はいかん腐乱してるよね?

・・・

ってそうじゃない!

何か着るもの・・・布でもいいから身に纏えるもの・・・隠す物ををを!


うん、ある訳無かったよね、さっき自分で確認したじゃんか。

装備もなんも無いって・・・

頭の中で「チーンッ」て音が聞こえた気がした。

うん、詰んだ、詰んだよねこれ。色んな意味で詰んだよね。

オワタ・・・


「少々古びていて申し訳ないが、取り敢えずはこれで身を包むがよい・・・」


デュラハンが自分のマントを取り外し、バサッと埃を払うとこちらに差し出してくれた。


へ?!

あー・・・目のやり場に困ってる?

もっとも何処に目があるのか知らんけどもっ!

よし、取り敢えずは受け取ろう。全裸はいかん全裸は・・・


気を取り直してデュラハンのマントを受け取り体に巻き付けた。

うん、これで最悪、全裸死体は回避できたなとため息が漏れる。

死体にはなりたくないけどね!

少し落ち着いた。

たぶん・・・きっと・・・おそらく・・・


その様子を見ていたであろうデュラハンからカップが差し出された。


「茶でもどうだね」

「あ、すみません。ありがとうございます」


つい条件反射で普通にそう答えてしまった。

デュラハンがお茶?

どこから飲むんだ・・・

いぁそうじゃねぇだろ。

でも正直お茶はありがたい。

喉が渇いてたし、少し落ち着いて考えたかったので素直に受け取る事にした。


目に留めて頂きありがとうございます!

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