223 初討伐
ツノウサギの解体を終えると僕達はさらに森の奥へと進んでいった。
時折、小さなネズミのような魔獣が僕達の姿を見ては茂みの中へと逃げていく。
そんな小さな魔獣に関してはオーウェン
は何も言わないし、追いかけてまでやっつけようとはしないから、放っておいて大丈夫なんだろう。
すると、前方にツノウサギの姿が見えた。
ツノウサギは僕達を見ると牙をむき出しにしてこちらへと突進してくる。
どうやらツノウサギは凶暴な性格のようだ。
こちらに向かってくるツノウサギをウィルは嬉々として迎え撃っている。
「ピィーッ!」
一瞬にしてツノウサギはウィルの鋭い爪の餌食となっている。
「ウィル。少しはエドアルド君の活躍の場面を残してあげないと。エドアルド君。次にツノウサギが出て来たら対処してくださいよ。その腰に下げている剣は飾りではないんでしょう?」
オーウェンに腰に下げている剣を指差され、僕はぐっと返事に詰まる。
このままウィルにツノウサギの討伐を任せようと思っていたのを見透かされたようだ。
「…わかりました」
僕は腰に下げていた剣を引き抜くと、ツノウサギの出現に備えて身構えた。
剣を構えたままそろそろと進む僕にオーウェンは軽く息を吐くと肩をすくめた。
自分でも情けないと思うが、いざ魔獣を斬るとなると怖気づきそうになる。
途端に前方の茂みがガサッと揺れて、ツノウサギが姿を現した。
すぐにウィルが戦闘態勢に入るが、オーウェンが軽く押し止める。
どうあってもこのツノウサギを僕に討伐させるつもりのようだ。
ツノウサギはすぐにはこちらには気づかなかったようだが、ハッとしたように頭を上げてこちらを睨んだ。
すぐに僕達を敵と見なしたようで、角を僕に向けて突進してくる。
「エドアルド君! 油断禁物ですよ!」
オーウェンの注意を受けて僕は剣を構えると、ツノウサギの身体を目掛けて振り下ろした。
「ピィーッ!」と甲高い声をあげて、ツノウサギの身体がドッとその場に倒れた。
ピクピクとけいれんしているツノウサギにウィルがとどめを刺した。
「一気に仕留めてやらないと、逆に可哀想だろ」
ウィルに言われて中途半端に剣を振った事を反省する。
まさか、生まれて二日目のウィルに注意されるとは思わなかった。
確かに中途半端に斬りつけて苦しい思いをさせるよりは、一気に仕留めてやった方が苦しみは少ないだろう。
「わかった。次からは気をつけるよ」
素直にうなずく僕にオーウェンは柔らかく微笑むとツノウサギを解体していった。
次は一気に仕留めてやるぞ。
僕は剣を握る手に力を入れると更に奥へと進んでいった。




