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218 変身

 身支度を終えた僕は寝ているウィルを起こそうとしたが、すぐに違和感に気づいた。


「あれ? また成長してる?」


 僕の手と比べてみると明らかに先ほどよりも大きくなっていた。


「成長期ですからねぇ~」


 オーウェンはのんびりとそんな事を言うけれど、いくらなんでも急成長すぎないか?


 食べたら食べた分だけ大きくなるなんて、ブタと一緒じゃないか。


 肥満なドラゴンなんて見たくもないぞ。


 おデブになりそうになったらダイエットさせるしかないな。


 そう決意して寝ているウィルの身体をユサユサと揺さぶった。


「ウィル、起きて。冒険者ギルドに行くよ」


 僕にゆすり起こされたウィルは起き上がるとクワーと大あくびをした。


「冒険者ギルド? 行って何するの?」


 ウィルに聞かれて僕ははたと思いとどまった。


 そもそもウィルを連れて冒険者ギルドに行く必要があるんだろうか?


 だけど、冒険者ギルドからまたここに戻って来るのも時間の無駄だから、連れて行くのは当然だな。


 だけど、いくら小さいとはいえドラゴンを連れていくと大騒ぎになりそうだ。


 ここはオーウェンに何か術を使ってもらって、ウィルの存在を誤魔化すしかない。


 そう思ってオーウェンを見やると、オーウェンはウィルに向かって微笑んだ。


「それだけ成長出来たのなら、そろそろ姿を変えられるんじゃないですか?」


 姿を変える?


 そんな事が出来るのか?


 驚いている僕を横目にウィルは軽く翼をはためかせると宙に浮いた。


「うーん…。ちょっとやってみるか」


 そう言ってウィルは軽く宙返りをしてみせたかと思うと、パッと姿を消した。


 一瞬のうちに一人の男の子がそこに立っていた。


 年齢は五歳くらいだろうか。


 真っ黒なツヤツヤとした髪が印象的な男の子だ。


 どことなくクリスの小さい頃を思い出してしまったのは、クリスに会えない寂しさからだろうか。


「これでいい?」 


 ウィルは得意そうな顔をしているけれど、流石にこんな小さな子供を冒険者ギルドには連れていけない。


「ちょっと小さすぎますね。エドアルド君くらいの大きさになれませんか?」


 オーウェンも流石にマズイと判断したようだ。


「ええー! 僕はまだそんなに大きくはないんだけどな」


 オーウェンの注文にウィルはブツブツと文句を言っている。


 確かに昨日卵から孵ったばかりだし、この姿だけでも十分急成長だよね。


 文句を言いつつもウィルはジワジワと身体を大きくしていく。


 身体に合わせて着ている服も一緒に大きくなるのは、この世界が異世界だからだろうか。


 あっという間にウィルは僕と同じくらいの年齢の少年の姿へと変貌していた。


 途端にアーサーの事を思い出して僕の心はツキンと痛む。


 そんな僕の心も知らずにオーウェンはにこやかに笑いかける。


「いいですね。それではウィルの冒険者登録も兼ねて冒険者ギルドへと向かいましょうか」


 こうして僕達はゾロゾロと冒険者ギルドへと向かった。




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