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217 今後の計画

 居間に入ると既にオーウェンとヴィンセントは食後のお茶を飲んでいた。


 僕に気づいたオーウェンが持っていたカップをソーサーに戻す。


「ゆっくり休めましたか? もう少し寝ていてもよかったのですよ」


 僕を気遣うような優しい言葉をかけてくる。


 肉体的な疲労よりも精神的な疲労の方が大きいのはオーウェンもわかっているのだろう。


「いえ、大丈夫です。それよりもウィルが『お腹が空いた』とうるさいので…」


 僕の横でフワフワと浮いているウィルをチラ見すると、ウィルはスーっとテーブルの上に着地した。


「ねぇ、これ食べてもいい?」


 そう言うなりオーウェン達の返事も待たずにお皿に残っていた料理にがっつき始める。


「ウィルってば! お行儀悪いよ!」


 慌ててウィルを止めようとしたが、時すでに遅し。


 またたく間に料理はウィルのお腹の中へと消えていった。


「孵化したばかりで成長中ですからね。それだけでは足りないでしょう。今追加を持ってこさせましょう」


 オーウェンがテーブルの上の呼び鈴を鳴らすと、それほど待たずに料理が運ばれてきた。


 テーブルの上にいるウィルを見ても何も言われないのは、オーウェンの術にかかっているからだろうか?


 ウィルの食べっぷりにつられるように僕も朝食を平らげる。


 昨日の出来事で精神的なダメージを負っていながらも、こんなに食欲があるなんて、僕は薄情な人間なんだろうか?


 少し落ち込みながらも食事を終えると、ヴィンセントがお茶を淹れてくれた。


 ウィルは、と見ると、パンパンに膨れたお腹を抱えて寝っ転がっている。


 あの調子で食べていったら肥満なドラゴンになるんじゃないだろうな。


 ウィルは僕の心配をよそにスヤスヤと寝息を立てている。


 オーウェンもウィルの様子を見てクスッと笑いを漏らしたが、すぐに顔を引き締めた。


「さて、エドアルド君。これからの事について話をしましょうか」


 オーウェンの言葉を受けて僕も背筋を伸ばしてオーウェンに向き直った。


「しばらくはこの街に滞在して向こうの出方を待ちましょう。追っ手を差し向けてくるか、エドアルド君が王都を出た事で何もしてこなくなるか…。見極めてからまた次の対策を練るという事でよろしいですか?」


 敵の正体がわからない以上、向こうの出方を待つしか方法はないだろう。


「わかりました。それでお願いします」


 僕の返事を聞いてオーウェンは満足そうにうなずいた。


「よろしい。せっかく別の街に来たのだから、冒険者ギルドを覗いてみますか? ウィルの戦いぶりも見てみたいでしょう」


 そう言ってオーウェンは爆睡しているウィルに目をやった。


 あんな風に無防備に寝ている姿を見ると、とてもドラゴンには見えないけどね。


 実際に戦ったら強いんだろうか?


 僕は疑わしい目を向けながら、少し冷めたお茶を飲み干した。



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