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072話 決闘大会(01)

 ネフェルとユキメが闘技場に到着したのは決勝戦が始まる寸前だった。


「すみません、ユキメお姉さん。私が言う事を聞かないばかりにすっかり遅くなってしまって……」


 テイマー部の策略にまんまとハマって大幅に時間を奪われたネフェルは責任を感じて謝罪した。


「いいのよ、ネフェルちゃん。決勝戦には間に合ったんだし。ほら「魔術部門・総合魔法戦」の決勝戦はルーシファス様とバルバトス様よ。どうやらアガリプレスト様は「総合魔法戦」では準決勝でルーシファス様に負けたみたいね。でも「雷電魔法戦」では優勝したみたいよ」


 魔界学園の決闘大会のトーナメントには「火炎魔法戦」「氷結魔法戦」「雷電魔法戦」など、その系統の魔法でのみ戦う部門があり、出場者はいずれか一部門と、全ての魔法を使用して戦う「総合魔法部門」のトーナメントに出場することが可能だった。


 アガリプレストは「電撃魔法戦」で優勝し、バルバトスは「火炎魔法戦」で優勝していた。

 そしてルーシファスは「支援魔法戦」で優勝していて「総合魔法戦」と併せて二冠を目指していた。


「ユキメお姉さんは確か「神聖魔法戦」で優勝されたんですよね?」


「そうよ。私は2年生の時に出場してぶっちぎりで優勝したわ」


 ムフーとした顔でユキメは誇らしげに胸を張った。


「今年は出場しなくてよかったんですか?」


「一度優勝した生徒は同じトーナメントにはもう出場できないの。私も「神聖魔法戦」以外なら出場できるけど、ほら、私って神聖魔法以外の魔法はぜんぜんダメだから」


 確かにユキメは「神聖魔法」では魔界で右に出るものいない絶対王者だった。

 しかしその代わり、他の系統の魔法はからっきしで、特に火炎魔法は初歩の初歩である小さな火の玉を出す魔法でさえ全く使えなかった。


「ネフェルちゃんも自分の得意な魔法を見つけて来年は出場しないとね」


 ユキメにそう応援されて、ネフェルは「そうします」と応じたが、同時に「私の得意な魔法ってなんだろう……」と自分を見つめた。

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