表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/83

054話 ネフェル(?)の学生時代(10)

 ネフェルは太陽に透かした手の平のように顔が真っ赤に輝き、目が泳いでグルグルと廻ってしまった。


 大慌てで手を離してスレキアイと距離をとろうと思ったが、考えに反して手が言う事をきかず、手を離さなければと思えば思う程、逆に焦ってスレキアイの手を強く握り締めてしまった。


 ネフェルはパニック状態に陥り、頭からモウモウと湯気を立ち昇らせた。

 目が廻ってその場に倒れそうになったが、その時、保健室のドアが勢いよく開け放たれ、薬が詰まった箱を抱えた女生徒が室内に入ってきた。


「あれ? スレキアイ部長? 保健室(ここ)におられたんですか?」


 そのはずみでネフェルはスレキアイの手を離し、距離をとることができた。


 女生徒はその時になってスレキアイの他に、もう一人、女生徒がいることに気付いた。


「あっ……───」


 すると女生徒はピタリと足を止め、フィルムを逆回転させるように後ずさって部屋を出て行こうとした。


「まてまてまてまて。勘違いをするな」


 スレキアイは慌てて女生徒を制したが「おやめください、スレキアイ部長。私はここに来ていません。何も見ていません。何も聞いていません」と、女生徒は尚も後ずさりをして部屋を出て行こうとした。


 そんな女生徒の動きを止めたのはネフェルだった。


「えっ? ユキメお姉さんっ? あれっ? ユキメお姉さんですよねっ?」


 そう言われて女生徒はピタリと足を止めた。


「えっ? そういうあなたはネフェルちゃんっ?」


「なんじゃ、二人は知り合いか?」


 驚くスレキアイをよそに、女子二人は抱き合って邂逅を喜び合った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ