005話 異世界転生で魔王のお母様に会う(05)
「おぬしのように気遣いができる者を探しておった。何せ妾は気遣いが全くできぬからのう」
確かに仰る通り、お母様はとても威厳に満ちておられ、下々の者をいちいち気遣うという事とはご縁がなさそうです。
「スキルが欲しいと申したな?」
「は、はいっ。是非ともいただきたいと思っております」
「スキルはやれんが妾の身体はやれるぞ。好きにするがよい」
「………………へ?」
私は一瞬、お母様の仰った言葉の意味が理解できず、気の抜けた返事をしてしまいました。
「す、すみません、お母様。今、なんと……?」
「妾の身体をやるから好きにせいと言ったのじゃ」
───……御身体を好きにして良い……?
───そうお母様は仰ったのでしょうか?
───それはアレでしょうか……?
───つまり大人の世界のお楽しみ的な方面の……?
私は改めてお母様の御身体を拝見しました。
お母様はすらりとした長身で細身の方でしたが、胸はとても豊かでドレスからこぼれ落ちそうな程でした。
優美な腰のくびれ───その先に伸びるおみ足は光り輝き、目が眩むほどの眩しさでした。
───……この御身体を好きにして良いと?
事態を理解した私は鼻から盛大に鮮血を噴き飛ばしました。
ショックと出血多量で危うく本当に死んでしまうところでした。