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029話 グランダム・サタン・アスタロッド(09)
(お、お母様~……)
私は半べそ状態になりました。
(これは一体……?)
するとお母様の深い溜息が聞こえました。
(やってくれたな……。よいか。魔界で相手の肩を揉むという行為は相手に対し、好意を持っているという意思表示だ。同姓であれば刎頸の交わりの申し出に等しく、異性であればプロポーズにも匹敵するのじゃ)
な、なんですって~!! プ、プロポーズ!?
はわわわわ……。えらいことをしてしまいました……。
(まあ、安心せい。グランダムも妾が人妻であることは承知しておる。今のおぬしの行為はグランダムの労を労う最高のおもてなしとヤツも受け取るであろう)
そ、そうですか、それは何よりです。
私は心底ほっとして胸を撫でおろしました。
(但しっ!! もう二度とするな!! 絶対じゃぞ!!)
(───っ!! は、はいっ!! しませんっ!! もうしませんっ!! 絶対に絶対にしませんです~っ!!)
私は平謝りし、お母様に固く誓いました。




