027話 グランダム・サタン・アスタロッド(07)
(なんじゃ? 何をする気だっ?)
(大丈夫です。お母様。少しグランダムさんのお疲れをほぐすだけです)
そういって私はタオルをお湯に浸しました。
「な、なんだ。ネフェル。何をする気だ?」
グランダムさんも戸惑っておられるようですが、私は彼の背中を押して椅子に座るよう促しました。
グランダムさんは素直に椅子に座られました。
「顔を上げて天井を向いてください」
そういうとグランダムさんは怪訝そうにしながらもお顔を天井に向けて下さいました。
「では目を閉じてください───じゃなくて、目を閉じるのじゃ」
グランダムさんが観念して目を閉じると、私はグランダムさんのお顔にお湯で温めたタオルを被せました。
「───!?? ───!!!? ネ、ネフェル! なんだこれは!?」
「ホットタオルです。みたところグランダムさんの肩こりは眼精疲労が原因のようです。温かいタオルで目元をほぐし、リラックスされれば肩の凝りもほぐれますよ」
グランダムさんはホットタオルが初めてだったようで、最初は居心地が悪そうにされてましたが、すぐにホットタオルの効果に気づかれたようです。
「ぐ……ぅう~……。な、なるほど。これは確かに心地よいやもしれぬ」
私は拳を握って小さくガッツポーズをしました。
グランダムさんがホットタオルを気に入ってくれたのが嬉しかったのです。
「さらにここをこうグリグリとすると、もっと気持ちいいですよ」
そういって私は優しくグランダムさんのこめかみをマッサージしました。
「お……おお……。頭がしびれる様だ。確かにこれは心地よい」
グランダムさんは身体から力が抜け、溶けるように椅子に沈まれました。
こめかみのマッサージが終わると、私はグランダムさんの肩を揉みました。
「ほら。だいぶ凝りが解消してますよ」
グランダムさんの肩をひと揉みした私は強張っていた肩がほぐれていることがすぐにわかりました。
───が、次の瞬間、グランダムさんが椅子から飛び起きました。
「ネ、ネフェル……! 今、何をした……!?」
グランダムさんは目を見開き、とても驚かれている様子でした。