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026話 グランダム・サタン・アスタロッド(06)
確かにグランダムさんはお疲れのご様子で、私の見立てでは「肩こり」を患っておられるようでした。
(あ、あの。お母様。どうしてグランダムさんはこんなにお疲れなのでしょう?)
屈強な肉体をお持ちのグランダムさんが、ここまで肉体疲労に苛まれていることが不思議でした。
(グランダムは我が魔王軍の騎士団長で、最高司令官の軍団長でもある。そして今、我が魔王軍は戦時体制にあってな。その為、魔王軍を束ねるヤツは多忙なのじゃ)
戦時体制。なるほど。どこかと戦争中なのですね。
そういった情勢下であれば最高司令官のグランダムさんがお疲れになるのも頷けます。
「あ、あのグランダムさん───じゃなくて、グランダム。見たところ肩こりが酷そうじゃな。妾がほぐしてやろう」
「───なんだと?」
(───なんだと?)
グランダムさんとお母様のセリフが重なりました。




